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「コロナ外交」で外交の新たな局面を切り拓く
孫大剛 中国駐新潟総領事
12/29/2020 12:57:44 PM  文/本誌編集長 蒋豊
 
 

日本の「雪国」として知られる新潟に、中国駐新潟総領事館が開設されて丸10年になる。年の瀬も迫る12月16日、新型コロナウイルス感染拡大の第三波が猛威を振るう中、オンラインで、孫大剛中国駐新潟総領事にインタビューを行った。

中国の「双循環」モデルが日本に新たな市場機会を創出

—— 近年、中日関係は大きく変化しています。孫総領事は外交官として、近年の中日関係の変化をどう見ておられますか。また、新しい年を迎えるに当たって、どのような予測と期待をお持ちですか。

孫大剛 中日両国はお互いが重要な隣国であり、パートナーです。また、幅広い分野で共通の利益を拡大し、協力できる可能性を秘めています。近年、中日関係は正常な軌道に戻り、改善と発展の勢いを保っています。このすう勢は、中央から地方、政府間ハイレベルから民間までのあらゆる層で見られます。私は2017年2月に新潟総領事に就任して以来、管内の各界と幅広く交流する中で、地方の第一線で身を以ってそのことを感じてきました。同時に、両国の間には依然として対立や溝、敏感な問題が存在し、それらをお互いが建設的に制御し、適切に把握し処理する必要があります。

来たる2021年は、中日両国にとって特別な意味を持つ年になるでしょう。中国は「第14次5カ年計画」の初年度を迎え、日本ではコロナ禍で延期となった東京オリンピックパラリンピックが開催される予定です。現在中国は、国内大循環を主体として、国内と国際という相互に補完する2つの循環に基づく新たな発展モデルの構築を加速しており、日本をはじめ世界各国で更なる市場機会が生まれることが期待されます。新しい年に、新たな発展の機会と、依然として深刻なコロナ禍の問題に向き合い、中日双方が公衆衛生、経済貿易交流、人文交流の各分野で実践的協力を強化し、共に地域経済の復興に向けて協力できることを願っています。両国の指導者の戦略的リーダーシップと各界有識者の協力の下、中日関係が健全且つ安定的に発展を続け、両国国民と国際社会に更なる利益をもたらすことを期待しています。


「新潟春節祭2020」期間に新潟を訪問し講演する孔鉉佑駐日大使

「地方外交」と「民間外交」を重視

—— 中日外交の大局において、「民間外交」と「地方外交」は常に重要な要素です。総領事在任中、中日の「地方外交」及び「民間外交」を進める上で、どこに力を入れ、どのような地方外交を行ってこられましたか。具体的にいくつか例を挙げて、中日の「地方外交」の重要性についてお話しいただけますか。

孫大剛 民間の友好と地方外交は中日関係発展のための重要な基盤です。両国間の交流は「以民促官」(民をもって官を促す)、「以経促政」(経済によって政治を促す)、「以地方促中央」(地方をもって中央を促す)によって進展してきた歴史があります。従って、我々は常に地方外交の推進を重要な任務としてきました。

現在、新潟総領事館の管内で、既に42都市が中国の都市との間に友好都市関係を樹立しています。近年では、新潟県上越市と吉林省琿春市、新潟県三条市と重慶市巴南区が新たに友好都市協定を結びました。福島県喜多方市と江蘇省宿遷市の間でも同意書が交わされています。これまでの友好都市交流を基盤に、我々は様々な地方外交や民間交流活動を行ってきました。

先ず、地域の特色を活かした独自の交流活動に長年取り組んできました。2015年から毎年、中国から代表団を招き、春節の前夜、「新潟春節祭」を開催してきました。既に6回を数えます。第三回までは屋外ブースで、第四回以降は屋内で公演を行いました。今年は、孔鉉佑大使が夫人と共に出席し、講演を行いました。「春節祭」では必ず、地方や民族の特色を活かした、多様で生き生きとした中国のパフォーマンスが繰り広げられ、各界から好評を博しています。

