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自身の力を知り、努力し続ける
李 顕庫 エスコ・ジャパン株式会社代表取締役社長
2018/03/28 22:07:42  文/本誌首席記者 張桐
 
 

この20年来のインターネットの成長を形容するとき、多くの人が「イノベーション」というキーワードをまず思い浮かべるのではないだろうか。この業界においては、技術の絶え間ないグレードアップ、モデルチェンジだけでなく、多くの英雄も生まれては消えている。

ビルを建てたり、偉い人を接待したりするかと思えば、倒産する。多くの人がピークへと上りつめ、また谷底へと落ちていく。きら星のように輝いたと思えば、花火のように消えていく。そんな現象を前に、「ITの世界で、会社を10年以上率いることができれば、傑出した企業家」だと業界関係者は言う。

今回インタビューさせていただいた1999年創業のエスコジャパンの李顕庫は、その言葉通りの傑出した企業家である。

ビジネス界の荒波の中は浮き沈みが激しい。好き勝手にやって成功はできない。彼の数十年間の経験と経歴を聞くことは、巨人の肩の上に乗って世界を眺めるようなものであった。


撮影/本誌記者 呂鵬

1968年2月2日、李顕庫は中国の山の中にある三世代同居の大家族の中に生まれた。食べることが大変だったその時代に、家族は手を尽くして彼に食べさせた。「この子は将来大物になるよ」というのが彼の母の口癖だった。

李顕庫が中学で学んでいたある年の冬はマイナス30度まで下がり、暖房設備の不備から校舎が全焼してしまった。幸いにしてだれもけがをしたり亡くなったりはしなかった。そんなことから、彼は強運の持ち主だと言われる。

校舎がなくなり、勉強の場もなくなった。故郷で数カ月ぶらぶらした後、彼の叔父が何とか手づるを頼って彼を県城の中学に転校させて学ばせた。子どもだった彼の気持ちも故郷とは違った。田舎から来た彼は、最初同級生からいじめられ、うとまれたが、半年もたたないようちに成績が学年一になった。先生方は異口同音に「この子は頭がいい」と評した。

大学進学率がわずか5%だった1987年、李顕庫は大連理工大学に進学した。当時は改革開放政策が最先端の時期で、日本企業が中国に進出を開始しており、その進出先としては大連が人気だった。しかし、日本語ができる者は技術が分からず、技術が分かる者は日本語ができないという状況で、日本企業にとっては中国人の人材確保は大きな問題であった。そこで、省政府の指導により大連理工大学に5年制の技術系の日本語専攻学科が創設されたのである。李顕庫はその学科の第一期の学生となった。

時流が英雄をつくる。時代背景と切り離して人を語ることはできない。当時の中国国内ではITという新しい潮流に対してグローバル化していなかったが、日本企業のIT人材に対するニーズは高かった。大学を卒業した李顕庫は、1992年日本のIT企業に現地採用され、4年後に日本へ異動しなった。彼と妻の王慧時は2つのスーツケースだけを持って日本に家をかまえ、ゼロからスタートした。彼の遺伝子には冒険に挑み一代で財をなそうという精神が受け継がれているのだろう。

日本で3年間働いた李顕庫は、日本のIT企業の大きな問題に気づいた。一つは残業文化である。必要のない残業をさせていて逆に社員の仕事のスピードを遅らせ、仕事の効率を低下させていること。二つ目は年功序列の給与制度が生んだ「悪平等」によって、従業員はそれ以上会社への貢献と仕事上の飛躍を追い求めなくなり、安定した生活だけを求めるようになっていること。三つ目はIT関連の労働者がますます安い労働力となり、価格競争に巻き込まれ、従業員の余剰労働力をしぼりとってしまうことである。

自己実現の過程において、問題発見能力と問題解決能力は不可欠である。リンゴはずっと人びとの頭の上になっていたが、ニュートンだけが万有引力を発見したのである。李顕庫はこの三つの問題に気づいた後、従業員のモデルチェンジを助けられる、組織のレベルがはっきりしたIT企業をゼロから起業すると決めた。

1999年8月、彼は妻の応援を得て全財産の300万円を投資し、同業の友人たちと共にエスコジャパンを立ち上げた。

2008年、リーマンショックは世界中のIT企業に沈滞をもたらし、李顕庫はエスコジャパンが直面した問題に気づかされた。業務プロセスの請負サービスは、結局は末端の産業であり、わずかな風にも揺らいでしまい、一番先に打撃を受ける。顧客の中に深く入り込み、顧客の実際のニーズを知り、真に顧客のためのソフトを開発し、最適化の概念によって、顧客に解決プランを提供することで生産効率を上げることが必要なのだ。

