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編集長インタビュー
 
 
 
 
中村 靖 株式会社はとバス社長
「おもてなしの心」を届けるバス旅
2018/10/26 17:24:08  文/本誌編集長 蒋豊
 
 

「はとバス」といえば東京観光の代名詞だ。今日も黄色いバスが観光客を乗せて都内を走っている。しかし同社の営業エリアは東京だけではなく、定期観光以外にもバス会社ならではの企画ツアーのメニューも豊富だ。2020年の東京オリンピックパラリンピックを目前に、中国人をはじめ海外からの観光客も年々増加している。同社の取り組みを、中村靖社長に語っていただいた。

 
撮影/本誌記者 原田繁

戦後日本の平和と安全への願い

—— 今年、御社は創業70周年とのことで、東京観光のトップとして事業を展開されています。まず、社名の由来と業界における御社の強みを教えてください。

中村 創業は、1948(昭和23)年で、当初は新日本観光株式会社です。日本が戦争に負けて、すぐにできたわけですが、「新しい日本の姿を外国人のお客様に見せたい」、そして「日本人には新しい旅行の楽しさを伝えたい」という願いを込めて創業しました。

観光バスの車体に平和のシンボルである鳩が描かれたのも、平和への願いからです。そもそも観光業は、平和でなければいけませんから。それと伝書鳩のように、鳩は無事に帰ってきます。そういう無事に帰るという、旅の安全への願いが2つ目です。あと、鳥ですから、スピード感というか、そういうものもあわせて、「はとバス」という愛称が徐々に定着していき、1963年には「株式会社はとバス」に改称しました。

はとバスの強みは、ヒューマンウエア、ソフトウエア、ハードウエアの総合力です。ヒューマンウエアでいうと、第一線で活躍するドライバーやガイドの教育に力を入れてきました。ソフトウエアでいうと、商品が面白いことです。ハードウエアでいえば、日本では有名ですが、黄色いバスは安全の象徴でもあります。最新車両であることと、自社の整備工場を持ち、安全最優先という考えのもと、車両点検や整備を行っています。それらの強みが、海外のお客様には、まだきちんと知られていないと感じています。

 

年々増加する中国人観光客

—— 昨年、日本を訪れた外国人観光客2870万人の4分の1が中国人です。中国からのインバウンド(訪日旅行)の取り組みについて、どのように考えていますか。

中村 中国のお客様向けに、中国語ガイドによる観光コースをつくりました。爆買いの時期など、何もしなくても数字がどんどん上がり、このままの調子でいけば、何もしなくてもどんどん来てくださるのかなと思ったら、ここ1、2年は、中国のお客様はいっぱい日本に来てくださっていますが、逆に「はとバス」を利用されるお客様は減っているという状況です。

 

—— 減少の原因は何だと思いますか。

中村 やはり、競争相手が増えたことです。はとバスの強みは、いい品質のものを適正な価格で売るということで、ガイドも中国語のコースは、通訳案内士という国家試験に合格した人で、かつ日本の歴史をはじめ何でも知っている別格の「おもてなし」ができるガイドです。

また、バスツアーには参加せず個人で観光される方も増えています。そういう意味での競争が激しくなっています。

あと、商品のバリエーションがまだ不足しています。要するに、ニーズに合っていないのではないかと感じています。はとバスには、最上級バスで行く「ピアニシモ」(貴賓席の旅)という高級ラインナップがあり、すごく人気があります。今後はインバウンド向けに企画していきたいと考えています。

 
撮影/本誌記者 原田繁

—— 中国からは富裕層がどんどん来日して、そういうサービスを探していますから、それをアピールすればいいと思います。

中村 今、はとバスのお客様が増えているのは、日本のお客様が乗っているからです。海外のお客様に、楽しみ方をまだ伝えきれていません。SNSをはじめ、デジタルプロモーションを強化していきたいと考えています。

例えば工場見学とか、普通は行かないようなところに行ったりしています。それが日本のお客様には、はとバスが何を企画するのかなと、結構楽しみになっているのです。こうした楽しみ方は日本のお客様用のツアーです。しかし、海外からのリピーターが増え、需要も変化しています。商品や宣伝にも工夫が必要です。

 

—— 在日中国人の方の利用も増えていますよね。日本の楽しみ方も分かっていますから。私は今年で来日して30年ですが、来日した頃、在日中国人は5万人でしたが、今は100万人以上です。

中村 ですから、お客様が減るわけはないと思います。ただ海外のお客様が乗っていないということは、端的に言うと、ニーズに合っていないということですから、やっぱり富裕層向けのコースなどをきちんとした中国語のガイドでやるべきだと考えています。

 

東京五輪2020以降を見据えた計画を策定

—— 2020年、東京オリンピックパラリンピックが開催され、世界中からスポーツ関係者や観光客が訪れることが予想されます。東京観光の新たな魅力の発信について、どのように展望しておられますか。

中村 東京のまだ知られていない魅力をきちんと伝えないといけないと考えています。当社には提案力、企画力があります。例えば工場の夜景ツアーなど、最初は「はっ?」という感じでした。今では、アニメーションのように幻想的な風景が見られるということで、新たな観光資源になっています。今は各地にこうした企画が広がっています。要するに、ポテンシャルを秘めた企画がこれからも出てくると思います。

また、東京は実は自然も豊富です。極端にいえば、世界自然遺産の小笠原も東京都です(笑)。また多摩地区など、豊かな自然が身近にあります。高尾山にも外国の方が多く登られています。そうやって一歩踏み越えれば、もっと違う魅力が出て来るのです。ですから、観光資源というのは無尽蔵です。そこのところは全然心配していません。

今、はとバスを利用される外国のお客様は8万人ぐらいですが、2020年には20万人に乗っていただこうと計画しています。そして、2020年の東京オリンピックパラリンピックが終わった後も、観光業が発展していくために、はとバスでは10年の長期計画をつくりました。

 

—— 中国の各都市にも観光バスの会社があります。海外進出についてはどうお考えですか。

中村 海外進出については、残念ですが考えておりません。当社は東京都が出資しているので、やはり東京を起点とした観光に一番注力しています。そうした中で、当社の商品企画やCS(おもてなし)を参考にしたいので、講演してほしいという依頼や提携についても、国内外の企業や団体様からよくいただきます。

 

社会貢献的に働く長寿社会

—— 今、日本では人生100年時代と言われ、全ての国民が老いても元気で活躍できる社会づくりが重要な課題です。中村社長は元東京都の交通局長、知事本局長を歴任されていますが、こうした時代の企業トップのあり方についてどうお考えですか。

中村 これは答えられません(笑)。第7代東京市長(現在の都知事)を務められた後藤新平氏の言葉に、「人のお世話にならぬよう、人のお世話をするよう、そしてむくいを求めぬよう」というのがあり、「自治三訣」と言われています。まず自助努力をする。そして、働ける間は働こうということです。

人生100年時代というのも同じだと思います。お年寄りでもできる限り、なるべく人の世話にはならないようにしよう。人のお世話ができる間はちゃんとお世話するというか、働く。その働くというのは、社会貢献的に働くという意味もあります。人のために何かをするのが、僕は働くということだと思います。

あと、やはり健康が大事ですので、そういう意味ではQOL(quality of life)、要するに生きることの質ですね。ただ漫然と自由時間を過ごすのではなく、人のため社会のために動く。それが健康にもつながりますので(笑)。

 
  情報元:人民日報海外版日本月刊  
 
 
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