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編集長インタビュー
 
 
 
 
吉野 正芳 復興大臣・衆議院議員
「福島の復興は我が天命」
2018/01/25 13:02:18  文/本誌記者 蒋豊
 
 

2011年3月11日に東日本大震災が発生してから、何度も福島を取材で訪れているが、震災発生から6年半が経過した2017年9月11日、中国メディアの編集長として招きを受け、再び原発事故の現場である福島第一原発を訪れた。安倍晋三首相はこれまでにここを二度訪れている。今年の8月初めの改造内閣組閣時、安倍首相は「すべての閣僚が復興大臣の意識で」と語ったが、当然、本当の復興大臣はたった一人である。69歳の吉野正芳衆議院議員がその人だ。吉野氏の故郷は地震、津波、原発事故の三重の打撃を受けた福島県である。そして、津波により自身の事務所は全壊、自宅も大規模半壊の被害を受けた。それゆえ、氏は福島の人びとの声を政府に届けることを使命とし、そのために安倍首相に異論を唱えることも厭わない。12月1日、イチョウの金の絨毯を踏みしめて、日本の政治の中枢霞が関に復興庁を訪ね、吉野正芳復興大臣を取材した。

 
撮影/本誌記者 羅思琦 

放射線量は世界の主要都市とほぼ同じ

—— 私は来日して今年で29年になりますが、先生は政治の世界に入られて30年ですね。私は今年9月、原発事故のあった福島第一原発を取材したばかりですが、関連の報道は中国国内でも大きな反響を呼びました。初めに、中国人が関心を寄せている問題からお聞きしたいと思います。福島県及び周辺地域の空間線量率は世界の主要都市と比較していかがでしょうか。

吉野 まず、福島第一原発の真実の様子を中国に伝えてくださったことに感謝申し上げます。福島第一原発の周辺地域では除染が進み、2016年10月時点の福島第一原発から80キロ圏内の空間線量率は、2011年11月から比べて71%も減少しています。

現在、福島と世界の主要都市とを比べても、空間線量率はほとんど変わりません。2017年9月4日時点の北京の空間線量率は0.07マイクロシーベルト/時です。同じ日のシンガポールの空間線量率は0.10マイクロシーベルト/時、ベルリンは0.08マイクロシーベルト/時、ニューヨークは0.06マイクロシーベルト/時、翌日9月5日時点のソウルの空間線量率は0.12マイクロシーベルト/時です。私の故郷の福島県いわき市の空間線量率は2017年8月1日時点において0.06マイクロシーベルト/時で、北京よりも低いのです。

 

食品放射性物質検査が最も厳しい国は日本

—— 先ごろEUは、福島県産の米を含む日本の10県の農林水産物の輸入規制を解除すると発表し、12月1日に発効となりました。EUのこの決定は、福島県産の農林水産物はすでに放射性物質に汚染されていないということを意味しているのでしょうか。現時点で福島県産の農林水産物の輸入規制を解除した国はどれくらいありますか。

吉野 福島第一原発事故発生後、81の国地域が日本の農林水産物の輸入を規制していました。これまでに25カ国地域が規制を解除しています(2017年11月時点)。今年だけでもカタール、ウクライナ、パキスタン、サウジアラビアの4カ国が規制を解除しています。実は今日は一番嬉しい日なんです。今日(2017年12月1日)から、EUは福島県産の米を含む10県の農林水産物の輸入規制を解除します(注:その後、アルゼンチンも解除して26カ国地域)。ところが、残念なことに日本の近隣にある中国、マカオ、韓国、シンガポール、ロシア等の7カ国地域が依然として日本の農林水産物の輸入を規制したままです。

皆さんは福島のお米は世界一汚染されているという印象なのかもしれませんが、実際は、日本は食品中の放射性物質検査の基準が世界でも最も厳しい水準となっています。日本の厚生労働省の規定では、一般の食品に含まれる放射性物質の値は1㎏当たり100Bqを超えてはならないとしています。EUは1250 Bq、アメリカは1200 Bqですから、日本はアメリカやEUの十分の一以下です。2012年から日本は世界で初めて、米の全量全袋検査を始めましたが、2015年以降、福島産の米から基準値を超えたものは出ていません。国際原子力機関(IAEA)や国連食糧農業機関(FAO)等の国際機関も、日本の厳しい食品安全管理とモニタリングシステムを高く評価しています。

 