更に、2016年から2019年まで毎年、「朱鷺杯」と冠した中日友好をテーマにした写真展、作文コンクール、中日青少年書画交流展、中国語スピーチコンクール等の文化交流活動を行ってきました。「朱鷺杯」の一連の活動を通して、中日の民衆、特に両国の青少年のために、文化交流のプラットフォームを構築し、相互理解と友好を促進していきたいと願っています。

中日友好の基盤は民間にあり、中日友好の未来は青年にかかっています。2016年から2019年まで毎年、管内の青少年を招待して中国を訪問しました。その際、訪問地は各地の特性を考慮して決めました。2011年の「東日本大震災」で被災した福島県と宮城県の青少年は、同じく大震災で被災した四川省汶川県へ、新潟県の青少年はトキの中国の故郷である陝西省洋県へ、山形県の青少年は友好省県である黒竜江省へ招待しました。彼らは訪れた先々で同年代の中国の青年たちと直接触れ合い、中国に対する印象を深めたようです。団員の多くが、現地を直接訪れて、メディアの報道とは異なる中国を知ることができ、今後、中日友好のために貢献していきたいと語っていました。

「朱鷺杯」の活動と青少年訪中団の活動を基盤としながら、2018年から、日本の風習である「忘年会」に併せて、「朱鷺杯」の表彰者と訪中団の団員との交流会を年末に行われ、日本式に「友の会」と命名し、友好を深めています。

二つ目に、我々は重要な節目に記念のイベントを開催してきました。2018年には『中日平和友好条約』締結40周年を記念して、上半期に管内の四県による「中日友好交流大会」を開催しました。当時の程永華中国駐日大使に基調講演を行っていただき、田中角栄元首相の随行記者を務めた『新潟日報』の小田敏三社長、かつて中国の三江平原開発に携わった新潟県国際交流協会の中山輝也理事長にご自身の中日地方外交の経験を語っていただきました。下半期には、管内のメディアの代表による「中日メディア交流会」を開催し、当時の郭燕中国駐日公使をお招きし、基調講演を行っていただきました。更に、中国メディア各社が佐渡市を訪れ、中国からトキの種鳥が無事に到着した模様を取材し、李克強総理の訪日の成果を報じました。

中華人民共和国建国70周年に当たる2019年には、記念講演会、写真展、祝賀レセプション等、一連の祝賀行事を相次ぎ開催しました。2020年は新型コロナウイルスによるパンデミックの中で、新潟総領事館開設10周年を迎えることになりました。感染拡大防止の観点から、一堂に会する活動を避け、記念画集、記念CD、総領事館署名入り書簡、独占取材、報道(レポート)、ニューメディアによるプロモーション、記念品の七項目から成る公共外交活動を展開しました。近年、このような地方レベルでのタイムリーで、テーマを明確化した交流活動が、中日関係の安定した長期的発展のための良好な環境を創り出しています。

三つ目に、我々は管内の特色ある友好資源の発掘に力を入れています。管内の四県は中国と深い繋がりがあり、友好的感情が根付いており、我々が地方交流や実務的協力を進める際に、豊富な資源を提供してくれています。総領事館がある新潟県を例に挙げますと、ここは「中日友好の象徴」であるトキの生息地であるだけでなく、田中角栄元首相、『大漢和辞典』を編纂した漢学者の諸橋轍次博士、『北国の春』を作曲した音楽家の遠藤実氏等、中日の友好交流に貢献してこられた多くの友好人士を輩出しています。近年、私は相次いで、佐渡トキ野生復帰10周年記念式典、田中角栄生誕100周年記念式典、諸橋轍次博士記念漢詩大会表彰式、遠藤実ソングフェスティバル等の記念イベントに出席しました。そして中日双方がこれらのプラットフォームを通じて、交流を深めるよう推進してきました。伝統的友好的要素に新たな活力を注げるように努めています。


2018年、中日平和友好条約締結40周年記念「『朱鷺(とき)杯』中日友好青少年書画交流展」
(中国駐新潟総領事館主催)のテープカットの様子

「地震外交」から「コロナ外交」へ

—— 新潟総領事館の開設から間もない2011年に、「3•11東日本大震災」が発生し、初代の王華総領事は積極的に「地震外交」を展開されました。孫総領事は、在任中にパンデミックに遭遇されたわけですが、新潟総領事館として、どのような「コロナ外交」に取り組まれているのですか。

