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延辺科学技術大学総長との忘れ得ぬ出会い
2019/01/11 13:20:31  文/本誌編集長 蒋豊
 
 

私は本誌編集長として、また北京大学の客員教授として、中国国内の多くの大学から講演の依頼を受けている。今回、延辺科学技術大学からの依頼をお受けすることにした。理由は単純である。1980年代、私は中央講師団の一員として、延辺朝鮮族自治州の和龍県で一年間仕事をしたことがあり、故郷に帰るような感覚を覚えたからだ。

11月2日、延吉に到着したのは夕暮れ時であった。驚いたことに、空港には、延辺科学技術大学の金鎮慶総長自らが秘書を伴い出迎えに来てくださっていた。

金総長は夕食にビュッフェをご馳走してくださった。そして、その場で大学のパンフレットと書籍『大愛無彊――金鎮慶評伝』(社会科学文献出版社、2014年3月第一版)を頂戴した。表紙をめくると、そこには金総長直筆の言葉が記してあり、宛名には私の名前だけでなく妻の名前も書かれていた。その細やかな心配りに胸を打たれた。

ホテルに戻って急いでページをめくった。本の内容は、ひとりの米国籍の韓国人である平和の使者が延辺の地にやって来て、中国教育部の認可を得た私立の科学技術大学を設立した。その後、彼は不幸なことに、北朝鮮に入国して死刑の判決を受けたが、北朝鮮の領袖の手によって命を救われ、延辺科学技術大学をモデルとした平壌科学技術大学を設立した。そして、二つの大学は「姉妹校」となった。

二日目の午後、 私は金総長の事務所に招かれた。総長は初めにキャンパスを案内しながら、1990年代に大学を立ち上げた当時の苦難に満ちた歴史を語ってくださった。事務所では、金総長が歴代の韓国大統領から接待を受けた時の写真と、当時の北朝鮮の金正日総書記と会見した時の写真を見せてくださった。総長の胸中にうっ積していた怒りや苦しみは、すでに燃え尽きることのない愛と情熱に変わったのだと知った。

円卓に着くと、総長は興奮気味に語られた。「私ももうこの年齢です。いつまでも総長をしているわけにはいきません。朝鮮族の人間に譲ってはどうかとも言われます。私は中国を愛しています。私はそんな狭量な人間ではありません。私はこの大学を中国の人民に託したいと考えています。教育事業に情熱をもち、中国の教育事業に貢献したいと願う漢族の方に託したいのです」。

その刹那、ある流行歌が頭に浮かんだ。「五十六の民族、五十六輪の花、五十六の兄弟姉妹は一つの家族、五十六の言語はひとつの言葉になる、愛する我が中国、愛する我が中国、愛する我が中国」。米国籍の韓国人である金総長が、自身が生涯を賭けた教育事業から身を退き、自ら設立した大学に別れを告げようというときに吐露された言葉と願い。その気概と心情に圧倒された。

午後3時、金総長は講演を行う大教室で、私に延辺科学技術大学の客員教授の招聘状を授与し、手ずから私の胸に校章を着けてくださった。そして、申し訳なさそうに、「北朝鮮の平壌科学技術大学医学院から30名の学生と教授が来ています。今晩、私は彼らにお供してモンゴルに行かねばなりません。あなたの講演は冒頭しかお聞きすることができませんが、戻りましたらビデオを見せていただきます。次は是非、平壌科学技術大学で講演してください」。

よろよろと立ち去っていく老人の後ろ姿に、一筋の東アジアの平和の光を見る思いがした。

 
  情報元:人民日報海外版日本月刊  
 
 
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