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中国東北地方ルポ(1)
「永遠の不戦」「人類運命共同体」を!
街や庶民は明るく「自力更生」に自信
2019/04/23 19:58:35  文/撮影/八牧 浩行
 
 

この冬、中国の瀋陽、長春など東北地方(旧満州)を取材。日中メディア対話会に出席したほか、多くの人たちと交流した。米中経済摩擦の最中にもかかわらず、中国側は「自力更生による米中摩擦乗り切り」に自信を深めているようだった。ハイテク産業が集まる南部と異なり、重工業の集積地である遼寧省や吉林省の経済は厳しいと予想していたが、自動車や高速鉄道車両などの生産拠点は健在。各地の繁華街やビジネス街は米中経済摩擦を感じさせない隆盛ぶりで、人々の表情も明るかった。


東京駅がモデルの瀋陽駅

瀋陽のXmasイブは若者で大賑わい

中国・東北地方の中心都市・瀋陽は遼寧省の省都で人口は約700万人。大連や丹東、長春、ハルビンなどに向けた鉄道や高速道路網の中核都市である。鉄鉱石や石炭などの資源が豊富で、石炭、鉄鋼、機械工業などの重工業を中心に発展してきた。長らくこの街の重工業が中国経済を引っ張ってきたが、改革開放で急速に発展した上海、広州などの沿海部に後れをとった。地元のシンクタンク幹部は「今、中国政府は再び、この地域の振興策に力を入れ始めている」と明かした。

瀋陽の目抜き通りは超高層ビルが林立し、片側5車線の大通りに車やバスが行きかっていた。2つの地下鉄路線があり、繁華街の中街路に12月24日夜に訪れたが、夥しい若者が繰り出してクリスマスイブを楽しんでいた。赤、黄、緑などのイルミネーションも華やかで、レストランやショップにはクリスマスツリーが飾られている。店員は赤いサンタ帽を被り、人々の表情は皆明るかった。このような地方都市でもナイキ、バーバリーなどの欧米系ブランドショップやアメリカ人で溢れ、庶民レベルでは「米中摩擦」は全く感じられなかった。


瀋陽の繁華街「大街路」(18年12月24日Xmasイブ)

「瀋陽SHY48」劇場に日本人ファンも

この大通りから一本入った北中街路に瀋陽SHY48の劇場があり、デビュー公演『ドリーム・フラッグ(夢想的旗幟)』が行われていた。元祖AKB48の曲もレパートリーとなり、日本語で歌われる。ファンは日本語でコールし、国境も民族も関係ない世界が展開していた。1年前から続けられたロングラン。18年12月30日が最後の公演だったが、中国にはSNH48(上海)、BEJ48(北京)、GNZ48(広州)、SHY48(瀋陽)の四つの姉妹グループがあり、どこも活況。日本からこれらを応援するファンクラブまであり、「多くの日本人ファンが訪中し応援しており、特別ツアーも人気」(日本のファンクラブ関係者)という。日本のアニメやゲームと同様、日中文化の架け橋となっていることを実感した。


瀋陽・コリアタウン

北朝鮮の店も大人気

北朝鮮に近い瀋陽には中国最大規模のコリアタウンが瀋陽駅近くにある。大きな北朝鮮国旗が掲げられ、ハングル語が飛び交う。北朝鮮レストランも複数存在、朝鮮半島の民族衣装をまとった北朝鮮女性がアリランなどの歌と踊りを披露していた。韓国系レストランも多く、ここでは朝鮮半島、朝鮮民族の“一体化”を先取りしている。客は中国人家族連れが多く、この街では民族や言葉の違いを乗り越え、一般庶民が楽しそうに交流していた。

瀋陽は清朝が17世紀半ばに北京に遷都するまでは国都とされ、2代目皇帝ホンタイジ(太宗)の陵墓である昭陵は広大で往時の栄華が偲ばれた。特に神道には対となった獅子、麒麟、馬、象などの巨大な石獣が並び、圧巻。訪れたのは零下20度にもなる厳寒の季節だったが、中国人や外国人の観光客が詰め掛けていた。大きな池には氷が張り、地元民がスケートに興じていた。

満州事変勃発のきっかけとなった柳条湖事件(1931年)の現場の近くには、旧日本軍の中国侵略の歴史を伝える「九・一八歴史博物館」があり、日本人残留孤児の像が痛々しい。1931年9月18日、日本の関東軍は自ら南満州鉄道の柳条湖区間の線路を爆破し、中国側の仕業とする謀略を展開。これを口実に日本軍(関東軍)は中国東北部に侵攻、1932年の「満州国」建国につなげた。


長春・戦前の建物


凍てついた平原に巨大風力発電所

瀋陽から長春までは300キロ余り。最高時速350キロの高速鉄道は途中一駅止まっただけで、東京―名古屋間とほぼ同じ距離をおよそ1時間で長春駅に滑り込んだ。

途中、車窓からは凍てついた平原や畑が広がり、時折農家の集落が点在する風景が見えた。風力発電所も数カ所あり、それぞれ巨大風車のプロペラが五十~六十基。火力発電所の巨大施設や工場も点在していた。

