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編集長インタビュー
 
 
 
 
日中の科学協力は重要で必要なこと
小林 誠 名古屋大学 素粒子宇宙起源研究機構機構長(特別教授)
2019/07/24 16:26:57  文/本誌編集長 蒋豊
 
 

2008年、小林誠氏は「小林益川理論」による物理学への貢献によって、益川敏英氏(名古屋大学特別教授)とともにノーベル物理学賞を受賞した。小林氏も益川氏も名古屋大学坂田昌一研究室の出身であり、ともに京都大学に在職中の1973年に共同執筆した論文が、その後、世界中の素粒子物理学者が認める「小林益川理論」の元になった。東アジアの若手研究者の育成を中心に、日中の科学協力について小林氏にお話をお伺いした。

 
撮影/本誌記者 倪亜敏

東アジアの国際協力は必要

—— 最初に、中日間の科学技術分野における協力について、先生のご意見をお聞かせください。

小林 日中は地理的に近い国ですから、あらゆる意味で協力するのは、重要かつ必要なことです。ヨーロッパ諸国間では、国際協力は自然に行われており、東アジアでもそのような状況となるのが望ましいと思います。

政府レベルで考える科学技術協力とは少し違うかもしれませんが、研究者レベルでは、既にかなり密接な協力関係があり、様々なプログラムが動いています。素粒子分野でいえば、茨城県つくば市に高エネルギー加速器研究機構(KEK)という研究所があり、多くの中国からの研究者を受け入れています。また、中国での加速器建設にはKEKの研究者がかなり協力しています。

—— 先生がご指導されている中国人留学生は何人ぐらいいらっしゃいますか。

小林 私はもう学生を指導する立場ではありませんが、KEKの素粒子の大規模実験のグループ、その何百人というグループの中には、中国人メンバーが大勢います。特に若い世代の方を見ていると、優秀な研究者が育っていることを実感します。

私は今、仁科記念財団(日本の原子物理学をリードした仁科芳雄博士を記念して設立された財団)の理事長をしていますが、2013年、Nishina Asia Award(仁科アジア賞)というアジアの優秀な若手研究者の顕彰事業を創設しました。毎年1名を選考して、日本での講演及び研究交流を助成するプログラムですが、これまでの6名の受賞者の中には、復旦大学、清華大学、中国科学院物理研究所の研究者の方がおられます。いずれも世界的な成果を挙げた方たちです。

—— 日本では近年、大学の研究への投資力が低下しているというか、減少傾向になっています。この傾向について、先生はどう思われていますか。

小林 総額で見ると、日本の科学技術予算は横ばいで推移しています。大学に配分される予算も、財務当局は「横ばい」だと言っていますが、大学にいる人間から見ると、実質減です。実際、人材の確保すら難しい状況で、非常に厳しい状況にあります。中国をはじめ、多くの国が科学技術予算を増やしているのと対照的で、憂慮すべき事態です。

 

坂田研究室の自由で活発な雰囲気

—— 先生の恩師、坂田昌一先生(1911-70)は、1964年に北京で開かれた科学シンポジウムに招待され、このときに毛沢東とも対面されていますが、どんな方だったのでしょうか。

小林 坂田先生の研究は、マスコミなどでも取り上げられていたので、私は1963年に大学に入る前から、先生のことを知っていて、憧れを抱いていました。是非ともそこで研究をしてみたいと思って名古屋大学へ来たわけです。研究室は、若い人も自由に発言ができる恵まれた環境で、非常に闊達な雰囲気でした。坂田研究室だけでなく、物理学教室全体にいわゆる民主的なシステムが築かれていました。

ですから、私は大学院生の頃、研究室で何のためらいもなく、先生や先輩を相手に何時間も議論をすることができました。教科書からは決して学べないものが、直接のコンタクトをとることによって学べるわけです。そのような機会が自由に持てたというのは、非常に重要なことだったと思います。

—— 研究テーマは、先生から指定されたものですか。それとも、ご自分で選択したものですか。

小林 私が研究の世界に入った70年前後は、素粒子物理学の世界が大きく変わった時期でした。それまでは、ちゃんとしたGuiding Principles(指導指針)がなく混迷していましたが、初めてその方向性が見えてきたというタイミングだったのです。上下の隔たりがなく、若い人も皆、同じスタートラインに立っていた時期でした。ですから、特にテーマを与えられたというわけではありませんが、何をやるべきかは皆、それぞれにわかっていました。

 

欧米中心から世界のノーベル賞へ

—— 先生はノーベル賞をどのように評価しますか。21世紀に入ってからの、日本人の連続受賞は偶然だと思いますか、必然だと思いますか。

小林 研究者にとっては、受賞することそれ自体が第一の目標ではないはずです。自分の研究の目標なり、キュリオシティーなりをいかに追究していくか、それが実現できる状況があることが、最も重要なことです。

最近は、日本人のノーベル賞受賞者が相次いでいます。科学は欧米中心で発展したので、それが日本に広がって熟成するのに、それなりの時間を要したということだと思います。そういう歴史の流れの中で見れば必然と言えるかもしれません。

—— 先生は、これから中国でノーベル賞受賞者が出ると思われますか。

小林 今、中国では、積極的な投資をすることによって、研究施設も充実し、研究者も増えています。一般に研究は、何らかのブレークスルーをきっかけにして、急速に発展することが多いのですが、資金や人といった研究資源は、成果の期待しやすい発展している分野に投入される傾向があります。一方で、ノーベル賞は発展の元となったブレークスルーに与えられることが多いので、そこに多少のずれのあることは止むを得ないかと思います。ただこうした投資を通じて充実した研究環境や研究水準はきっと次のブレークスルーを生み出すでしょうから、近い将来、中国も多数の受賞者を輩出する国になると思います。

 
  情報元:人民日報海外版日本月刊  
 
 
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