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編集長インタビュー
 
 
 
 
中国人に医療サービスを提供し、中国の病院に建設モデルを提供
荒井 宗房 医療法人社団心和会理事長
2018/04/24 14:41:48  文/本誌編集長 蒋豊
 
 

中国と日本はアジアの二大経済大国であると同時に、ともに深刻化する高齢化問題に直面している。最近では、中国も日本も国民の健康を重視し、「健康大国」の建設を政策に掲げている。両国は互恵関係を構築してともに向上し、健康福祉産業における新たな協力体制を確立することが期待される。

記者はこれまでに、30余りの日本の医療機関を取材してきたが、医療設備では中国の一流病院と日本の一流病院とではほとんど優劣はないが、日本は老人ホーム、介護施設、リハビリセンターと全体的なレベルが高く、環境設備から介護士、技師に至るまで完全で成熟したシステムがある。関連の情報をより多く中国に紹介することで、そこから学べるモデルや参考になる経験があるに違いない。

1946年に創設された医療法人社団心和会は、病院、リハビリセンター、人間ドック健診センター、老人ホームなど8つの医療機関を有し、日本の高齢化問題の解決と、日本人の健康寿命を延ばすことに大きく貢献してきた。2018年3月22日、心和会グループが昨年7月に成田空港近くに新設した成田リハビリテーション病院を訪ね、医療法人社団心和会の荒井宗房理事長を取材した。荒井宗房氏は心和会を創設した荒井元吉氏の孫であり、三世代にわたって、医療機関の創設、運営に携わっている。

 

時代のニーズに沿って常に高品質の医療を提供

—— 心和会には三代70年の歴史があり、診療所から医療法人社団へと発展を遂げてこられました。その間、日本の社会状況にも時代の変化がありました。時代のニーズへの対応や基本理念について教えていただけますか。

荒井 心和会は1946年に祖父の荒井元吉が千葉県四街道市に診療所を創設したのが始まりです。第二次世界大戦が終結した翌年で、経済は低迷しあらゆる分野で復興が急がれていました。日本社会はこれまでにない混沌とした状態で、人びとは大きなストレスを抱えていました。祖父は、これからは精神を病む方が増え、社会復帰のための治療と回復を支援する医療機関として精神病院が必要と考え、千葉県八千代市に診療所を開設しました。後に八千代病院となり、病床は53床から現在の422床まで拡張しました。八千代病院は患者さんのプライバシーを重視し、精神科の急性期治療、認知症治療、メンタルヘルスケアなどに対応しながら、千葉県地域における精神科医療体制を確立してきました。

日本が高齢化社会に突入した1983年、新八千代病院を開設し、長期入院が必要な高齢者が安心して滞在し、リハビリ訓練が行える環境を整えました。

急速な高齢化に伴い、平成に入ってからは、訪問看護ステーション、地域生活支援センター、老人ホーム等を相次ぎ開設し、社会と地域のニーズに沿った高品質の医療サービスと療養環境を提供しています。

父は30年ほど前に理事長職を引き継ぎ、すべての職員が同じ方向に向かっていけるよう、皆の意見を聞いて一つの理念に集約しました。それは「人としての尊厳と心和む環境を大切にし、私も受けたいと思えるようなサービスを提供します」というものです。斬新で面白いやり方だと思いました。皆の総意ですので、この理念は職員に浸透し、仕事をする上で立ち返るべき規範となっています。

 

中国と日本のリハビリセンターモデルに

—— 2017年7月には成田リハビリテーション病院を開設されました。設計は著名な建築家である隈研吾先生です。隈研吾先生にお願いしたのは、どんなお考えからでしょうか。

荒井 心和会は常に地域社会に根ざし、千葉県地域の医療と福祉の向上に努めてきました。千葉県もここ数年で急速に高齢化が進み、特に東部はリハビリ施設の不足が深刻でした。新八千代病院での経験がありましたので、地域の高齢者の方々に、長期的に安心で安全なリハビリ施設を提供できると思いました。そして、千葉県の東部地域の成田空港の近くに成田リハビリテーション病院を開設しました。

成田市には、海外の医療機関と連携しようという「国際医療学園都市構想」があります。空港が近いという利点を生かして、成田に医療都市を建設しようというものです。現在、国際医療福祉大学が建設中で、附属病院の開設も計画されています。

