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編集長インタビュー
 
 
 
 
日中は胸襟を開いた外交を
中山 泰秀 衆議院 外務委員長・衆議院議員
2018/03/28 21:51:54  文/本誌編集長 蒋豊
 
 

中山泰秀衆議院議員は、祖母中山マサ氏(1891~1976)が日本初の女性閣僚として知られ、祖父福蔵氏(1887~1978)、父正暉氏(1932~)、伯父太郎氏(1924~)は、いずれも元代議士という家系に生まれた。まさに政界のサラブレッドである。訪中の機会も多く、中国政府首脳との会談経験もあり、日中の外交問題、とくに文化交流に寄せる関心は高い。

 
撮影/本誌記者 原田繁

政府高官として初めて南京へ

—— 中国に行かれたことはありますか。

中山 第二次世界大戦が終わってから、日本政府高官として初めて南京に公式訪問させて頂く機会を得ました。2007年、外務大臣政務官の時代のことですが、当時新日中友好21世紀委員会委員だった石川好先生から「江蘇省ジャパンウイークin南京」のオープニングリマークスで話をしてほしいという依頼があり、「戦後、政務三役の公式訪問として南京に行った人はいない、是非出かけて頂きたい」との要請がありました。秘書官に指示を出し、外務省内で検討させたところ、幹部が飛んできて、「行かないでくれ」と言うわけです。

なぜなら私の父中山正暉は青嵐会を結成して日中条約に反対した5人の政治家のうちの1人でしたから、私が中国に行って大演説でもしようものなら、日中関係が悪くなるだろうとでも思ったようです。しかし、そのとき外務省の中国モンゴル課長だった秋葉剛男さんに相談、秋葉さんが、「分かりました。調整します」と言ってまとめてくださいました。南京に赴き、お陰様でイベントは大成功しました。そういう大変良い思い出があります。

 

政治家の家に生まれて

—— 大学卒業後、大手企業に就職されたにも関わらず、25歳で政界に挑戦されましたが、政治家を志されたのは、ご家族の影響でしょうか。

中山 家族の影響がないといったら嘘になります。祖父中山福蔵は戦前大阪で弁護士をしていましたが、昭和7年(1932年)に衆議院に初当選させて頂きました。祖母のマサは第一次世界大戦中13歳の時アメリカに留学して、24歳でオハイオ州にあるオハイオウエスレアン大学を卒業し帰国しました。戦後、婦人参政権が認められた二回目、昭和22年(1947年)の衆議院総選挙で初当選させて頂きました。昭和26年(1951年)、吉田茂がサンフランシスコ講和条約のときに、うちの祖母を同行させています。そのぐらい祖母の語学力は勿論、政治家として信頼してくれていたものと思います。

その夫婦の間に生を受けたのが、長男で叔父の太郎や、四男坊で私の父である正暉でした。従って日本国国家国民のためにしっかり働こうというDNAが私の中には入っています。

忘れられないのは、父が郵政大臣のとき(1987~88年)、日中国交回復15年の節目の年に、上海天津間の光ファイバー、それから電話回線60万回線を竹下総理ご指示のもと、ODAとして中国に届けたことです。当時の中国政府側のカウンターパートナーは、ヤンタイホウ郵電大臣でした。中国とはそんなつながりもあります。

私自身は、国の治安、外交、防衛、教育の中身という4つのテーマを柱に、政治家としての議員活動をしています。

 

広島に国連のアジア太平洋本部を

—— 日本の憲法改正論議には、当然色々な意見がありますが、安倍総理は「憲法を改正すれば、日本はもっと平和になる」と話しています。

中山 漢字の講釈で恐縮ですが、「武士」の「武」は、2つの漢字から構成されています。「戈」と「止」です。すなわち、「自らの戈に血塗らずして、相手の戈を止める」というのが、「武」という漢字が持ち合わせている意味だということです。「平和」と「幽霊」という言葉は、昔から言葉はあっても現実につかんだ人は誰もいません。しかし「幽霊」はともかく、「平和」は唯々言葉を唱えても掴むことはできません。唱えることのみで終わらせてはいけないと思います。ですから色々な意味で常に緊張感があるのは、平和を達成する為の過程にあるのだと理解しています。

自民党員ですから、憲法改正には当然自主的に取り組みますが、私が最終的に取り組みたい政治家としての目標は、近い将来、広島に国連のアジア太平洋本部をつくることです。日本は広島長崎という2カ所に、原子爆弾を対人投下されたという過去があり、世界で唯一の被爆国です。

現在、国連のアジア太平洋本部というものが実在していません。日本は国連に対して、世界でも最大規模の分担金を負担し、財政的貢献を果たしています。ですからある意味において、国連のステークホルダーの1カ国として、ぜひ広島に将来、国連のアジア太平洋本部をつくりたいのです。世界中の人々が一堂に会し、広島で平和のための議論、核の廃止、廃絶、抑止等について様々な議論をやってほしいという夢を持っています。すでに議員連盟はつくりました。地元の中国新聞の1面にも紹介されました。

 

—— 確かに日本は平和についての提案が少ないように感じます。

中山 アメリカの大統領が演説するとき、大統領の前に、アメリカハクトウワシの紋章の国章が置かれますね。あの紋章のワシが、それぞれ左右の足に何を持っているかご存じですか。片方は矢を持っていて、もう片方はオリーブの葉を持っています。それぞれ矢は戦争を表わし、オリーブの葉は平和を意味します。すなわちアメリカは「あなたがわれわれに戦争を望むのであれば、武力を持って対応しよう。平和を望むのであれば、オリーブの葉の意味を持って、平和を追求する為にともに前進しよう」と。要するに、「あなた次第ですよ」という選択肢を、相手方に与えてくれているという意味だと思います。「軍事なき政治は、楽器を抜いた音楽だ」ということを意識しないと、外交はできません。中国でも、アメリカでも同じだと思います。

