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楊 再平 アジア金融協力協会秘書長
「協力」が日中金融業界成長のメガトレンド
2018/10/01 13:40:27  文/本誌編集長 蒋豊
 
 

「AFCA東京金融サミットフォーラム」が9月10日、東京六本木のグランドハイアットホテルで開催された。翌11日午前、訪日したアジア金融協力協会(AFCA)の楊再平秘書長に対し、『人民日報海外版日本月刊』と『日本新華僑報』は共同インタビューを行った。インタビューの抄録は以下の通り。


撮影/本誌副編集長 張桐

協力の必要性から誕生した「アジア金融協力協会」

—— 楊秘書長、はじめまして。実は、ある日本のメディアの記者が、AFCAはアジアインフラ投資銀行(AIIB)と似ていて、日本人にはわかりにくいと話していました。AFCAが設立された背景と発展状況をご紹介いただけますか。

楊再平 AFCAが設立された背景ですが、2015年のボアオアジアフォーラムで習近平国家主席がアジア地域の金融協力のプラットフォーム構築構想を打ち出し、2016年のボアオアジアフォーラムで李克強総理がこの構想を具体化し、AFCAの設立を提唱したのです。

同年3月25日、AFCAの発足会議が海南省海口で開かれ、アジア、ヨーロッパ、南北アメリカなど12の国と地域の38の発起機関の代表が参加してAFCAの設立について検討し、コンセンサスを得ました。

当時、会議参加者は金融協力の必要性は高いと認識していましたので、われわれはこの協会に特に「協力」の2文字を加え、一般の協会と差別化しました。2017年5月11日、AFCAは北京で設立業務会議を開催し、アジア、ヨーロッパ、南北アメリカ、アフリカ、太平洋地域の25の国と地域の95の会員機関の代表が出席しました。これには日本の4つの金融機関も入っていました。

申し上げたいのは、AFCAの発起会議にはすでに日本の金融機関も参加していたということです。当時、AIIBと同列に論じていた日本のメディアもありましたし、日本政府も慎重な態度を取っており、日本の金融機関の加入には消極的でした。

しかし一部の日本の金融機関は、チャンスは逃せない、金融のグローバルな協力の強化が必要であると考え、中国の子会社の名義で加入するという折衷案を打ち出しました。それによって、彼らも発起機関となりAFCAの第1次メンバーになったのです。

AFCAが発足して1年たちました。日本サイドも積極的に活動に参加しています。AFCAの主旨は「連携して協力し、共存共栄する」です。協力のプラットフォームを立ち上げ、金融資源の整理再編を進め、同時に金融リスクの回避に務め、金融の安定維持に注力します。

9月10日、AFCAは東京で理事会を開催しました。第1に、新メンバーが8団体増え、メンバー数が109から117へと増加したこと。第2に、アジア金融シンクタンクの設立。第3に「一帯一路」、金融包摂(ファイナンシャルインクルージョン)、トランザクションファイナンス、エコ金融、資産管理、フィンテックなど8つの専門委員会の設立。第4に、迅速に理事団体を増やすことの4件の議案を決議しました。

サミットフォーラムの6つの注目点

—— 9月10日、AFCA主催の東京金融サミットフォーラムが閉幕しました。このサミットフォーラムの最大の成果は何でしょうか。また最大の注目点は何でしょうか。

楊再平 私個人の見解ですが、今回のサミットフォーラムには6つの注目すべき点があります。

まず、今回のサミットフォーラムが日本という経済大国で行われたことです。日本は世界第三の経済大国であり、東京は歴史ある国際金融センターですから、金融分野の国際NPOであるAFCAの年度サミットフォーラムがここで開催できたことが第1の注目点です。

2番目には、日本サイドの積極的な協力です。日本政府は依然として憂慮していますが、AFCAに加入している日本の4つの金融機関は積極的に準備を進めてくれました。サミットフォーラム開催期間中は、自民党の小田原潔衆議院議員、公明党の西田実仁参議院議員がスピーチをしてくださり、日本の100以上の金融機関、企業の代表が参加してくれたことには感動しました。