李顕庫は世界を視野にBRMSシステムに狙いを定めた。エスコが日本ではじめてそのシステムを導入したIT 企業となった。これは研究開発期間が長く、大量の資金の投入が必要なプロセスであるが、李顕庫の先見性によって、エスコは「厚く積んで薄く発する」が如く、5年間の模索を経て、人工知能(AI)とBRMS(ロジックエンジンInnoRules)とプラットフォーム開発を成功させ、2018年正式に市場に投入した。

BRMSシステムは日本の保険会社向けのものである。李顕庫は一つの分かりやすい例を挙げてくれた。保険会社が以前導入していたシステムは「古い家」で、修理やリフォームがしにくいのだが、家族のメンバーは家が建った時から大きく変化している。

エスコの提案するシステムは、柔軟性があり開放的で、家族のメンバーの変化によって家の構造を変えられるものだという。現在、日本の三大損保会社のうちの一社ですでに採用され、『保険毎日新聞』でも大きく報道され、これは日本のIT 業界の一大革命になると予測している。

李顕庫の将来の目標は、日本の金融企業の50%以上がエスコの開発したプラットフォームを使い、システム開発の効率を向上させ、開発コストを下げることである。

 

 

著名な未来学者であるジョンネイスビッツはかつて中国CEO年次総会で、「中国の企業家は膨大な物質的な財産を創造し、巨大な精神的財産も創造した。彼らは特別な精神を持っており、この精神がリリースされることが全人類の幸福につながるだろう」と語った。

現在、エスコはすでにITの末端企業からモデルチェンジに成功し、オリジナルな技術と強い競争力を持つIT技術開発企業へと転換した。エスコの企業理念は、一に社員の幸せ、二に顧客の幸せ、三に社会の幸せの追求であり、まさに実現しつつある。

それと同時に、李顕庫はもう一つ重要な役目である日本黒竜江総商会副会長を担っている。現在は世界中に華人がおり、華人がいるところには華僑団体がある。

李顕庫は言う。「われわれ在日華人はすでに老華僑の包丁、はさみ、かみそりの三つの刃物という伝統的イメージから脱却し、直接軽工業とIT技術領域に進出している。これは時代の要請によるものであり、まだ中国人の海外でのイメージも向上させた。今後、われわれはより大きく、より強くなり続け、華人のプラスのエネルギーを結集させていく」。

時代ごとに注目される一群が存在する。彼ら自身にはいつも多くのレッテルが貼られ、往々にして上の世代の非難を浴びる。現在の「草食系男子」も、しかりである。

成功者とされている李顕庫はこの「草食系男子」に対し、「時代の焦燥感を感じる必要はなく、自身の力を頼りにしていれば決して何もなし得ないことはない。ハンドルを握ることに向いている人もいれば、ボルトを作ることに向いている人もいる。継続して一つのことを努力して成し遂げれば、社会で有用な人間になるし、自分で食べていければそれでいい」という。

創業の成功を夢見る若者たちに対しては、良いアドバイスをしてくれた。「創業は天の時、地の利、人の和とは切り離せない。天の時とは、つまり時代のことで、時代の特色と社会のニーズをつかむということだ。地の利とは、つまり地域の特色、国家の特長のことであり、人の和とは、つまり事業はチームとは切り離せないということだ。創業を考えたら、早ければ早いほどよく、若ければ若いほどいい。分析し終わってから動いては遅い。みんなが理解してから始めても遅い」。

成功という言葉を李顕庫に新たに使った時、彼は「小さい頃から運が良く、頭も悪くなかったから、総体的に言えば幸運だった」と言った。ご存知のとおり、運というのは成功者特有の謙遜である。十分準備の整わない前に幸運がやってきたとしても気づかないし、たとえ気づいたとしてもつかめない。『礼記中庸』にあるとおり、「およそ物事はあらかじめ準備してあれば成功し、準備しなければ失敗する。言葉を発する前に準備しておけば間違えない。物事も準備しておけば困らない。行動する前に準備しておけば失敗しない。道を実践する時も準備しておけば窮することはない」のである。

日本での道は険しくても、本当によく考え力を発揮する人が裏切られることはない。

 
  情報元:人民日報海外版日本月刊  
 
 
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