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中国人はなぜマラソンが好きなのか
2017/11/30 16:01:02  文/彭訓文
 
 

中国人の生活水準が向上するにつれ、健康的な生活をするためにスポーツをする人が増加している。スポーツが流行し、ライフスタイルの一種となっている。では、どんなスポーツが最も人気なのだろう人気のスポーツには多くの人を引きつけるどんな理由があるのだろうそれらの動向から、中国人のスポーツ健康に対するどんな変化が垣間見えるのだろう

近年中国では、マラソンが人気のスポーツの一つとなっている。2017年上半期、中国陸上協会に登録し開催されたマラソン大会が65大会あった。2017年の年末に、その数は400大会を超え、参加者の数も延べ500万人を超えると予測されている。

中国人はなぜこれほどマラソンが好きなのだろうか。笑い声、涙、必死な姿が、9月23日に四川省成都市で開催された国際マラソン大会、9月17日に開催された北京国際マラソン大会の参加者に満ち溢れていた。そのようなムードに包まれて、多くの人が温かい気持ちになり、現在のスポーツブームに拍車をかけている。マラソン愛好者のほとんどが口をそろえて「人生もマラソンのレースのようなものだ」とする所以だろう。

 
武夷山マラソンシーン

体とメンタルを鍛える

あるネットユーザーは2017年の北京マラソンに参加した後、「あんなにつらいのに、どうして走ることをやめられないかというと、全身の細胞が騒ぎ、風を切るような心地よさを感じることができるから。今回の北京マラソンには、笑い、涙、感動、苦しみ、忍耐があり、私の大好きな人たちが参加していた」と書き込んだ。同ネットユーザーは、走っている時に足がつったものの、がんばって完走したという。

多くのマラソン愛好者にとって、マラソンの意義は、「我慢強く努力すること」、「勇気を持って力強く前へ進むこと」、「自分に打ち勝つという挑戦」、「今までできなかったことをやり遂げた時に感じる歓喜」にあるという。

文化学者の李大白氏は、「マラソンをすることで、体の基本的な機能を鍛えることができるほか、メンタルを鍛えることもできる。マラソンをする人は、勝ち負けではなく、がんばり続ける精神や、自分の限界に挑戦する態度を強調する。米国の心理学者のアブラハムマズローの自己実現理論で言うと、すでに自己実現することができている状態」との見方を示している。

 

スポーツを超え多方面にメリット

北京のマラソン愛好者王さんは、マラソンやジョギングが人気の理由について、「走るのには場所も選ばず、道具もほとんどいらない。性別、年齢も関係なく、いつでもできる。雨が降ったときは、ルームランナーを使えばいいので、天候に左右されることもない。ランニング用の靴と、それなりの広さのスペースがあればどこでも走ることができる。スピードも自分で調整でき、とても自由」と分析する。中国全国体質健康調査のデータによると、現段階で、中国でウォーキングやジョギングをしている人の割合は、スポーツ人口の60%を占めている。

SNSの普及で、ジョギングもシェアできる内容の一つとなっている。走った距離や時間、走る予定などをアップし、「いいね!」を送り合ったり、一緒に走る約束をしたりと、ジョギングに多くの新たな楽しみが加わっている。ジョギングのベテランである王さんも、微信(Wechat)のソーシャル機能「モーメンツ」やスポーツ系アプリを使って、走った記録をシェアするのが好きだという。「自慢したいという思いもあるが、自分に発破をかける方法の一つでもある。忍耐強い健康的な私の様子をみんなに見てもらいたい。ジョギングの様子や記録などをアップしているのだから、絶対に続けなければならない」と王さん。


2017雄安マラソン

主催者やスポンサーにとってマラソンは確実に「儲かる」イベントとなっている。マラソン愛好者は一年中走り、大会に参加し、大会の参加者は数百万人規模にもなる。さらに、ジョギングクラブや関連アイテム、アプリなどが利益の循環モデルを構成し、ジョギングはスポーツ産業の新たな「ブルーオーシャン(まだ競争のない未開拓市場)」となっている。取材では、マラソン愛好者はアイテムなどにもこだわりがあり、「適切なアイテムを揃えるのが、科学的に走るための第一歩」としている人が多いことが分かった。

マラソン大会の開催地にとって、大会はその街を宣伝するのに良い機会となる。2017年の成都マラソンでは、コースにミュージックステーションが8カ所設置され、川劇(四川省の伝統芸能)、ロック、ラップなどを通して、「金沙文化」、「三国文化」、「パンダ」などが紹介された。主催側の責任者によると、「大会を通してマラソンの魅力、成都の歴史文化、都市の風貌をPRしたい。スポンサーや都市、マラソン愛好者、市民、みんなにとってメリットがある」という。

マラソン大会を通して、一人でも多くの人がスポーツや健康に対する関心を持ち、それに参加するようになってもらうというのが、各地の自治体がマラソン大会を開催する主な目的の一つになっている。成都市体育局の責任者によると、2017年はスポーツ関連のイベントを少なくとも2400本企画し、市民がスポーツを通して体質を向上できるよう促進しているという。また、成都市は、周りに樹木があるジョギング用の道を500キロ作る計画だ。さらに、第13次五カ年計画(2016~20年)の終わりごろまでに、市民がスポーツを楽しむことができる場所を市全体に設置し、都市なら半径15分以内、農村なら半径5キロの範囲で市民に公共スポーツサービスが提供できる環境を整える計画だ。

中国国家体育総局陸上スポーツ管理センターの杜兆才センター長は、「現在、マラソンは単なるスポーツという域を超え、経済生産力、文化発信力、社会の親和性、政治的影響力が一体化した総合型民生プロジェクトとなり、『健康中国戦略』を促進する上で重要な役割を果たすようになっている。マラソンは現在、私たちの生活、都市の構造を変え、中国人のスポーツ健康に対する観念をポジティブな方向へと牽引してくれている」と分析している。

 
  情報元:人民日報海外版日本月刊  
 
 
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