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編集長インタビュー
 
 
 
 
中村 公大 山九株式会社代表取締役社長
アジアの物流を高めて日中がハッピーに
2019/01/11 13:06:21  文/本誌編集長 蒋豊
 
 

日本有数の大手総合物流企業である山九グループは、1979年から出荷を始めた宝山製鉄所向けプラント輸出や1980年から取り組んできた中国交通運輸部からの研修生受入れなど、中国の物流事業の発展と中日両国の友好に寄与したことが評価され、2009年には「中国友誼奨」を受賞した。2018年に創業100周年を迎え、幅広い物流サービスを展開する同社の中村公大社長に、中国を中心にした海外事業の展望について語っていただいた。


撮影/本誌記者 郭子川

企業は一にも二にも人

—— 貴グループは本年創業100周年を迎えられましたが、日本有数の大手総合物流企業として、業界における貴グループの強みは何ですか。

中村 それは、とにかく一にも二にも人だと考えております。当社は何かをつくって、製品を売っているという会社ではありませんし、商社のようなビジネスでもありません。お客様のニーズに即した技能、腕を持った人間がお客様のお仕事を効率的にサポートして、それに対する対価をいただくという形で、もう100年、この業をなしています。ただ単に人が存在するというだけではなく、あらゆる人間がいろいろなスキルを持っていて、それをお客様のニーズに合わせて適用していくというのが当社のビジネスモデルですので、やはり一番の強みというのは人の力にほかならないと考えています。そのための投資は惜しみません、当社は人材のことを人財と呼び、技術技能を担保できるための人財獲得、教育に力を注いでいます。また、協力会社との連携も強化しており、それが他社には真似のできない圧倒的な動員力を生み出しています。

—— 貴グループの事業内容について簡単にご説明いただけますか。

中村 当社は1918(大正7)年に、親会社専属の荷役会社として誕生しております。当時、岸壁やクレーンは無く、大きな船が着岸できなかったので、沖に大きな船をつけて、陸地まで小船で荷役をする「はしけ作業」が最初の事業です。社名の「山九(さんきゅう)」は社訓にもなっている「感謝」を意味するサンキュウに創業の地である山陽と九州の頭文字を重ねています。

当時の官営八幡製鐵所(今の新日鐵住金株式会社の八幡製鉄所)や徳山にあった燃料貯蔵地の荷役作業を担っていくうちに、陸揚げした石炭や鉄鉱石の保管、構内輸送もできないかとお客様から依頼を受けて、工場の中でのアウトソーシングのお手伝いが拡大していきました。そのうちプラントの補修改修が必要になってきたときに、「山九さんが普段使っているものなので直しやすいでしょう」というお客様からのニーズがあり、日常保全という形でメンテナンス作業が発生しました。プラント建設ラッシュとなった高度成長期には、国内外におけるプラントや高炉の建設据付、重量物輸送といったお客様のニーズを取り込みながら事業の基盤を作っていき、今も、物流、工場構内操業支援、プラント建設保全、という三本柱で事業を継続しています。

このように、お客様の一番近くに寄り添って構内操業のお手伝いをしていく中で、技術技能ノウハウだけでなく、品質や安全を追求する社風や文化、それを醸成する意識の高度化が100年たっても選ばれ続け、信頼を獲得する理由となっています。そして、工場構内におけるアウトソーシングの経験を糧に、構外まで含めた物流業務の全てを一括して当社が担うようになりました。それを20年前ぐらいにスタートをして、世間では次第に3PL(3rd-party logistics)と呼ばれるようになり、物流そのものを完全にアウトソーシングするという流れに拡大していきました。

「中華人民共和国友誼奨」を受賞

—— 貴グループは、1972年の日中国交回復直後という早い時期に中国に進出され、2009年には中国発展の貢献者に送られる「中華人民共和国友誼奨」を受賞されています。また、早くから中国交通運輸部(日本の国土交通省に相当)からの研修生を受け入れておられます。その経緯、研修内容についてお伺いします。

中村 1975年の武漢鋼鉄、1979年からの宝山鋼鉄の建設が始まった際、当社が製鉄所向けプラント輸出作業の総合旗振り役を担ったことに遡ります。当時中国は人財を必要としており、当社がそのお手伝いをさせて頂くことになり、中国交通運輸部と研修生受け入れに関する協議書を締結し、1980年から毎年、本年までに208名の研修生を受け入れています。

