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編集長インタビュー
 
 
 
 
成澤 守夫 株式会社YAK常務執行役員
華人の不動産購入が日本経済を活性化
1/22/2020 5:50:05 PM  文/本誌編集長 蒋豊
 
 


撮影/本誌記者 郭子川

2019年、日本の新生児出生数は86万4000人と1899年以来最低の数字となり、少子化はすでに厚生労働省の予測を上回っている。しかし、日本の不動産市場は安定しつつも成長している。2019年1月1日の統計では、日本全国の平均地価は4年連続で値上がりしている。東京、大阪、名古屋の三大都市圏の平均の地価上昇率は0.4%と、1992年以来はじめて全体として上昇した。

何が日本の不動産市場を押し上げているのだろうか。厚労省の統計では日本国内の外国人労働者は6年連続で増え続けており、2018年には16万5000人に達し、日本の少子化による労働力不足を補っている。日本政府は同年12月に出入国管理法を改正し、外国人労働者に対し門戸を拡大し、2023年までに34万人の外国人労働者を受け入れるとしている。

日本国内の外国人労働者の不動産ニーズにとどまらず、ここ数年、ますます多くの中国人投資家が、安定し成熟している日本の不動産市場に注目し、不動産市場の成長を後押ししている。

2020年が幕を開け、株式会社YAKも設立5年目を迎えた。大手がひしめく日本の不動産市場で同社は5年間の売上高が平均200%増という脅威の成長を遂げ、2019年には売上高が10億円を突破した。多くの不動産会社の中で同社がどのように潮流に乗り前途を切り開いてきたのか。日本の不動産業界の立役者である成澤守夫氏を訪ねた。

鋭敏なビジネス嗅覚と
優秀なチーム

—— 最近、日本の国土交通省が発表した不動産動向を見ましたが、2018年の東京の地価は2013年に比べ23%上昇し、1998年から2013年までの15年間の上昇率を一気に超えました。御社の成長は東京の地価の上昇のような勢いがあります。5年間でこのような急成長を遂げられた要因は何ですか。

成澤 実は設立前の数年間、不動産の分野で何を主に進めるのか設立仲間と打合せを繰り返ししている中、方向性がある程度見えてきました。低金利時代の現在、日本の不動産の最もホットな部分は大都市圏の不動産投資市場であることで一致しました。

しかしながら衣食住のうち不動産は人々の生活の最も基本的な部分ですが、金額が大きいため、現在の不動産を取得するには法人、個人、いずれにしても銀行融資を最大限活用しなければなりません。つまり営業していくには、住宅ローンや法人融資は我が社のパートナとして必要不可欠な存在です。不動産価格が安定している今、クライアントに金融機関を紹介する際、最も適した融資先を提供することができるかが非常に重要な課題でした。

私は日本の不動産会社、信託銀行系列の不動産会社などに40年近く勤務し、不動産売買、仲介などを通し融資関係など深く関わり実践してきました。これをベースとして、クライアントのために最適な不動産の提供とローンの組み合わせを提案、実行することによって、当社は急速な成長を遂げたのです。

もう一つの強みは、当社の営業社員は全員、中国語と日本語を話せます。読解力も万全です。もちろん英語に堪能な社員もおります。激務をこなせて努力を惜しまない20~30歳代の営業社員を主に、質の高い業務を心掛けお客様に納得いくまで十分説明し売却、購入していただくのが当社の方針です。

その中で、私の役目の一つは社員全員のレベルアップを図るための定期的に開催する、不動産の勉強会「不動産ステップアップ講習会」です。不動産は独特なルールの上、大きな金額が動くため取扱いにはきめ細かな対応が求められます。

現在の当社の営業社員はほぼ業務を任せられるまでに成長してきました。当社の急速な成長は、お客様に安心して取引できる様、社員一丸となって不動産取引の基本に忠実に日々努力しているからだと思います。

「中国不動産バブル崩壊説」
は成り立たない

—— 不動産は今、多くの中国人が関心を持つ分野ですが、日本の失敗によって、中国の不動産バブルに対する警戒心が強くなっています。日本の経験を教訓として、今日の中国の不動産市場の先行きをどう見ていますか。

