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安川電機は中国と共にエコ文明を建設
小笠原浩 株式会社安川電機代表取締役社長
3/18/2021 4:16:20 PM  文/本誌記者 蒋豊、王亜囡
 
 

世界のトップ500社に名を連ねる安川電機は、北九州市八幡西区に本社を置く。この地名から、日本の「近代化産業遺産」のひとつである八幡製鉄所を思い浮かべる人も多いだろう。意外だったのは、安川電機本社の至る所に工夫が凝らされていたことだ。会議室の壁全体が透明なガラスで設計され、自然光が最大限に有効利用されていた。人と環境が調和共生する場所で、本誌は、日本ロボット工業会の会長も務める、株式会社安川電機の小笠原浩代表取締役社長を取材した。

安川電機の最大の強み

—— 安川電機はFA(工場自動化)業界のトップランナーです。創業は1915年で、百年以上の歴史をおもちです。また、世界の四大産業用ロボットメーカーの一角を占めておられます。御社の強みについて教えていただけますか。

小笠原 当社は1915年に創業し、石炭、鉄鋼など当時の基幹産業をモーターで支えたのがその原点です。その後、動きをぴたっと止める画期的なモーターを発明し、モーション制御でモノづくりの自動化に新しい可能性を開き、機械と電子の融合によって、機械を高度化するメカトロニクスの概念を世界に先駆けて提唱しました。

さらに、パワー変換の技術でモーターの回転速度を効率よく制御して省エネに貢献するインバーターを開発しました。

1977年、日本初の「全電気式産業用ロボット」を開発して以来、モーターによるモーション制御を生かしたロボット技術を磨き上げ、世界の産業用ロボット市場をリードしてきました。

こうした世界トップクラスの技術を元に、工場の新たな自動化革命を推し進め、その技術を応用領域に広げるべく更なる未来を目指しています。

工場自動化というと、モーターによる自動運転システムだと考えられがちですが、それとは逆で、工場自動化にはモーターを止める技術が必要とされます。インバーターは閉ループ制御に必要な技術であり、サーボモーターは動きを止める技術です。こうした機動的な制御性能をロボットの製造に活かすことができます。

ロボットを製造しても、インバーターを利用してサーボモーターを製造しても、工場がこれらの機器を導入して生産活動を行おうとすれば、初期工程は大規模なものとなります。従って、工場自動化が進んでも、お客さまに製品を販売するだけでは不十分です。安川電機では、工場全体の円滑な運営をサポートできる設備を提供するとともに技術サポートも行っています。そこが安川電機の最大の強みです。

また、安川電機は世界の四大産業用ロボットメーカーに名を連ねていますが、当社とファナックの2社のみが、ロボットの製造に加えて、ロボットの動作を維持するモーターや電気品を製造しています。なお、そのモーターを外販しているのは当社だけです。これも安川電機の強みです。

ロボットメーカーは他にもありますが、多くは電気機器を第三者から購入しなければならないため、彼らは始動の段階で一歩遅れてしまいます。当社の歴史から見て、そこが一番の強みかもしれません。

新たな歴史を綴る

—— 御社は中国革命の先駆者である孫中山と深い縁をお持ちです。2009年、当時の習近平中国国家副主席が北九州を視察した折、御社の工場を訪れました。当時の記憶に残るエピソードはありますか。他にも御社と中国とのつながりがあれば教えていただけますか。

小笠原 2009年12月当時、光栄にも、取締役の役員の列に加わり、習近平副主席をお迎えする場に同席したことを覚えています。

実は、現在北九州市の副市長を務める学生時代の親友が、当時、局長をしており、彼からの連絡で、私は事前に習副主席が安川電機を視察されるかもしれないということを耳にしていました。習近平副主席は環境保護を重要視しており、環境問題の研究のために北九州を訪れ、その後、韓国を訪問するとのことでした。

当時の中国は、製鉄所が排出する煙霧に覆われ、社会全体が環境汚染問題に大きく注目していました。そこで中国の客人は、かつて「大気汚染が国内最悪の都市」と呼ばれた北九州が、いかにしてきれいで住みやすい街に変わったのかを見てみたいと思われたんではないでしょうか。その状況を踏まえ、受け入れ側は中国側の要望に沿って、視察先を安川電機の最先端技術の代表するロボット工場に決めたと聞いています。

当社は中国と深いつながりがあります。習近平副主席は当社の旧講堂を訪れた際、宛名が「安川敬一郎」で、「孫文」の落款が押された「世界平和」の扁額を、驚いた表情でご覧になっていました。

孫文とは孫中山のことです。安川敬一郎は一貫して孫中山の革命運動を支えました。孫中山が「討袁」に失敗し日本を奔走していた時、全力で支援しました。そして、孫中山はこの四文字を揮毫し安川敬一郎に贈ったのです。習近平副主席はその物語に感動し、ロボット工場の視察を希望しました。習近平副主席を迎えるに当たって、工場の生産部門と検査部門でロボットを一列に並べ、見事な操縦を披露すると、習近平副主席は「素晴らしい!」と賛嘆し、記念のカメラに収まりました。

