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編集長インタビュー
 
 
 
 
濵田 雄一郎 濵田酒造代表取締役社長
伝統・革新・継承の150年
2018/11/22 22:28:16  文/本誌編集長 蒋豊
 
 

酒類は原材料や製法が異なるとはいえ、広義には醸造酒と蒸留酒に分類される。蒸留酒は、中国では茅台酒に代表される白酒があり、日本では鹿児島県の本格焼酎がよく知られている。日本国内では人気の本格焼酎だが、この8月に初めて中国上海に焼酎専門の飲食店「JAZZ IN SHOCHU 鹿児島料理」がオープンした。焼酎の魅力を中国の人たちにも伝えようとする試みである。先ごろ、今年創業150周年を迎えた濵田酒造の濵田雄一郎代表取締役社長に焼酎の歴史と展望について伺った。

昔ながらの本格焼酎とは

—— 焼酎とは日本人にとってどのようなお酒なのでしょうか。また、焼酎の多くはなぜ鹿児島でつくられているのですか。

濵田 日本人にとって焼酎というのは、実は2つあります。1つは、明治以降に政府によって決められた焼酎甲類(新式焼酎)です。これは連続式蒸留器で造られた純粋アルコールを飲用に適する度数にしたものです。明治政府が成立したとき、政権の中枢には薩摩出身の方もたくさんいましたので、自分のふるさとでは、蒸留した酒を「焼酎」と称してよく飲んだということから命名されました。

もう1つは、薩摩を中心に南九州で地酒的に飲まれていた焼酎です。いわゆる「焼酎」といわれてきた昔ながらの焼酎は焼酎乙類(旧式焼酎)となりました。今日では「本格焼酎」とも呼ばれています。

明治政府が焼酎甲類を造る背景として、その頃の日本では、西洋近代産業政策を進めるために、石炭や鉄鉱の産地を全国に広げていくわけですが、産業労働人口の再配置を推進する中で、重労働にいそしむ人たちに対して、お酒を提供していました。これは国策ですから、焼酎甲類は政府の力で全国に浸透していきました。酒類は担税物資で、酒税は非常に大きな国家財源でもありました。それに対して南九州で昔から飲まれていた本格焼酎は、なかなか旧薩摩藩領以外に出ていくことがなかったのです。

ところが昭和の時代に入り、道路や鉄道網などの物流が整備され、情報面では、ラジオやテレビ、電話の普及に伴い、南九州から福岡、広島、大阪、東京へとどんどん人が出ていきますから、その人たちは慣れ親しんだ本格焼酎が欲しいと酒屋さんに取り寄せてもらうというような流れの中で、本格焼酎という日本古来の蒸留酒があることに、多くの人が気付いていくわけです。このことが昭和50年代以降、顕著にあらわれ、その現象は「焼酎ブーム」と呼ばれました。南九州では常識だった本格焼酎が、日本全国での常識になっていったのです。

「伝統」と「革新」と「継承」

—— 御社は明治元年創業、今年で創業150周年を迎えられました。社長は鹿児島県酒造組合の会長も務めておられますが、数ある酒造メーカーの中で、御社の強みは何ですか。また、企業が150年生き残ってきた秘訣を教えてください。

濵田 私どもの特徴は、本格焼酎を、日本の生んだ蒸留酒、つまり國酒と位置付けていることです。実は優れた蒸留酒のある地域には、優れた醸造酒があります。日本でいうと清酒です。清酒は澄んでいますが、その前身は「どぶろく」と言われた濁り酒です。そのどぶろくを蒸留すると、焼酎になります。

例えばビールを蒸留すると、ウイスキーの原酒です。ワインを蒸留すると、ブランデーの原酒です。コーリャンを使って発酵させて、それを絞ったものは「黄酒(ホアンチュウ)」、これをベースに蒸留して寝かせたものが茅台酒のような「白酒(バイチュウ)」になります。

焼酎の場合、日本酒がルーツで、それを蒸留して日本の蒸留酒、世界のどこにもない独特の「本格焼酎」があるのです。私たちは、こうした本格焼酎を語れる酒蔵でありたいし、語れる商品を造り続けたいと考えています。

しかし100年、150年と続くためには、150年前と比べて、市場環境は大きく変化していますから、それに対応できる商品、つまり革新が必要です。伝統に革新が加わった商品は市場の中で生き残り、さらに寿命が延びて新たな伝統を重ね始めます。革新を重ねた伝統は継承され、時代を超えて支持され続ける商品へと育っていくのです。私たちの事業テーマは、「伝統」「革新」「継承」であり、それらを体現した「伝兵衛蔵」「傳藏院(でんぞういんぐら)」「金山蔵」という3つの焼酎蔵があり、「三味一心(さんみいっしん)」と表現しています。100年、150年続く企業は、常に「伝統」「革新」「継承」を絶えず繰り返してきた取り組みの結果なのです。