成澤 日本の不動産バブルの崩壊は、世界中で悪い見本となりました(笑)市場がバブルかどうか、バブルがはじけるかどうかを理解するには、やはり日中両国の社会環境が異なりますから具体的な状況から具体的に分析しないと一概には説明できません。

日本の不動産バブル経済に限っては大なり小なり何十年も前から繰り返し起きてはおります。約40~50年前あたりから一般市民になじみがなかった住宅ローンなるものが登場したことにより、不動産が少し購入しやすくなった事です。とは言え当時の分譲住宅、分譲マンションなどの購入には自己資金が2分の1~3分の1前後を出さなければまだ購入することができませんでした。収益不動産に関してもお分かりのように、担保となる土地の所有者か土地建物の資金がある、やはり当時の高額所得者、富裕層に限られていたように思います。

お金を貸す側の金融機関もローンに関してはまだまだ手探りの状況でした。このころの金利は、8~15%前後と記憶しておりますが、不動産のキャピタルゲインが金利をカバーしていた時代です。「カネがカネを生む」つまり、不動
産を購入すればその後売却して利益を生むことができた時代です。

1985年のプラザ合意の影響で、大幅な円高となりました。当時の日本政府は円高で打撃を受けた輸出産業を補助するため、大幅な金融緩和を行い、市場金利は下がり、社会に流動資金が溢れました。日本国内に投資ブームが起き、株式市場と土地取引市場が特に資金を集めました。

「土地は値下がりしない」という世論に影響され、転売目的の土地取引が増加し、地価は大幅に上昇しました。銀行も値上がりを続ける土地を担保に、大量に資金を貸し付け利ザヤを稼ぎました。自己資金や返済能力がどれくらいかは必要なく、転売目的での購入に対する融資です。「最後にばばを引くのは誰か?」という言葉が飛び交うようになり始めた時がバブル崩壊の始まりでした。

当時の大手企業の課長は、10万円の頭金で3億円の収益不動産の購入を勧められ借り入れはほぼ全額ローン、返済は入居者満室後1年後からの返済設定で購入したとの話。当時の課長の年収は500万円ほどとのことでしたから、返済能力は年間160万円前後です。業者の説明は返済前の1年間の間に値上がりする価格で売却するシナリオに課長は乗ってしまったのです。

当時の定期預金金利が6%前後でしたのでローン金利はそれ以上です。残金借入決済後、入居者もままならず、「返済不能で契約の解除ができないか」の相談でした。当時の年収では支払いできる訳がありません。この時すでにバブル崩壊が始まっていました。

「身の丈」という日本のことわざがあります。人の「ふんどし」で相撲を取るということわざもあります。

今の中国と当時の日本を同列に論じることはできません。中国の富裕層は、一定の付加価値のある実体経済で成功した人たちで、それが日本との最大の違いです。事実、中国の富裕層の不動産投資は基本的にキャッシュです。戸籍による購入制限、自家用でない不動産の頭金の比率を70%にするなど、中国政府の不動産市場のコントロール政策も的確、正確です。これらはすべてバブル崩壊を避けるための有力な政策です。
よく話題に出る「中国不動産市場崩壊説」は現段階で取引されている当社のお客様を見ている限りではそこまでの心配はないのではないかと思います。

中国も日本と同じように住宅の需要は高く、消費の内需も依然として大きいので将来の見通しは明るいと思います。

首都圏の人口集中が
日本経済のエンジン

—— 日本の不動産市場は2020年東京五輪と観光立国政策のダブルの刺激を受けて回復し、穏やかな成長段階に入っています。少子高齢化が日本の不動産業界に与える影響を心配されていますか。

成澤 現在の日本の人口はいまだ「首都圏一極集中」の現象を起こしています。地方で商業、農業、漁業などに従事する方々の収入では生活のバランスが取れず維持するのが難しいため、過疎化は進んでおりますが、大都市圏の人気は高まる一方です。政府は少子高齢化を心配していますが、東京を中心とする首都圏から見ると、2018年のデータでは新生児人口は増えているのです。東京は密度の高いグローバルなビジネス街として繁栄する限りそれに伴い住宅事情も途切れることは無いのではないでしょうか。

