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編集長インタビュー
 
 
 
 
中国の発展は日本、アジア、世界の利益
谷野作太郎 日中友好会館顧問、元駐中国大使
2019/05/27 15:35:08  文/本誌編集長 蒋豊
 
 

平成から令和に変わり、日中関係は新たな局面を迎えようとしている。6月末に日本で開催されるG20に中国の習近平国家主席が出席する予定だが、国家主席に就任して以来、初めての来日となる。そこで、元駐中国大使で、公益財団法人日中友好会館顧問である谷野作太郎氏に、これまでの日中関係と今後の方向性、習主席訪日への期待、そして日中科学技術交流の重要性などについてお話を伺った。

 

 


撮影/本誌記者 原田繁

日中関係に陽光がさす

—— 平成から令和に変わりましたが、近年の日中関係の変化をどのように総括されますか。

谷野 私は、1973年から75年(毛沢東時代末期)と、98年から2001年(江沢民時代末期)の2回、北京の日本大使館で勤務する機会を得ました。

その中国は、毛沢東時代の中国とはもとより、第2回目の中国勤務当時と比べても大きく様変わりしました。また、これに伴い、日中関係の方も大きく変化したように思います。

今、1972年の日中国交正常化以来の両国の関係を振返ってみますと、それは、「協力・協調」と「摩擦・対立」とが織りなす関係でした。しかし、その中にあって、少なくとも2000年の初頭のころまでは、間違いなく前者が両国関係の主流、主旋律だったと思います。

しかし、その後中国が政治(外交)、経済、軍事の各分野で国際社会における存在感を急速に高めてゆく中で、後者(日中間の「摩擦・対立」)も頭をもたげてくるようになりました。そして、さらには時としてこれに「歴史」と「領土」の問題が、大きな重石としてのしかかってくる事態になりました。

もっとも、そのような日中関係も、ここへ来て、両国の首脳の間の往来も回復の方向にあり、長く続いた曇り空の合間に再び陽光が差し込んで来たような気がします。

この情況をみて、「いや、中国側の最近の関係改善に向けての動きは、悪化の一途をたどる米中関係の反作用だ。日中関係の改善はまだまだ本物ではない」という辛口の見方も少なくありません。もちろん、そのことを正面から否定するものではありませんが、やはり、ここへ来て中国は、中国にとって最大の課題である「経済の持続的成長」を獲得してゆくためには、日本との協力関係が必要との認識を新たにし始めているのではないかと思います。

米中関係について言えば、トランプ大統領のやり方は間違っています。これが、中国や日本の経済はもとより、米国も含めて、世界経済に及ぼすマイナスの影響は決して小さくありません。他方、中国にはWTOのルールにもとる所作―例えば、中国企業に対する補助金の問題もなくはありません。とすれば、議論の場をジュネーブ(WTO)に移して、そこで、議論、決着を図るべきです。もっともトランプ大統領はそのようなマルティ(多数国間)の場での議論には極めて後ろ向きというもう一つの厄介な問題があります。また、その肝心のWTOの仲裁委員会を大幅に強化しなければならないのですが、これも今の米国の政権が邪魔だてをして、全く進んでいないという問題もあります。

 

日中は共通の利益にこそ目を向けるべき

—— 2018年10月、習近平主席と安倍総理は「競争から協調へ」など、日中関係の3原則を確認しました。今後の日中関係の方向性をどのように見ていますか。

谷野 日本と中国は、お互いにまごうことなき世界の大国同士です。とすれば、日本と中国は狭い意味での日中関係(貿易、投資、「歴史」問題…)に閉じこもることなく――それも重要であることは否定しませんが――いま少し視野を広げ、両国が協力して、或いは協議の上、役割を分担して、アジア、世界の平和と発展に向けて何が出来るか、ということを考えるべきです。

1998年、江沢民主席が訪日された時、発表された「共同宣言」には、つぎのようなくだりがあります。

「双方(日本と中国)は、日中両国がアジア地域及び世界に影響力を有する国家として、平和を守り、発展を促していく上で重要な責任を負っていると考える。双方は、日中両国が国際政治・経済、地球規模の問題等の分野における協調と協力を強化し、世界の平和と発展ひいては人類の進歩という事業のために積極的な貢献を行っていく」。これは当時、中国側の主張で書かれたものです。

テーマはいくらでもあります。中国も含めてアジアの環境問題、北朝鮮問題、軍縮問題、国連改革、日本と中国も含めたアジアの高齢化社会への対応、アフリカの貧困問題への日中協力の取り組み等々です。しかし、残念ながら、現在までのところ、日中の政治、外交関係が足かせとなって、この面で期待される協力はほとんど進んでいません。