長春は、1932年に誕生した満州国の首都として日本によって開発され、1945年の敗戦まで新京と呼ばれた。市内には新京時代の建築物が多く残っている。日本によって道路や鉄道、路面電車などの交通インフラが整備され発展した。

「ラストエンペラー」の悲劇

現在、満州国当時の皇宮や国務院、司法部、経済部、外交部、交通部、満州国中央銀行、郵便局や関東軍司令部、南満州鉄道などの建物がそのまま残っており、中国政府や銀行、大学などの建物などとして活用されていた。いずれの建物も豪壮な石づくりの特徴のあるデザインで、中国、日本、西洋の城郭にも似ている。米ワシントンをモデルとした計画都市だけに大きなロータリーを中心に大通りが放射状に延び、大公園も随所に配置され、「満州国テーマパーク」さながらだった。

満州国皇帝に即位した愛親覚羅溥儀が執政した旧満州国皇宮は「偽満皇宮博物院」として観光名所となっており、多くの観光客で賑わっていた。中国最後の皇帝溥儀の当時の生活や歴史などが展示され、「ラストエンペラー」の悲劇的生涯が人形やイラストの形で甦る。

自動車、高速鉄道の製造拠点に

現代の長春は人口約750万人。戦後、中国大手自動車メーカーである中国第一汽車集団の本社が設立され、トヨタ、マツダ、独フォルクスワーゲン・アウディが第一汽車との合弁・技術提携などの形で進出、これらの自動車メーカーを取り囲むように多くの部品関連メーカーが立地、自動車を中心とする工業都市として発展してきた。中国で急拡大する高速鉄道の製造拠点もあり、「ものづくりの街」として生まれ変わった。

現地の工場群は巨大で、自動車工場幹部は「自力更生を体現する模範的な産業が集積している。電気自動車(EV)時代に向けた関連技術を開発している」と胸を張った。一方、「科学技術文化の城」とも呼ばれ、大学、科学研究所、文化施設が多く、吉林大学、東北師範大学など著名な大学が所在している。

また長春は映画産業の拠点としても重要。満州国の満州映画協会(満映)は、満州国の正当性や建国理念の五族協をアピールする記録映画や劇映画をつくった。李香蘭(山口淑子)は絶世の中国人美女役で人気女優となった。戦後はレンガ造りの建物やスタジオを引き継ぎ長春映画撮影所となり、共産党革命の成果を鼓舞したり、国民の感涙を誘ったりする中国映画産業の一大拠点の役割を果たした。現在、長影旧址博物館として中国映画の変遷やスターの写真や胸像などを展示、シネマコンプレックスも併設する人気の観光スポットとなっていた。

戦争の爪痕、なお生々しく

今回の中国東北地方訪問では、日中戦争や旧満州国の実態を改めて取材したが、その爪痕が70年以上経った今も残っていた。日本人残留孤児の悲劇も見聞し、対外侵略や戦争は絶対阻止しなければならないとの思いを新たにした。

第2次世界大戦により世界各国で7000万人以上が亡くなり、日本人約三百十万人が命を落とした。中国人の犠牲者は一千万人以上と推計されている。戦争は軍隊だけでなく弱い子どもと家族が犠牲になる。

日本は明治維新になってから、日清、日露、日中・太平洋戦争と一九四五年の第二次世界大戦敗戦まで約九年間に一度戦争していた計算。そして戦後74年、主要国で日本だけが戦争をしなかった。戦後の平和は貴重であり、「永遠の不戦」を目指すべきである。

一方、中国は改革開放以来の四十年で飛躍的な発展を遂げた。「世界のリーダー」に躍り出た今、習近平国家主席が提唱する「人類運命共同体」の理念さらに進化させ、経済的な協調と軍拡抑制などを具体化する必要があろう。

今回の中国東北地方訪問では、日中の主要新聞・テレビ合計16社が参加した日中メディア対話会で意見交換した。中国側は「中華の夢」の実現を標榜する習近平体制の下で、経済・軍事大国が実現しつつあることに自信を深め、米中経済摩擦についても「自力更生」で乗り切れると楽観的だった。


日中メディア対話会(瀋陽)

「日中メディア対話」重ね、相互理解進む

日中双方のメディアの在り方についても「正確な情報を発信し、相手国のプラス面も積極的に報道するべきだ」「隣り合う経済大国・日中両国は平和友好と経済相互発展に向け協調すべきだ」などの点で一致した。筆者はこの種のメディア対話会に度々出席しているが、会を重ねるごとに「平和友好」と「相互理解」に向けた建設的な討議の場として発展していること実感している。

(続く)

筆者プロフィール


八牧 浩行

1971年時事通信社入社。ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。Record China社長・主筆を経て現在同社相談役・主筆、人民日報海外版日本月刊顧問。東京都日中友好協会特任顧問。著著に「中国危機―巨大化するチャイナリスクに備えよ」など。

 
  情報元:人民日報海外版日本月刊  
 
 
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