日本の医療は総体的に見て、ほとんどの医療機関は医療提供や治療に重きがおかれるあまり、精神的なケアへの配慮がまだ十分とはいえないと感じます。我が心和会がこれまで70年間病院の運営で培ってきた、患者さんの心に寄り添う医療の豊富な経験と突出した貢献が、成田リハビリテーション病院の最大の強みです。

患者さんの精神面のケアには、環境面のサポートが大事です。そこで、設計を隈研吾先生にお願いしました。隈研吾先生の設計は適用性と環境を重視し、コンクリートの冷たさを排除しています。建物が周囲と調和し、環境への配慮を最優先にしています。また、木材、紙、竹などの伝統的な天然素材を多く使用しています。氏は「建物は物ではなく、人が居る場所である。不安を抱える現代人に温もりを与える建物でなければならない」をコンセプトとしており、我々が患者さんに提供したいものと合致しています。従来の病院ですと、コストを考えて高層になりがちですが、成田リハビリテーション病院は面積を広く取って、2層にしました。「森の病院」というネーミングも隈先生によるもので、周囲の緑の景観に溶け込むような建築にしていただきました。

このような患者さんの精神面のケアを考慮した建築は、今後の中国と日本のリハビリ施設のモデルとなり、病気の治療やリハビリだけでなく、長期に入院する医療のあり方を考える契機になるのではないかと思っています。

 

社会を学び医療サービスに反映

—— 理事長は東京大学医学部を卒業されて、シニアレジデントに進む一方、大前研一氏が代表を務めるBBT大学院大院でMBAを取得されています。MBA取得の目的は何だったのでしょうか。

荒井 医師になるのは幼い頃からの夢でしたので、医学に真剣に取り組み、専門分野での優秀な医師になりたいと思っていました。しかし、病院に一日中いて専門的知見を深めていく充実感の一方で、段々と視野の狭まりのようなものも感じました。見識を広めて新しいものを取り入れるために、MBAを取ろうと思ったのです。

調べてみると、大前研一先生のBBT大学院大学では、経済界のトップの方々が講師をされていて様々な話が聞けるということで、自身の希望に適っていました。実際に学んでみると、期待以上の内容でした。

こうした貴重な経験はすべて、医療の分野に生かせるのではないかと思っています。社会について学ぶほどに、より新しくより良いサービスの提供に繋がり、病院の運営にも役立てることができます。

 

日中の医療交流を促進し、ともに向上

—— 2016年の訪日中国人観光客は638万人、昨年は700万人で過去最高を記録しました。数年のうちに1000万人を突破することが予想されています。現在、日本政府も医療観光を積極的に推進していますが、中国人をはじめとする外国人患者を受け入れるお気持ちはありますか。その展望などもお聞かせください。

荒井 訪日外国人のうち中国の方がかなりの割合を占めていて、しかも、日本の先端医療への関心が高いということも承知しています。心和会では現在、江東区亀戸に大型の健診センターを建設中です。南口から徒歩3分で交通のアクセスも良く、中国の方にも来ていただきやすいと思います。医療翻訳の導入も進めており、早ければ今年の5月中旬にオープンします。

ここは心和会が三番目に開設した健診センターです。私どもの健診センターは一流の滞在型人間ドック健康診断だけでなく、抗加齢医学を取り入れたトリートメント、一流の料理人による健康に配慮した食事を提供する医療リゾートになっています。

これまでに中国には4回ほど行きました。香港、北京、杭州などです。最近も中国の友人の協力で、リハビリセンターを見学する機会がありました。中国には日本と同等レベルの医療機器を揃えている医療機関もありますが、1対1のリハビリ支援などは参考にしていただけると思います。また、中国ではまだ、病院には病気になって初めて行くという意識が強く、環境への配慮という点では、独特の緊張感を感じました。

中国の医療関係者の皆様には、機会があれば心和会のリハビリセンターや老人ホームを見学に来ていただきたいと思います。我々のスタッフは国家資格を持った理学療法士、言語聴覚士、作業療法士などです。隈研吾先生に「森の病院」と命名していただいた成田リハビリテーション病院には、100床に対して100人のスタッフがいて、土日も関係なく毎日リハビリ支援を行っています。

中国も日本も高齢化社会に突入し、如何に国民の健康寿命を延ばすかが共通の目標となっています。医療交流を促進し、ともに向上していけるのではないでしょうか。

 
  情報元:人民日報海外版日本月刊  
 
 
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