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編集長インタビュー
 
 
 
 
中薬は中日間で協力の余地がある
中医学の代表的人物・周鑫医師
12/26/2019 12:36:39 PM  文/本誌編集長 蒋豊
 
 


撮影/本誌記者 張桐

キンモクセイの花が落ち、イチョウの葉が黄色く染まり、錦秋が終わりを告げる中、中国社会で広く注目を集める周鑫医師が、長年医療の最前線で蓄積した経験と理論を携え、招請に応じて日本を訪れた。

周鑫医師のこの度の来日は、静岡県日中友好協会並びに日中歴史文化交流協会の招待によるものである。周氏はさらに、中日両国の民間の芸術交流と両国人民の相互交流を増進するため、武漢市群衆芸術館紅兵芸術団を伴って来日し、当芸術団は何度も舞踏『風情茶韻』を上演し、情熱的なショーは現地の人々から大きく称賛された。11月6日、拍手と歓声に包まれる中、周鑫医師は本誌編集部を訪れた。

現在65歳の周鑫医師は、中医学の名家に生まれた。最前線での医療経歴は、彼に様々な知見と視点をもたらすとともに、祖国の中薬に対する特別な感情を生じさせた。彼は解放軍第一軍医大学の関連学科で西洋医学の専門知識を学んだ。多くのものを広範囲に学び、東洋医学と西洋医学の優れた点を融合し、最終的に、中医学の力で患者の痛みを根本から取り除くという道を選択した。半世紀に及ぶ医療行為のプロセスは、氏に生き生きと感性に富んだ思考と知見をもたらした。

中医学は世界の共生を促す

—— 先生は中医学を代表する人物として、タンザニア、エチオピア、スリランカ等多くの国々を訪問されています。国や民族の違い、文明の摩擦や文化の交流において、深く印象に残っている出来事はありますか。

周鑫 私はこれまで、招かれて、アフリカ、ヨーロッパ、南アジアの多くの国々を訪れ、現地の政財界の方々を診療してきました。彼らは当初、鍼灸に代表される中医学に対して困惑し、疑問を抱いていましたが、情報を得たり試したりする中で段階的に理解と信頼のプロセスを経ていきました。身をもって体験することで、海外の友人たちも中医学や中国の伝統文化に強い関心を寄せてくれるようになりました。

一部の発展途上国では、患者の経済力を考慮して、簡素な診療方法とできる限り簡単な治療クールで患者の苦痛を取り除くことを常に心掛けました。その普及と実践のプロセスは、国と国、人民と人民の間に、理解と信頼と感情を深めるプロセスでもありました。現地で中医学の知識を広め実践することで、中国の伝統文化の魅力も知ってもらうことができました。

また、海外を訪問し交流する中で、特にアフリカ諸国をはじめとする多くの国々で、現地の人々はその土地の植物で関節痛、下痢、発熱等のよくある疾病に対処していることに気付きました。中には我々がよく知る生薬とは異なるものもありましたが、病を治して人を救うという道理は同じです。私は、環境を浄化し土壌を変えることで植物を健康にし、人間に健康をもたらすという新たな視点を提唱しています。豊富な薬用植物資源は、大きな科学的、経済的価値を有しています。そのため、外国を訪問した際には常に、できるだけ多くの情報を収集し、いつの日か、これらの民間の知恵を文字や写真で紹介し、全人類が共有する医学的知識にしていきたいと思っています。

私は、エチオピアで現地のテレビ局の記者の取材を受けた際、中薬と現地の発展の関係について率直に自らの考えを述べました。私は実地調査を通して、標高1800mの山に薬効成分をもつ様々な植物が生息し、先住民はしばしば特定の植物を採取して殺菌、止血、病気の治療を行っていることを知りました。私は中医学と中薬に精通しています。自身の経験から、これらの植物には中薬と同様の薬効成分があると結論付け、これらを重要視し、発掘し、保護・継承していくべきであると指摘しました。

彼らは私が熱意を込めて語る言葉に戸惑い、興味深げに尋ねました。「あなたの国で、そんなに中薬が普及しているのに、なぜ我々の所にまで広めに来ているのですか」と。

私は、「医師の親心です。私は我々の中薬を売りに来ているのではありません。当地には豊富な植物資源があります。特に薬草資源が豊富です。一方で、当地は衛生医療の方面が遅れており、国民の生活水準は低く、高価な医療費を負担することは困難です。私はこのギャップを深く憂慮しているのです。当地の薬草資源を開拓し、薬草の知識を普及させることができれば、より少ない医療費でより多くの国民に奉仕することができ、この地に幸福をもたらし、後世の人々の生活に資する事業にすることができます」と答えました。

さらに、大胆なアイデアと提案があります。これら発展途上国の薬用植物を有効利用し開発することができれば、現地の労働者に雇用機会をもたらし、政府の財政収入が増えるだけでなく、国家間の貿易を促進し、世界経済の発展にも寄与することができます。新中国建国以来、我々は多くの発展途上国に経済支援とインフラ整備を行ってきました。将来、中医学と中薬の理論と知識をもって、薬用植物資源の国際舞台における発展・交流に貢献できることを心待ちにしています。