最も心を痛める福島の子ども達への「風評被害」

—— 2011年に原発事故が発生してから、「風評被害」という言葉はアジア諸国でも流行語になりました。根も葉もない噂によって経済的損失を被ったり、名誉を傷付けられるという意味であることは、中国人でも知っています。報道を通して、日本政府は風評被害の解消のために様々な対策を講じていることを知りました。それらの効果についてはいかがでしょうか。

吉野 風評被害の一番の元になっているのは、放射線に対する理解不足です。放射線に関する正しい知識や福島の現在の姿を正確に知ってもらうため、復興庁では中国語を含む多言語化による解り易いパンフレットを作成し、風評払拭に向けた周知活動を行っています。

福島県の農林水産物の売り上げをいかに回復させるかが大きな課題です。原発事故から6年8か月が経過しても、福島の農林水産物の価格は全国平均より低いままです。水産加工施設の93%で業務再開しています。東京のスーパーマーケットの陳列棚は、既に他の産地の商品が提供されており、福島県産を目にすることが少ないのが現状です。今後、我々復興庁としましても、特別に予算編成をして福島の農林水産物の販路拡大を後押ししていきたいと思っています。

福島の観光産業も風評被害によって大きな打撃を受けました。我々は世界各地で福島の現状説明と観光誘致活動を行っています。2016年に福島に宿泊したことのある外国人観光客は2015年より50%増え、回復傾向にあります。しかし、日本各地の盛況振りに比べればまだまだです。

様々な風評被害の中でも私が最も心を痛めているのは、他県へ避難している福島の子ども達が学校で疎外され、いじめを受けていることです。

 

ハード面の復興行政とソフト面のケアを同時に

—— 先ほどもお話しがありましたが、地震、津波、原発事故から6年8か月が経過した現在の福島の復興事業の進捗状況はいかがでしょうか。避難者の数はどれくらいですか。

吉野 福島全県の避難者数のピークは2012年6月で、16万4,000人でした。今現在の避難者は5万3,000人で、ピーク時の三分の一ほどですが、恒久的な住まいを確保できていない方々が5万3,000人もいるわけです。我々は今後ここを重点的に支援していきます。

福島県の総面積は13,783で、現在の避難指示区域は370で、県の総面積のわずか2.7%です。(370というと、香港島5個分と同程度)つまり、97.3%は正常な生活が可能だということです。2017年6月末現在で、建設が予定されていた30,000戸の復興住宅の85%が完成しており、年内には96%まで完成する予定です。

身体的、経済的損失に対する支援以外に、ソフト面の心のケアが大切だと思っています。津波被害から7年が経過し、私自身、復興大臣に就任して7カ月になりますが、今もテレビで津波の映像が映ると、すぐにチャンネルを換えてしまうんです。私の自宅も津波被害に遭い、友人も亡くしています。時間が悲しみを忘れさせてくれるとは言いますが、心に受けた大きな衝撃は時間が経つとともに甦ってくるものです。私自身がそうですから、被災者の皆さんの気持ちが分かるんです。産業を支援したり、復興住宅をつくったり、堤防を修理したりというハード面だけでなく、ソフト面の心のケアも必要です。

 

閣内で自身の主張を訴える

—— 最後に個人的な質問になりますが、先生は福島のご出身ですので故郷への思いはお強いと思います。先生はかつて衆議院予算委員会で、福島第一原発事故の主な責任は国が負うべきであると発言され、また別の機会にも、日本は原発ゼロを目指すべきだと訴えておられます。安倍氏の主張とは食い違いがあるように思われますが、安倍氏に対してどう説得していかれるお考えでしょうか。

吉野 私も閣僚として、総理と整合性をとらなければなりません。しかし、第一原発だけでなく第二原発も廃炉にしてほしいというのが福島県民の思いです。せっかく閣内にいるのですから、福島出身の政治家として県民の声を閣僚の皆さんに伝え、たとえそれが少数意見であったとしても、出来得る限り福島県民の声を届けていきたいと思います。福島の復興は自身の天命だと思っています。

 

取材後記

インタビューを終えると、吉野大臣は再び、原発を取材し真実を中国に紹介したことを記者に感謝された。そして、中国語版『二階俊博評伝』を執筆出版したことに話題が及ぶと嬉しそうに、「二階先生が日中友好に果たされた功績は計り知れません。中国と深い関わりをもっておられます。日中両国の人びとに二階先生のご功績と福島の復興を知っていただきたいと思います」と語った。

 
  情報元:人民日報海外版日本月刊  
 
 
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