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日本での成長戦略を追求
夏 慧昌 交通銀行東京支店長に聞く
2017/02/23 16:07:50  文/本誌記者 蒋豊
 
 

中国の交通銀行が100年以上の歴史を持つ老舗の銀行であるということは、日本の金融市場でもよく知られている。その東京支店もすでに20年という歳月を乗り越えてきた。日本における中国資本企業の多くが交通銀行東京支店と深いつながりを持っている。日本の華人界の多くの活動にも交通銀行東京支店が関わっており、多くの華僑華人企業と交通銀行東京支店は切っても切れない縁で結ばれている。2017年新春、『人民日報海外版日本月刊』は交通銀行東京支店の夏慧昌支店長へのインタビューをおこなった。

 

華人企業の日本での役割を重視

—— 交通銀行東京支店の支店長として、また日本の四大華僑団体の一つである日本中華総商会の副会長として、積極的に華僑企業と日本経済界との交流に力を注ぎ、海外華僑団体との往来を推進し、日中友好団体との協力も進めていらっしゃいます。華人企業の日本社会での役割をどうお考えですか。

夏慧昌 華人企業は日中経済の往来のための掛け橋であると考えています。華人企業は日中両国の経済的ニーズを理解しているだけではなく、さらに双方からの信頼を得ています。信頼関係は取引成功には欠かせない要素です。また、日本はバブル経済崩壊後30年近く過ぎましたが、これはまさしく華人経済が成長した30年に当ります。なぜ華人経済は日本経済が低迷した時期に大きく発展できたのか、これについては真剣に研究する価値のある課題です。華人経済の発展は日本の経済発展にも寄与しました。今日、中国経済はニューノーマルに突入しています。華人経済は新しく力を発揮できる場所を持ち、彼らは自ら積み重ねた実力、人脈、経験を生かして、祖国の経済成長を推進したのです。華人企業は将来さらに大きな役割を発揮するはずです。

まさにそのような考えに基づき、われわれは在日華僑華人の基本的な情況と利益追求を注視し、華人企業の発展をサポートしています。日本にいる華僑華人は約80万人ですが、日本に長く住んでいても日本国籍あるいは永住資格を取得していない人もいます。彼らが不動産を購入しようとしても国籍の問題で日本の銀行からは融資が受けられず、日本にある中国資本の銀行も以前はその業務をおこなっていませんでした。日本にいる華人からの強い要望によって、交通銀行東京支店は2010年に個人向け住宅ローン業務の動議を提出、同時にマーケティングと各種の関連コンサルティングをおこないました。周到な準備を経て、2011年には正式に個人向け住宅ローン業務を開始し、日本で最初にこの業務を始めた中国資本の銀行となり、多くの華僑華人の方々に大変喜んでいただけました。2016年末、交通銀行東京支店の個人向け住宅ローンの貸付高は累計約127億円に上っています。

それと同時に、当行は華人企業の発展にも力を尽くしています。5年前に起きた東日本大震災後の約1年後、あるホテル経営者の華人企業家が当行に融資を求めてきました。当時はまさに日本の観光ホテル業は一番苦しい時期で、彼は融資を必要としていたのですが、それまでに取引のあった銀行は返済できないと見てどこも再融資を断ってきたのです。当行では詳細に調査分析をした結果、日本の観光業の低迷は一時的なもので、この企業家は経営能力もあり、その会社の苦境も一時的であると判断し、彼に融資することを決めました。この資金は彼の急場を救い、その後その会社と当行とは良好な取引を続けています。彼はチャンスをつかんで何軒かのホテルを買収し、経営規模を拡大し続けました。現在では四つ星クラスの大規模ホテル10軒を所有し、これらのホテルの経営状況は非常に好調で、日に日に発展しています。また、ある華人のソーラー発電所投資企業に対して、当行は当初小額の運転資金を提供していたのですが、業務の拡大に伴いプロジェクト融資もおこなうようになり、2016年には主幹事行としてシンジケートローンを組みました。その企業は現在、連系済み発電所数では業界トップとなっています。

おおまかなデータですが、この2年間、交通銀行東京支店が華人華僑のために提供した融資金額は180億円以上に上っています。

 

中国企業の日本での成長をサポート

—— 近年、中国経済の構造改革が進むにつれ、経済力も強くなり、中国企業の日本を含む海外における勢いはますます強まっています。中国企業の日本での成功は日本社会からも注目されています。交通銀行東京支店は日本の中国企業に対してどのようなサポートをおこなっているのでしょうか。