人間中心の理念を堅持

—— 先生は15歳から医療に従事され、今年でちょうど50年になります。長いキャリアにおいて挫折や誤解も経験してこられましたが、決して諦めることはありませんでした。広州第一軍医大学でも研鑽を積まれ、最終的に中医学の道に進まれました。やや特殊な経歴に思われますが、これらの経歴によって、一般とは異なる認識や見解を持たれたのではないでしょうか。

周鑫 50年間医療に携わり、最前線での診療や薬草の採集・処方の経験を通して、様々な事例に遭遇し多くの患者と会い問診を行いながら、人々の生活や心情に触れる中で、患者やその家族の境遇は胸に響くものがありました。

一人が病気になれば家族全員が苦しみます。したがって、私は病気を治療しながら患者の具体的な状況にも注意を払います。対策を講じて患者の生活の質を向上させ幸福度を上げるお手伝いをしたいと願っています。

特別な状況にある患者には、医療費を免除し、力の及ぶ限り支援を行ってきました。

「患者の痛みを取り除き病気を治療して、患者に自立した生活を促し、家庭や社会に如何なる負担も負わせない」。これは、私が長年医療に従事する上で、一貫して掲げてきた不変の理想です。私の母もかつて病に苦しみ、その姿を目の当たりにしてきました。医師でありながらどうすることもできなかった父の無力感も感じていました。そうした特殊な経歴によって、私は人々を救済する医師になろうと誓ったのです。

華佗、孫思貌、張仲景……中国は歴史上、多くの名医を輩出しています。彼らは「医聖」、「医仙」、「神医」と呼ばれ、庶民にとって神のような存在でした。これらの名医は、決して特定の患者を治療して「神壇」に祭られたのではないと思います。

まず第一に、中医学理論は中華民族の知恵の結晶です。歴代の名医は民族精神と民族文化の代表であり、長い実践の蓄積を経て昇華・凝縮したものです。

次に、中医学理論は大衆の中で生まれ、最後は大衆に返っていくものです。私は常に、大衆に目を向け、大衆に根ざし、大衆に奉仕し、大衆に幸福をもたらすことを医師としての規範としてきました。

最後に、中医学の診療は「望聞問切」(=東洋医学で最も重要な四つの診療方法。「望診」は目で見て観察すること。「聞診」は耳で聞くこと。「問診」は患者に言葉で尋ねること。「切診」は指でさすって調べること)に基づいています。個人の尊重、人間中心、実践重視が中医学の揺るぎない発展モデルなのです。数十年間、私はそう考え、語り、実践してきました。

漢方薬は日本で大きく発展

—— 中日の文化交流には長い歴史があります。中医学理論は儒学や漢字とともに日本に伝わり、日本の民間に広く根ざし、中薬は日本では「漢方薬」と呼ばれています。日本における中医学と中薬の普及について、どのような認識や見解をお持ちですか。また、今回の訪日交流には、どのような感想を持たれましたか。

周鑫 来日前に様々なチャネルを通して、日本における中医学と中薬の普及と伝承について一連の調査を行いました。また、その現状を視察することが今回の訪日の目的のひとつでもありました。

現在、中薬或いは漢方薬の日本における普及は一定の規模とレベルに達しています。率直に言って、韓国や東南アジア諸国、ひいては中国国内をも凌いでおり、高純度、高品質で、プロダクトラインにおいては強大な商業開発規模を形成しているのではないかと思います。しかし一方で、大量生産による商業活動は経済効率を考慮しなければならず、一種類の製品で多くの消費者をカバーしようとするため、異なる患者の異なる症状への対処ができません。

『千金方』や『本草綱目』にも記されている通り、中薬の調合比は厳格に定められています。同じ生薬でも主成分として使うか補助成分として使うか、或いは、異なる補助成分を配合するかで異なった効能が生まれます。生薬の調合比が変われば効能も変わり、患者の生命に関わる場合もあります。そのため、施術者は常に熱意をもち、生命の尊厳と職業への誇り、患者への責任と家族への共感を忘れてはなりません。私は常に、人は機械ではないと肝に銘じています。人の体質は生活習慣、環境、情緒などの影響を受け、国、民族、個人によって異なります。中薬は日本で既に、高いレベルで商業的発展を遂げていますが、中日間にはまだ深い次元で協力の余地があると思います。

私は最前線で医療に従事する中で、タイ族、ミャオ族、チベット族等の少数民族の医学知識・理論にも触れてきました。これらは中国の伝統文化の貴重な資産であり、中国の伝統的医薬学の重要な構成要素でもあります。日本の生物・医学分野における科学研究能力は誰もが認めるところであり、中国の優れた医薬理論及び資源がグローバル化されることを期待しています。それはまた、人類運命共同体の構築という価値観と符合するものでもあります。

取材後記

取材を終えると、既に夕日は沈んでいた。眼前のかくしゃくたる老人の柔和さと謙虚さが、夕日の残光の中で際立って見えた。氏は中医学と中薬への溢れんばかりの情熱と、中国の伝統文化への無限の愛を胸に抱き、最前線から一歩一歩高みを目指し、都市へ、世界へと歩みを進める。その歩みがより遠くまで、より着実に進むことを祈りたい!

 
  情報元:人民日報海外版日本月刊  
 
 
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