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編集長インタビュー
 
 
 
 
科学の発達には遊び心も必要
益川 敏英 名古屋大学 素粒子宇宙起源研究機構名誉機構長(特別教授)
2019/07/24 16:37:47  文/本誌編集長 蒋豊
 
 

2008年、いわゆる「小林益川理論」による物理学への貢献によって、益川敏英氏は小林誠氏(名古屋大学特別教授)とともにノーベル物理学賞を受賞した。この理論の元になったのは、益川氏が、名古屋大学坂田昌一研究室の後輩である小林氏と、京都大学に在職中の1973年に発表した一本の論文であるが、当時、益川氏は33歳、小林氏は28歳であった。現在も素粒子物理学の最先端を行く益川氏に中日両国の物理学界の「来し方行く末」について語っていただいた。

 
撮影/本誌記者 倪亜敏

誰もやらないことを俺がやる

—— 益川先生の研究成果は、「宇宙の起源」という壮大な謎を解明する重要な鍵となっています。まさに科学が夢を与えてくれた一例です。先生は、なぜ科学者になられたのですか。

益川 科学者にしかなれなかったのです。数学と物理以外のことは、全然ダメでしたから(笑)。

—— 先生の恩師である元名古屋大学教授の坂田昌一先生(1911―70)は、湯川秀樹(1907-81)、朝永振一郎(1906-79)の各先生とともに世界の物理学界をリードされた方ですが、どのような学者だったのですか。

益川 坂田先生は物理の研究だけでなく、誰もやらないことを率先してやる方でした。私も、社会にとって必要なことだと思えば、それがどんなに面倒なことであっても「俺がやってやる」と買って出る方です。例えば、大学の労働組合の役員は皆やりたくない。だから、組合の役職を決めなければいけない時期が来ると、押しつけ合うわけです。私は、そのようなことで煩わされるのは大嫌いですから、「俺に回せ、やってやる」と言って、そういう役割を引き受けてきました。ノーベル賞の受賞理由になった論文の準備をしていた1972年も、京都大学職員組合の書記長をやっていて、皆が勉強しているときに、私は組合の仕事でキャンパス内を走り回らざるをえなかった。ですから、家に帰ってくると、一種の渇望感というか、ものすごく勉強したくなって、おかげで非常に効率よく勉強ができました(笑)。

—— 国立大学の中に組合があるというのは、中国では全く想像できないことです。国立大学の組合というのは、どのような組織ですか。

益川 基本的には労働組合だから、働いている人たちの権利を守るということです。当時、定員外職員という立場で働いていた秘書の女性には、3年の任期があって、任期が来ると自動的に解雇されていました。それを見ていて、とても腹が立ちました。自分たちの研究から生じた細々とした仕事を、彼女たちが安い給料で引き受けてくれているのに、任期が来たら実績にかかわらず解雇されるなんて、おかしいと思いました。それで、解雇反対ということで飛び回ったわけです。

 

研究には遊び心も必要

—— 大学での研究開発については、国から助成金が出ていますが、近年、減少傾向にあります。

益川 研究費にしろ何にしろ、最近は自ずと配分されるお金がほとんどありません。そういうのを見ると、研究体制の在り方自体がおかしいのではないかと思います。昔は「講座費」といったものが、ある程度定期的に配分されていました。しかし今では、プロジェクト審査に通らないと、お金が入ってこないわけです。決まった予算に対する要求者が多いので、やむを得ないことだとは思いますが、研究なんていうものは、必ずしも当初から計画的に組まれているわけではないのです。「これも面白いから調べてみようか」と脇道にそれるような遊び心あふれる研究も時には必要です。多くの人が、これはダメだと思うものでも、ひょっとしたら大化けするかもしれません。あらゆるものを認めたら国は破産しますが、研究者自身が面白いと思ったものに対しては、ある程度遊ばせてあげるだけの余裕が必要です。

—— 中国は今、科学技術が急速に発展し、研究開発費では日本を抜いて、アメリカに次ぐ世界第2位。研究者の数は、アメリカを抜いて世界第1位になっています。中国の科学技術の現状を、先生はどう見ていますか。

益川 それは30~40年前のところからみなければダメです。中国の若い研究者は、先進国へ留学し、帰ってこない。(日本人は帰巣性があるらしく、帰ってくる(笑))。一番大きな問題は、中国の人たちはアメリカに行くと、アメリカにとどまってしまうことです。

 
「愛される知」

科学の発達を誰がコントロールするのか

—— 1972年の中日国交正常化から、まもなく50年になります。中日両国は経済面で協力して、多くの成果が出てきていますが、科学技術協力はまだ少ないのではないかと思います。

益川 やはり、ヨーロッパやアメリカにばかり目が向いている気がします。ただ、日本の場合、戦前の政府は、歴史的に見て愚かなこともやりましたが、役立つこともやっています。例えば、日本では戦前でも教科書がありました。若い研究者を欧米に派遣し、彼らが功成り名を遂げると、必ず帰国させ、子どもたちが勉強できるよう教科書を書かせたのです。明治の頃からそうです。そういう、次世代を育成するという方向性を有した政策を、誰がつくったのかは知りませんが、誇っていいことだと思います。

—— 中国の習近平主席が強調しているのは「イノベーション」です。近年の中国の科学技術の発展は、これによるところが大きいです。

益川 学問の発展には、自由さというか、政治家や官僚の意図によって決定付けられるのではなく、研究者が面白いと思うことを、ある程度自由にすることを許容するだけの「広さ」が必要です。同時に、科学の発達には、やはりお金が必要です。すると、科学の発展を一体誰がコントロールしているのかが分からなくなります。素粒子の共同研究には国内外の研究者数百名が携わるので、研究の舵取りを誰がやっているかというのは、私にも分かりにくくなっているのです。

 
  情報元:人民日報海外版日本月刊  
 
 
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