その意味で、昨年の李克強総理訪日の折、両国が第三国におけるインフラ建設等の分野で協力してゆくことが合意されたことは、歓迎されることでした。

日中関係は、故周恩来総理がよくおっしゃっていたように「求大同、存小異」、お互いに「小異」にふり廻されることなく、共通の利益にこそ目を向けるべきです。

中国の人たちはよく、「和則両利、闘則俱傷」、「相争則傷、相輔則栄」と言います。このことは、日中関係に最も当てはまると思います。

日中関係には、引き続き、多くの日本の国民の関心が集まっています。近く離任する程永華大使の送別のパーティには、安倍総理をはじめ、日本の各界から1000人を超える人々が参集しました。また、新天皇、皇后両陛下は離任の挨拶のため赴いた大使ご夫妻とお会いになり、長年の労をねぎらわれました。新しい駐日大使として赴任する孔鉉佑大使も程大使同様、日本通として知られた人ですので、ご活躍をご期待したいと思います。

 

リーダー同士が会って信頼関係を深めることが重要

—— 6月末に日本で開催されるG20に中国の習近平国家主席が出席する予定ですが、国家主席に就任して以来、初めての来日となります。習主席の訪日にどのようなことを期待されますか。

谷野 せっかく始まった日中関係の歯車の動きを止めてはなりません。日中問題において、特に大きな役割を担うのは、両国の政治のリーダーたちです。そして、その際、リーダーに求められるのは、強い政治的リーダーシップと移ろいやすい折々の世論に流されない大いなる勇気と志です。

その意味で、両国の政治の最高レベルの方が、ひんぱんに会って、お互いの間の温もり、信頼関係を確かめ合い、そのことをそれぞれの国民に見せてゆくことが必要です。

戦後、ヨーロッパ、とくにドイツとフランスにおいては、それぞれの政治の指導者が、長年にわたってそのような努力を積み重ねてきました。その上に今日のヨーロッパ、EUがあることを私たちは知っています。もっとも、そのEUも最近、英国のEUからの離脱問題をめぐってゴタゴタしていますが・・・。

6月の習主席の訪日は、G20という国際会議参加を目的としたものです。従って、この機会に、安倍総理との間で十分時間をとって、いろいろと話し合うことはむずかしいでしょう。また、日本の地方への訪問も時間的制約もあってむずかしいかもしれません。とすれば、習主席には、早ければ、今年中にも機会を改めて、日本政府の国賓として、再度日本を訪問していただきたいと思います。

 

日中が科学技術の分野で新しい世界を切り開く

—— 急速に経済発展を続けてきた中国は、近年、科学技術の分野でも存在感を着実に増しています。日本と中国との科学技術交流の重要性について、どのようにお考えですか。

谷野 近年、中国の科学技術の発展には目覚ましいものがあります。特に、昨今よく話題になるIT(情報技術)、5G(第5世代通信技術)、そして宇宙開発、原子力開発などの分野です。

科学技術の分野における論文の数で、中国は米国のそれを抜いてトップに躍り出たと言われていますし、人材育成、起業、研究開発を支援する上での日本では及びもつかないほどの潤沢な予算を投入しています。また、ものごとを進める上での「選択と集中」、スピード感、そして、風通しの良い産・官・学の取り組みをしています。

一方、日本は「基礎研究」の面では、まだまだ一日の長があるということです。とすれば、科学技術の分野でも日本と中国は相協力して、新しい世界を切り開いてゆくことができるのではないでしょうか。

現在、日本の国立研究開発法人「科学技術振興機構」(JST)が、「さくらサイエンスプラン」(日本・アジア青少年サイエンス交流事業、さくらサイエンスセンター長は元東京大学学長の有馬朗人氏)と銘打って、中国の若手科学技術者との交流を進めています。

今のところ、センターの活動の中心は、①日本において中国の科学技術情報の収集と日本向け発信、②日本の科学技術や経済・社会情勢について中国向け発信、③日本と中国の若手科学技術者の交流(日本の招へい)が活動の中心です。

私もセンターの評議員の一員として参画していますが、③について、単なる「交流」だけでなく、一歩進めて「日中共同研究」の世界にどんどん進んでほしいと激励しています。

習主席は、中国経済の持続的成長のためには、「イノベーション(創新)」がもっとも大切だと言われています。中国では、党がすべてを差配するというやり方の下で、他方、その間にあって、間断なきイノベーションを創出してゆくという、その二つのことを、どこで折り合いをつけていくのか、その辺のところを関心を持って見守ってゆきたいと思います。

ともあれ、中国の発展、繁栄は間違いなく日本、アジア、世界の利益です。中国には国際社会の一員として、世界の祝福を受けながら、それに向けての道を進んでほしいと願っています。■

 
  情報元:人民日報海外版日本月刊  
 
 
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