 

私が観た"USC"― 等身大の中国

—— 現在の日中間の外交ですが、信頼関係が衰えつつある気がします。回復するにはどうしたらいいでしょうか。

中山 二階俊博先生が仰る「二階方式」だと思います。もうとにかく足しげく、お互いが往来する以外にないと思います。日中が胸襟を開いてしっかりやるということと、特に私達の世代がこれから子供たちの時代に、時計の針を前進させる未来志向の話があっても、時計の針を戻すことが無いように心がけることが大事なのではないでしょうか。

私は2017年12月に、二階俊博先生と中国に同行させて頂き、習近平国家主席、楊潔中国国務委員、唐家璇中日友好協会会長(元国務委員)、王毅外交部長にお会いしました。中国でいろいろな方々とお話する中で、共通のキーワードがありました。それは、「等身大の中国を見てほしい」ということです。帰国後、私がパーソナリティーをつとめている生放送のラジオ番組「中山泰秀のやすトラダムス」(キッスFM神戸89.9Mhz放送時間 毎週日曜日深夜24:0025:00)に出演し帰朝報告を兼ね、「USCを観た」と訪中の感想を話しました。私の言う"USC"とは、「ユナイテッドステーツオブチャイナ」、つまりが米国と対抗しうる「中国合衆国」という概念であり、意味です。

現在の中国は世界の経済大国で、パワーを感じます。1990年代当時、有識者やマスコミ等に「ジャパンパッシング」と言って、米国の日本に対する関心が低くなった時代が、そう評されたことがありました。米国が日本の頭上を越え、文字通り日本を通り過ぎて中国への関心を高めていたそんな時代でもありました。そして今、世界中が激しく成長や衰退を繰り返す中、巨大に成長を成し遂げた国、中国をどのように観ているのか。今回、中国の習近平氏が生まれた福建省という地方都市を訪問し、今のアメリカ人が中国に対して何を思い、どう考えているのかという片鱗を感じることができました。

地政学的に観て、東側にUSA、西側にUSC、その間にあってJapanはどういう考えを持つのかが今、問われていると思います。

 

健康福祉でも日中の文化交流を

—— 先ほど議員連盟の話が出ましたが、これから中国関連での健康福祉、医療分野で、日中健康福祉議員連盟をつくっていったらいいと思います。習近平国家主席は最近、「健康大国」の方針を打ち出しましたが、日本は「高齢大国」なので親和性があると思います。中国側もそういった関係を望んでいると思います。

中山 全く同感です。いろいろな二国間に横たわる問題をジャンル別に見ていくと、確かに対立しているところも多々あります。私も対立する意見を日本の政治家として中国に対し、当然に言わざるを得ないときもあります。だけどその中で、私がなぜ日中文化交流事業をやろうと思ったかと言うと、文化だったら両国民の交流をフルサポートできると思ったからです。文化まで政治が両国民を巻き込んでケンカする必要はないと思います。

次の目標は健康福祉です。今、私のメンターの1人で、山野正義先生(学校法人山野学苑総長)という方がおられますが、あの方が「ジェロントロジー(美齢学)」を体系づけられるのにご尽力され、美しく生きる人生や社会のあり方を学べる学問として展開されています。これはアメリカのUSC(南カリフォルニア大学)が世界に向け発信している学問とききますが、大阪大学の星野俊也先生を私からご紹介させて頂き、大阪大学でも「ジェロントロジー」を前進して頂いています。こういった学問も、文化交流事業に混ぜていければ面白いのではないかと思います。大阪万博2025のテーマの一つでもある、人の生命に関する、また生き方に関する重要な視点でもあり、健康寿命は万国共通の理想でもあると考えます。

 

さらなる共同事業を期待

—— 深圳にいらしたことはありますか。

中山 当時、日中漫画友好交流事業の事務局をお務めだった池田さんがいらして、そのご縁で行ったことがあります。この方は上海メディアとビジネスアライアンスを組まれ、現在、沢山の中国人を雇用され、中国国内において事業展開をされています。私の知り合いの中では、中国社会に一番よく精通しておられるのではないかと思います。池田さんが行われる事業は、日本のアニメーションやゲームエンタテイメント事業等が中心で、日中間の将来を考えると、中国の子供達がみるアニメや楽しむゲーム等の一部を、日本人がプロデュースしている側面をユニークな思いを持ってみています。近い将来、日中の子供達が同じ漫画やアニメの話題で盛り上がる日が来るかも知れませんね。

 

—— 漫画アニメもそうですが、日本には16人のノーベル賞受賞者がいます。中国の大学に日本ノーベル賞センターのようなものをつくって、その方面に力を入れていただくことも考えてください。

中山 そうですね。中国の大学のファンディング、ベンチャー、スタートアップの力量は、ものすごいですから。決断も早く、実行力もある。しっかりとした情報等に関する透明性やセキュリティー、知財権などに対する法的整備が中国を含めて国際的になされれば、中国側からノーベル賞のセンターをつくるような構想が出てくれば、それに応じて協力してくれるところもいろいろ出てくるのではないでしょうか。

 

取材後記

取材後に恒例の揮毫をお願いすると、「明哲保身」と書かれた。意味は、道理にしたがって自分の身の振り方を誤らずに決めるということ。安倍総理も政界のサラブレッドと言われたが、同様に駿馬のごとく日中間を、そしてアジアを、ひいては世界中を勇躍と駆け抜けてほしいと思った。

 
  情報元:人民日報海外版日本月刊  
 
 
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