最初のうちは、日本の物流がかなり先行していたので、日本の良いところをどんどん見てもらい、何かしら中国の物流発展のために貢献できないかという形式の研修でした。しかし、5年ぐらい前からは中国の物流も目覚ましい発展を遂げていて、今は、単に現場を見学してもらうだけでなく、お互いの良いところを持ち寄って議論する、「相互学習の場」へとシフトしています。

—— こうした交流の意義について、どのようにお考えですか。

中村 「人は見なければ分からない」というのが私の主義です。ただ「日中友好」という四文字を叫ぶよりも、実際日本に来ていただいて、日本の文化に触れて、日本の人と話して、日本の作業現場を見ていただくことが、本当の意味での日中の相互理解につながっていくと思います。

物流は東洋医学に通じる

—— 中国では、ロボットやドローンなどを積極的に導入して、物流現場の人手不足や配達の遅れ等の問題を解決しようとしています。日系企業の今後の課題は何だとお考えですか。

中村 ロボットやドローン、IoT、AIで物流の効率化を図ることは世界的な流れですが、ただ、その前に、モノの流れは人間の体でいうと血液、その血の流れが、まさにロジスティクス(物流)ということだと思うのです。そういうことを考えていくと、今、日本でやっているような、もしくは中国でもちょっと前までやっていたような人が介在する物流は、人が持っている力を強くして治す東洋医学に通じるのかなと考えています。AIとかロボットに全て置き換えてしまうというのは、まさに西洋医学で、とりあえず切って治すというイメージです。

物流全体をAIだ、ドローンだと、一気に変えてしまい、5年10年が経ってしまうと、例えば天災などにより電気が止まったり、通信障害が起きたりすると、物流網が全てストップしてしまいます。人に例えるなら、まさに血が止まった状態と同じであり、経済全体が危機的な状況に陥ります。しかし、いざ人が物流をやろうと思っても、その時には経験のない人ばかりで対応ができない、ということに成りかねません。

私が外側から中国を見ていますと、あまりにも変化のスピードが早く、全てががらりと変わるので、いざという時のビジネスコンティニューという意味での担保がどこまでできているのか心配です。絶対に止めてはいけない部分は人が介在してできるようにしておく必要があります。ただ、日本の企業は慎重すぎて変化が遅いという感がありますので、中国のスピード感と、日本のスピード感の、ちょうど中間ぐらいで進んでいくのがいいのかなと思っています。

日中のボーダーラインが無くなる日

—— 本年(2018年)は日中平和友好条約締結40周年で、両国関係は今、良好な方向に向かいつつある一方で、米中の貿易摩擦が激しさを増し、世界経済への影響も懸念されているところです。

中村 日本も今、人手不足が叫ばれている中で、すでにチャイナプラスワンという形で、日本の製造業のお客様もほとんどが中国以外に工場を出されたりしていますが、確かに中国経済が何かしらの形で頓挫してしまうと、日本の経済が回らなくなる、これは避けられない事実です。それをやはりきちんと受け入れることが、一番最初にやらなければいけないことだと思います。

今までは日本の製品を中国で作るという形でしたが、今後は日本だ、中国だというビジネス上のボーダーの線引きが、どれだけなくなるのか、そのタイミング、スピードがどこまで進むのか、非常に興味深いです。東アジアの中国と日本はGDPで2位と3位の国ですから、それこそEUやASEANなどのように、ここが1つの経済圏を持つことになれば、非常に大きな意義があります。

将来的に、アメリカと中国の橋渡しを日本ができる、逆に言えば、それができるだけの日中、日米間の経済の重要性を高めていけば、お互いに切っても切れない関係になります。GDPの1、2、3位が一緒に経済圏を持てば、向かうところ敵なしです。

私自身は一経営者として、やはり日本と中国で事業を展開している以上、自身のポリシーとして、山九に関わった人、自分に関わった人をなるべく多く笑顔にしたいと考えています。やはりお互いがビジネスでハッピーになって、あなたと仕事をしてよかったというのが、あるべき姿だと思います。そのために、しっかりとコミュニケーション力を高めて、日本も中国もハッピーであるということを、どれだけ追求できるかが大切だと思っています。

 
  情報元:人民日報海外版日本月刊  
 
 
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