孫大剛 新潟総領事館は2010年6月24日に開設され、この10年間で、大きな試練を二度経験しました。一度目は2011年の3•11東日本大震災で、二度目が2020年の新型コロナウイルスの感染拡大です。

3•11東日本大震災発生時、我々は、中国国内の関連部門の強力なリーダーシップの下、大使館の指示に従い、各地の総領事館とも連携し、共に震災と戦いました。当時の王華総領事を中心に全職員が一丸となって、強力な組織力、団結力を発揮し、即座に被災地域に足を運び、被災状況を把握し、避難の手配をし、避難所の設置に協力し、二週間足らずの間に5200人以上の中国人が無事に帰国できるようアシストし、祖国と人民から託された栄えある使命を果たすことができました。全職員があの救援活動で示した「重責を担い、全力で戦う」という姿勢は、新潟総領事館職員の素晴らしい伝統になっています。

「3•11」を「遭遇戦」と呼ぶなら、今回の新型コロナウイルスとの戦いは「持久戦」と言えます。感染拡大後、我々は管内の中国公民の健康と安全を確保することを当館の最優先課題にし、即座に緊急体制を敷き、管内の各界との緊急コミュニケーションチャネルを開通し、ウェブサイトに「新型コロナウイルス関連肺炎情報コラム」を増設し、コンサルティングサービスと領事保護業務を強化しました。管内の華僑華人、中国人留学生を対象に、様々な形で感染予防対策を周知し、複数のルートを通じて中国公民が実際遭った困難を把握し、緊急時への対応に力を注いでいます。

同時に、我々は中日の地方間の防疫協力をも絶えずに推進してきました。中国での感染防止対策が正念場にあった時、我々は管内の各県市町村、友好団体、友好人士の皆様と連携し、医療物資の支援を行い、物流ルートを確保し、政策提言をするなど、橋渡し役としての在外公館の役割を果たすことができました。日本で感染が拡大した時には、中国国内からの防疫物資支援をサポートしました。中国国内と、管内の各界による医療物資の相互支援は2019年の1月から7月の初めまで続きました。完全なデータではありませんが、相互支援による防疫物資の総数は145万点を超え、感動的なエピソードも数多く生まれました。コロナ禍の中で繰り広げられた、苦難を共にするという両国国民の心の交流は、中日友好の確固たる民衆の基盤を示し、中日関係の良好な発展の勢いを反映していました。

感染予防が常態化する中、我々は新しい公共外交の形を模索し、「コロナ外交」に、より力を注いでいます。先ほど紹介した、開設10周年を記念する、特別な形での外交活動の他に、オンラインによる中日の地方間対話を行い、管内では書簡などによって「ソーシャルディスタンス」を保ちながら、心の距離を縮めています。また、オールドメディアやニューメディアを介して、生き生きと中国の状況や防疫活動の様子を伝えています。今年3月に開設した公式ツイッターアカウントも、好評を博しています。このコロナ禍における「非接触式」外交は、人々の連帯を促進し、「ポストコロナ時代」の中日地方交流の確固たる基盤を築きました。


新潟華僑華人総会が中国新潟総領事館に祖国支援のための防疫支援金を寄付

「人類衛生健康共同体」を構築

—— 「自然災害」と「コロナ禍」は、明らかに中日外交に新しいフェーズをもたらしました。これからの中日外交はこれら大きな自然災害にどう対処すべきでしょうか。具体的なお考えはありますか。

孫大剛 今回、世界中の多くの国や地域で新型コロナウイルスの感染拡大が見られたことで、ウイルスに国境はなく、疫病は民族を選ばないということを再認識しました。2011年の「3•11東日本大地震」のような大きな自然災害と同様に、2020年のコロナ禍も中日両国国民乃至全人類が直面する深刻な問題であり、日ごとに増す経験したことのない新たな脅威の典型です。大きな災禍に直面した時、完璧に対処できる国家はありませんし、自国のことしか考えない独りよがりも許されません。人類は苦楽を共にする運命共同体であり、団結と協力によってのみ、大きな試練を克服できるのです。