3つ目の注目点は、サミットフォーラムでの発言者のレベルが高かったことです。今回のメインフォーラムでの発言者が17名、2つの分科会での発言者が16名、合計33名でした。この発言者はすべて主要金融機関の副頭取以上であり、中には頭取もいました。もちろん中国銀行業監督管理委員会の役員もいました。

第4の注目点は、今回のサミットフォーラムのテーマが国際金融界全体で非常に関心を持たれている点であることで、金融イノベーション、リスク管理、エコ金融などの問題について討論が展開されましたが、これらは国際金融の最前線における関心事です。

第5に、今回のサミットフォーラムでは高所から大局を見下ろす観点だけではなく、先見性もあり、フィンテックの運用など地に足のついた最良の実践も打ち出しています。

最後の注目点は、今回のサミットフォーラムでは参加者による「金融には協力が必要である」というコンセンサスがさらに強化されたことです。


西田実仁参議院議員(左)

中国の金融リスク攻防戦の意義

—— 話題を変えましょう。中国共産党第19回全国代表大会以降、集中して「三大攻防戦(重大リスクの防止と解消、貧困撲滅、環境汚染の防止と除去)」が進行しています。1番目に、金融リスクの防止と解消が挙げられていますが、中国はなぜそれを進めなければならないのでしょうか。中国や世界に対して持つ意義とは何でしょうか。

楊再平 まず、中国の経済成長は非常に重要な段階に入っていると言えます。世界銀行の基準によると、中国の一人当たりの年収は9000ドル(約100万円)に達しています。一人当たりの収入レベルの上昇により、産業構造、消費構造は成長に従った変化が、さらに国際産業リンケージのバリューチェーンの位置には飛躍的な上昇が求められており、さもなければ中高速の成長を継続することは難しくなります。

これはまた、「中所得の罠」段階とも言われています。この段階を越えなければ、難度は非常に高くなり、確率は非常に低くなります。多くの国がこのレベルに到達してからこれを乗り越えることができていません。

その大きな原因の一つは、新しい産業のサポート、ハイエンド産業のサポートがないことです。ご存知のとおり、ハイエンド産業の背後には科学技術に支えられた産業の構造転換があります。もし、中国のような大国が、自ら多くのハイテクを産み出すことなく、他で売っていないものを買い導入することは、益々困難となり、急成長を続けていくことは難しくなります。

現在、中国経済に存在する問題は、すでに金融に影響を及ぼしています。経済の下振れ圧力は大きくなっており、相応する金融リスクもそれにともなって露見しています。例えば、中国の不良債権率はやや上昇に転じており、金融分野本体に混乱があります。このような背景のもと、われわれはリスク管理を強化し、金融の安全を維持しなければなりません。

現在、アメリカは中国に貿易戦争を仕掛けています。正確に言うと、経済戦争です。トランプ大統領の本当の意図は貿易の均衡にはありません。貿易バランスを追求するのは相手に自国製品を買わせるためです。しかし、アメリカは中国の成長が加速することをおそれており、中国が求めるものを中国に売りたくないのです。こういったことも中国への圧力となっています。

中国経済金融はすでに世界経済金融と一体化していますから、中国が金融リスクをコントロールし、金融システミックリスクの回避というボトムラインを守ることは、国家経済金融の安全を維持するだけでなく、国際経済金融の安全の維持にも有益です。中国は1990年代末に責任ある大国として、人民元切り下げをせず、アジアや世界の経済金融を安定させる錨の役割を果たしました。

中日両国は連携して「一帯一路」建設を

—— 近年の中日両国の金融協力についてはどう思われますか。中日両国の金融分野のこれからの「一帯一路」の協力の見通しはいかがでしょうか。

楊再平 まず、中日両国経済には補完性があると思います。二大経済大国間の貿易は一貫して客観的に必要であり、この状況は変わることはありません。ここ数年の中日金融協力から見ると、すでに密接な状態にあります。さきほど、日本の一部金融機関がAFCAへの加入を希望したと申しましたが、これは彼らが中国市場を失うことをおそれると同時に中国で成長するチャンスを有望視しているからです。