それ以来、中国からお客さまが来られると、壁に掛けられた習近平副主席が写った写真を必ずご紹介します。すると、「習主席が立っていた場所に立って、習主席お写真と一緒の写真を撮ってください!」と、皆さん仰います。(笑)

中国にウィンウィンのサービスを提供

—— 安川電機は1990年代に中国市場に参入されました。近年の中国経済の発展をどう見ておられますか。また、御社はどのように中国との経済協力を進めてこられたのでしょうか。

小笠原 これは非常に興味深い質問です。安川電機は「市場のニーズに応える生産」を経営理念に掲げています。つまり、安川電機は必要とされている場所で生産活動を行うのであり、人件費等のコストが最も安い場所を探して工場を建設するのではないということです。安川電機は必要とされている地域に工場を設立し、生産活動を行います。

1990年代に中国でインバーターの需要が高まったことで、安川電機は中国へ進出しました、ロボットをはじめとするその他の製品についても同様です。

仕事などで航空機で頻繁に移動する人は、夜間便に乗ることも多くなるでしょう。1990年代、中国では発電量が爆発的に伸び、空港やその周辺地域の照明の明るさは大幅に改善されました。そうした状況下、インバーターやエレベーターの需要が高まったため、安川電機は中国へ進出することになりました。

2000年以降、中国でも静かに工場自動化革命が起きました。「世界の工場」が中国の経済発展のキーワードになったのもこの頃からです。

安川電機は、お客さまに当社のサーボモーター、インバーター、ロボットで生産活動を行い、利潤を上げてもらいたいと願い、2009年から2010年にかけて、中国に工場を建設しました。

安川電機のビジネスモデルはBtoBであり、お客さまはすべて企業です。安川電機の製品を使ってより多くの利潤を上げていただくことが、当社の利益につながります。そこで、安川電機は中国のお客さまとの共栄を基本理念として確立しました。安川電機が「Win-Win」のサービスを提供してきたからこそ、中国市場と中国のお客さまからの信頼を勝ち取ることができたのです。

疑うべくもなく、中国は目覚ましい速度で発展しています。安川電機もこの中国のスピードに歩調を合わせ、中国市場と共に成長するビジネスモデルを形成する必要があります。サーボモーター事業も、インバーター事業もロボット事業も「共存共栄」が必須のキーワードです。

さらに言えば、BtoBはお客さまの発展をサポートするビジネスモデルですので、「お客さま第一」です。この規律は世界中どこであっても変わりません。したがって、どの業種のどのお客さまをサポートできるかよりも、安川電機にとっては、中国の発展に貢献できることの方が大事なのです。

デジタル改革の重要性

—— コロナ禍によって、デジタル化は加速しています。そうした背景下、「データを世界の共通語に」をスローガンに、御社は「YDX(YASKAWA digital transformation)」として独自のデジタル変革(DX)を進めておられます。現代社会におけるデジタル変革の意義とはどういったものでしょうか。

小笠原 安川電機が進めてきたデジタル改革の中で、特に重要視しているものが二つあります。一つは「隔たりを縮小すること」、もう一つは「業務改革」です。業務の標準化を実現することが最優先事項です。

優劣はともかく、デジタル化のプロセスは中国と日本では大きく異なります。日本のデジタル化が遅れている原因を、今のコロナ禍を例に挙げて説明しますと、毎日、新規感染者数や入院患者数等、人々が関心を寄せる情報は、各地方自治体のウェブサイトに公開されていますが、その情報発信のフォーマットはバラバラです。情報源は一つでよいのです。多元的な情報はデジタル改革の土台とはなり得ません。デジタル改革は標準化に基づいたものでなければならないのです。企業の運営にも同じことが言えます。社内の各部門にとって、同じデータは無意味です。

企業の業務が適切に改革されれば、効果が現れ、「現実」が明らかになるでしょう。デジタル改革がなされなければ、「現実」を知ることはできません。デジタル改革によって物事の隔たりは縮小し、真相を明らかにすることができます。デジタル改革の意識をもち、業務改革の視点から観察するのは、あまり面白いことではありません。好ましくない「現実」を発見してしまうかもしれないからです。しかし、それをやらなければ異常に気付くこともできません。「意識を高める」こと、「現実(課題)」を知ることで、隔たりを縮小することができるのです。

取材後記

安川電機は、1915年に、工業都市・北九州で創業。現在に至るまで事業範囲を「電動機とその応用」を柱として事業展開をおこない、1977年には、日本初の全電気式産業用ロボットを開発した。2050年までに二酸化炭素排出量ゼロを実現するという壮大なビジョンをもつ同社は、時代の胎動に呼応して生まれ、時代の波瀾とともに成長し、時代の趨勢に応えながら百年間にわたり最前線に屹立してきた。その経営理念に、中国企業が学ぶべき点はあまりに多い。

 
  情報元:人民日報海外版日本月刊  
 
 
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