中日両国がこれまでの助け合いの上に、協同して防止抑制と公共衛生安全保障協力を強化し、共に「人類衛生健康共同体」構築を促進することを期待しています。王毅国務委員兼外交部長が、「2020年国際形勢中国外交」フォーラムで呼びかけたように、真にイデオロギー、社会システム、発展レベルの違いを超え、共に我々の唯一の住み家を守り、手を携えて恒久平和、普遍的安全保障、共同繁栄を目指し、開放性と寛容性のある麗しい世界を建設するのです。


コロナ禍において中国新潟総領事館は日本側に医療物資の支援を行った

総領事館は華僑華人の強固な後ろ盾

—— 新型コロナウイルス感染症が蔓延してから、管内の華僑華人とはどのようにコミュニケーションをとってきたのでしょうか。いくつか紹介していただけますか。

孫大剛 我々は管内の華僑華人と、力を合わせて共に困難を切り抜けてきました。

一つ目に、彼らは実際の行動で、祖国の新型コロナウイルスとの戦いを支援しました。中国国内で感染が拡大すると、即座に管内四県の新潟、山形、福島、宮城に住む華僑華人は、義援金や物資によって祖国の防疫活動を支援しました。新潟華僑華人総会、新潟県中華総商会、宮城華僑華人連合会の代表が、不足している医療用防護服等の物資を、総領事館に直接届けてくれました。それは祖国への力強い支援となり、同胞としての強い愛国心を表していました。

二つ目に、我々は管内の華僑華人の防疫を全力でサポートしました。感染拡大初期、日本市場では防疫物資が不足していました。彼らの緊張を和らげるため、我々は1万3000枚のマスクを、管内に住む華僑華人、留学生に支給しました。その後も、管内の全留学生に約10万6000点の物資から成る3300個の「健康パック」を支給しました。また、管内の華僑団体を通じて、防疫物資を必要とする華僑華人に累計4万8000点の物資を提供し、コロナ禍に打ち勝つ自信と決意を確固たるものとしてきました。

三つ目に、我々は防疫指導と領事業務に力を注ぎました。総領事館のウェブサイトに、「新型コロナウイルス関連肺炎情報コラム」を開設し、コロナ関連の情報をタイムリーに発信し、ウィーチャット等を通じて、管内各地の動向について逐次連絡を取り合い、「管内華僑華人団体オンライン交流会」を開催し、防疫に関する情報を周知徹底し、ボランティアの防疫活動をサポートし、領事館の役割を十分に果たすことができました。また、このコロナ禍において、我々が受けた電話の問い合わせは6000件以上にのぼり、メールでの回答は800件以上になります。更に、複数の領事保護案件を適切に処理し、特殊な状況下で急を要する管内の華僑華人に「グリーンゲート」を適用し、必要な証明書を発行するなど、コロナ禍において、領事業務と領事保護がずっと中国公民のそばにありますよう、「国民のための外交」のモットーに基づき、確実な業務の履行に努めました。

これまで、管内の四県から中国人の感染者は出ていません。これは、皆さんが、年初から油断することなく防疫に取り組んできた努力の賜物です。冬を迎えて、日本では感染拡大が勢いを増し、一日の感染者数と重症者数は最高値を記録し続けています。在日華僑華人の皆様には、引き続き警戒心をもって厳格な防護措置をとり、不要な外出や集まりを避けていただきたいと思います。

中国の春節を前に、在日華僑華人同胞が、穏やかな新年を迎えられることを願っています。

取材後記

この十年、本誌は、中国駐新潟総領事館と親しく交流し、その発展を目の当たりにしてきた。記者が最も印象深いのは、当領事館が、十年の間に相次ぎ大きな災禍に見舞われながら、「災害外交」に「公共外交」の色彩を加え、現代の中国外交史に、眩いばかりのハイライトを刻んだことである。

 
  情報元:人民日報海外版日本月刊  
 
 
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