企業も共働き政策に力を入れ、社内に保育施設を完備するなど子育て支援策は特に力を入れ今後ますます充実していくと思います。

高齢化問題についても、毛細血管が張り巡らされているような公共交通機関が首都圏東京にはあります。生活するすべてにおいて便利なように、人口が密集すればするほど福利厚生、商業施設、医療の充実など日々変化を遂げております。

その中でも駅のホームまでの乗り降りエレベーター、エスカレーター、ホームドアーの設置、高齢者、障害者のためのバリアフリー施設も急速に増え、改善されています。首都圏は逆に介護に適した地域に変わり、それに伴って介護産業も繁栄していくのではないでしょうか。
しかし、お話の通り日本の地方の人口は減り続けており、高齢化問題も年々深刻化していることは否定できません。

華人の不動産購入が
経済を活性化

—— 日本のメディアは「中国の赤い資本が日本を買い占める」と宣伝していますが、不動産業界に長く携わっている成澤さんに実際の状況をご紹介いただきたいのですが。

成澤 現在、当社のお客様は、在日華僑華人が日本の不動産購入の主力です。結婚して仮に家族ができると、住宅の購入ニーズは非常に高くなり、例えば、有名校の学区、生活環境などを参考に近くの不動産購入の検討を始めたりします。その後、収入に余裕が出れば、日本で投資用不動産の購入検討などを始めることも考えられます。

中国の方から「家を持っていなければ結婚できない」と言うことを聞いたことがありますが、日本人は家を買う人、借りる人と概ね二つに分かれているような気がします。家は買えれば買う、という考えの方は少なく一生賃貸でもかまわないと考えている方が多いです。この視点から、在日華僑華人が日本の収益不動産を購入し、不動産に興味の無い日本人に貸すのも一つの方法です。

余裕が出れば身近な方が遊びに来た時の宿泊施設として一部屋ぐらい空けておくのも良いのではないでしょうか。当社は賃貸管理も万全の体制でフォローいたします。

このプロセスの中で、収益不動産などからの税収を還元することにより商業施設の拡充、福祉施設の充実、教育環境の見直しなどに配分され新たに社会に活性化が得られますので、私個人としては日本の不動産に興味を持って購入などの検討を積極的にしていただければ大歓迎です。

新ニーズには政府と
民間の協力が必要

—— 日本の華僑華人の不動産購入は、よくローンの問題に阻まれると聞いています。ローン利率が高いからではなく、日本の銀行が外国人には貸したがらないのではないですか。

成澤 以前は確かにそういった問題はありました。「日本国籍を有する者」結婚後は仕事から離れる確率が高いため、「未婚の女性不可」などなど、金融機関は貸したお金の返済のことばかり考えていたのです。「本当に返済してもらえるのか?」・・・今では遠い昔の話です。

取引事例も豊富になった現在は収入を証明する書類と、融資する不動産の資料などで融資内諾が1週間前後で回答が出るまでになりました。

日本でも独身生活を謳歌する女性が増えてきましたので、銀行も独身女性のための住宅ローン市場を10数年前から開放し注目しています。不動産会社も独身女性が求める1LDK~2DKの比較的購入しやすいマンションを都心に供給し人気を集めております。低金利の時代、ローンを組んでも毎月の返済額が借りる賃料より安いのも決め手の一つではないでしょうか。

何よりも低金利時代の現在、金融機関は、お金を預けられても貸す先がないのが現状です。まとまった資金を融資できる住宅ローンなるものは、「渡りに船」まさに現代の助け舟なのです。

これらを参考に、我社は不動産における様々な新しい市場に介在し我々が先導し、資金調達含め満足のいく不動産の供給ができるような会社を目指して、日本の不動産を愛してやまない在日華僑華人の方々とともに発展していくことを願っています。

 
  情報元:人民日報海外版日本月刊  
 
 
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