撮影/本誌記者 郭子川

「麹」がつなぐアジアの文化

—— 近年、日本の食文化は世界から評価されていて、インバウンドの増加に伴って、多くの外国人が日本の料理や酒に触れるようになりました。焼酎の海外進出についてはどのようにお考えですか。

濵田 本格焼酎というのは、日本が生んだ日本独自のお酒です。これが日本の蒸留酒かというふうに、ぜひ飲んでいただきたいし、アピールしたいです。単においしいとか、気に入った、気に入らないとかというレベルではなく、今まで飲んだお酒で初めての味だ、一体これはどういうお酒なのか、どうやって造られているのかなど、商品の持つバックボーンにまで関心を持っていただきたいのです。原材料の生産プロセスから、それをつくる杜氏の思いや、あるいはそういうことを150年やってきた当社のような蔵元の歴史や考え方を理解してもらえれば、日本を知る上でも、非常に意味があるのではないかと思っています。

今、中国の方が日本にたくさん来てくださっています。何といっても地理的に距離が近い。それと中国という国は今や大きな成長発展を遂げられて、豊かになっておられます。大きな可能性を持った国ですから、私たちにとってはとても無視することはできません。

アジアの文化には「麹」という、かびを使った酒があります。もちろんかびの使い方や酒類が中国と日本で違います。しかし根底にあるのは発酵という麹文化です。この部分では共通項もあるので、焼酎が中国の方にも受け入れられやすい素地はあると思います。

現在、鹿児島県は中国との交流を活発に行っています。香港線と上海線が就航してから、これを維持強化するために、知事を先頭に皆で一生懸命に取り組んでいます。その中で本格焼酎を海外にPRする「かごしま焼酎大使」は、それぞれの人的ネットワークなどを通じて、本格焼酎の魅力を発信してくださっている方々です。日本人では香港総領事の松田邦紀さん、その次が林棟甫(リンドンフー)さんです。中国で俳優や作家など幅広く活躍されている方で、この林さんが仲間を集めて、上海に先日、焼酎バー「JAZZ IN SHOCHU 鹿児島料理」をオープンさせました。日本人ではなく、林さんたち中国の方々によるものです。日中友好、鹿児島との友好、そして素晴らしいお酒だからということで立ち上げてくださったのです。

付加価値のある商品開発を

—— 日本の若者は最近あまりお酒を飲まなくなったと言われています。日本の酒造業の、今後50年、100年先に向けた展望についてお伺いします。

濵田 今の若い人たちは、インターネットを通じて世界中と繋がっている時代に生きています。欲しいものは、安くて何でも手に入る環境ですから、昔みたいにお酒にお金を費やす機会は減ってきているように思えます。ですが、自分が良いと思うお酒をちょっとだけ嗜んで、優雅な気分を味わうという「心の豊かさの追求」は、これまで以上に進み、より価値の高いものが求められるようになるでしょう。その付加価値について研究を重ね、それを表現する商品の企画開発ができれば、若い人たちがお酒を飲む量は減っても、売上は減らさない経営が可能だろうと見ています。

例えば、当社グループの薩摩金山蔵では、「薩摩焼酎 金山蔵」という銘柄で、江戸時代に発見されて350年も掘り続けられた金山の坑洞跡でつくっている本格焼酎があります。温度が年間を通じて19度、湿度が90%前後の環境下において、長いもので5年以上貯蔵したお酒です。5年以上貯蔵するためには、その環境だと樫樽では腐ってしまうので、甕を使って貯蔵しています。坑洞内へ続く700メートルにも及ぶトンネルをトロッコ列車で進んだ先に、「薩摩焼酎 金山蔵」というブランドの付加価値である、焼酎の長期貯蔵に適した紫外線が一切入らない環境があるのです。私たちは、このような付加価値を意識しながら、「伝統」「革新」「継承」のスパイラルで本格焼酎を造り続けています。

取材後記

取材終了後、恒例の揮毫をお願いすると「敬天愛人」と書かれた。西郷隆盛の座右の銘として有名だ。現在では、鹿児島出身の名経営者稲盛和夫氏にもその精神は受け継がれている。実は濵田社長は取材前日まで、盛和塾本部理事として、横浜の国際会議場で開催された「盛和塾世界大会」に審査員として出席していたという。各国から集った塾生の実践報告の結果、「最優秀賞に輝いたのは中国深圳塾の女性経営者でした。素晴らしいです」と嬉しそうに語ってくれた。

 
  情報元:人民日報海外版日本月刊  
 
 
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