「一帯一路」について、現在アメリカでは公式に反対しているようですが、実際には彼らも以前、このような概念の地域経済構想の推進を試みたことがあります。

アメリカのクリントン元国務長官が2011年に「新シルクロード経済」を実施することを明確に打ち出し、アフガニスタンを取り込みました。ほかにカザフスタン、アラブ首長国連邦など「一帯一路」沿線の国家も、期せずしてこのような地域経済構想を打ち出しました。これは「一帯一路」は人類共通の歴史遺産であり、現在に至るまで価値ある人類共通の資産であり、さらに現在の世界で現実的客観的に必要であることを表しています。

現在、「一帯一路」の周辺には100以上もの国があり、そのうち780の国が中国と共同建設の協議を締結しています。アメリカのシンクタンクも、「一帯一路」は新型の経済グローバル化であることを肯定しています。よって、「一帯一路」は中国独自のものではなく、アメリカを含めた世界の多くの国々が期せずして共同で推進し、積極的に建設に参与している新しい世界型の地域経済の枠組みなのです。

「一帯一路」の建設において、私が日本に言いたいことは、「一帯一路」は十分に長く、広く、日本を含めた多くの国と地域の経済列車の運行を受け入れることができ、沿線そして世界の人々に幸福をもたらすものである、ということです。これは中国と日本にとってともに大きなチャンスなのです。

「一帯一路」建設は周辺そして世界各国の人々の巨大な需要を喚起しますが、当然その中には大きな投資とビジネスチャンスも含まれており、多くの関係者の大きな潜在的利益を実現できます。

中国一国だけが独占できるものではなく、中日両国が手を携え「一帯一路」という新しいグローバル経済空間で協力していくべきです。そこには絶対にゼロサムゲームは存在せず、ウィンウィンが実現できると強く信じています。

この分野で、中日両国の金融協力は先行させるべきですし、すでに先行しています。「連携して協力し、共存共栄する」を主旨とする金融協力のプラットフォームのAFCAが、この分野でさらに積極的な役割を果たすことを願っています。


小田原潔衆議院議員(左)

エコ養蜂業の推進が金融包摂プロジェクトに

—— 今年4月、AFCAの金融包摂問題の専門家であり、中国品質万里行エコ養蜂業委員会の惲銘慶主任委員が日本を視察された際、農林水産省の副大臣や日本のインターネット協会の会長と会いました。AFCAは今後、金融包摂分野において、どのような新しい取り組みをされる予定ですか。

楊再平 金融包摂の推進は、AFCAの重点業務の一つです。今回のサミットフォーラム期間中、AFCAは理事会を開催し、8つの専門委員会の立ち上げを決定しました。そのうちの一つが金融包摂の専門委員会です。

中国品質万里行エコ養蜂業委員会が推進している養蜂事業は、環境において、中国の自然の生態系の維持と発展に有益で、製品についても「健康中国」の構築に役立ち、同時に中国の貧困撲滅に照準を合わせた政策にも溶け込みやすく、さらに「一帯一路」の経済建設のために新しい公共財を作り出すこともできます。よって、私はこの養蜂プロジェクトは金融包摂のプロジェクトとして、金融を浸透させ、支えとして、品質からだけではなく、さらにそれを大きく強くし、一大新興産業になるよう後押ししたいと思っています。

取材後記

取材終了後、楊再平秘書長の新著である『貿易戦争を超えて』(中国金融出版社、2018年)をいただいた。この著書は、目まぐるしく変化する世界の各主要経済体の間の貿易戦争の発端と摩擦に着眼し、追跡観察の整理手法だけではなく、さらに「超越」という提案もしている。目下の情勢のもと、この著作は中国を理解するだけでなく、世界を理解するためにも役に立つ、お勧めの一冊である。

 
  情報元:人民日報海外版日本月刊  
 
 
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