夏慧昌 この質問に対しては、まず一言でお答えしましょう。それは、全力でサポートする、ということです。われわれは中国企業のニーズを注視し、入念に顧客のニーズを満足させられる金融サービスプランを立てます。来日して投資する中国企業に専門的、個性的な金融サービスを提供しています。長年、われわれは大型の国営企業の日本支社のために、多額の貿易融資与信と決済サービスを提供し、その業務拡大を推進しています。さらにもう一つ、われわれは中国企業に低コストの資金調達を手伝っています。日本の資金調達環境は相対的に緩和されており、調達コストも低いのです。ここ数年は交通銀行の他支店と連動して、40以上の企業に対して32億ドル(約3598億円)の低金利のクロスボーダー担保ローンを提供しており、これらの企業の財務コストを大きく抑えています。

ここ数年来は、航空機ファイナンスを積極的に進めています。2011年、われわれは交通銀行グループで初めてSPV(特別目的事業体)の航空機ファイナンスを行いました。2012年、円高がピークの時、東京支店は入念に立案し、中国国内の2つの航空会社に4機の円建て航空機ファイナンスを提供しました。その後日本円は50%近く安くなり、低利率のほかにも航空会社は大きな為替差益を上げました。2016年にはJOLCO形式(日本型オペレーティングリース)の航空機リースファイナンスを開始しました。現在までに東京支店は累計16機の航空機ファイナンスをおこない、合計金額は5億3100万ドル(約592億9677万円)に達しました。これにより支店の優良長期資産が累積され、利益の安定的増加の基礎を築きました。

さらに強調したいことは、東京支店も積極的に中国の民間企業や中小企業の海外進出にサービスを提供しているということです。例えば、有名な民間航空会社にクロスボーダー融資を提供し、日本で会社設立登記して日本市場に進出する手助けをしました。また北京の企業の日本における100%子会社に売掛金担保融資を手配し、同社の資金圧力を軽減させ、日本での販売を拡大させました。

伝統的なローン、貿易金融サービスのほか、われわれは中国企業の来日M&Aにもコンサルティング、融資、財務アドバイザー、決済などのサービスを提供しています。また、輸出入企業の為替リスクヘッジニーズに対して、外貨予約、輸出手形買取などの業務もおこなっています。われわれは積極的に日本銀行の経営理念に学び、日本における金融機関ネットワークを有効に利用し、日中企業にビジネスに関するサービスを提供しています。

 

海外進出とリスク回避

—— 近年、中国の公営企業と民間企業ともに海外進出の分野で頑張っています。その中には多くの成功例がありますが、もちろん教訓もあります。交通銀行東京支店の支店長として身をもって経験されているなかで、海外進出をはかっている企業はどのようにすればリスクを回避できるとお考えですか。

夏慧昌 海外進出しようとする中国企業は、慣れない、母国とはまったく異なる経営環境に置かれますから、そのリスクが大きいことは予測できます。銀行業は厳しい監督管理を受け、通貨を扱う特殊な企業ですから、リスクはさらにいつでもどこでも存在しています。中国でも最も歴史のある商業銀行として、交通銀行はずっと穏健な経営の原則を持ち続けており、法律法規にのっとり、安定的に成長してきました。東京支店は急速に成長すると同時に、コンプライアンスを遵守し、リスク管理態勢を改善し続け、成長とリスクとの関係を妥当に処理し、支店の持続可能な健全な発展を実現しています。

まず、「コンプライアンス優先」の堅持です。東京支店設立以来、厳格に日本の法律法規を遵守し、監督機関の規則制度を守っています。監督機関の要求に対する正確な理解と厳格な執行を確保するため、支店に「コンプライアンスと顧客保護管理委員会」を設立、経験豊富な日本人にコンプライアンス担当と内部監査を担当してもらい、各業務管理規定とオペレーションプロセスを制定し、全員のコンプライアンス研修をおこない、持続的なコンプライアンス管理と改善計画を実施しています。開業20年来、東京支店は監督機関の度重なるオンサイトとオフサイト検証を順調に通過し、日々複雑に厳格になる管理環境のもと、優秀なコンプライアンスレコードを保持しています。

次に各種リスクの厳格な管理です。われわれは本店が提唱する「全カバー、全プロセス、責任制、リスク文化」というリスク管理システムの設立を実行し、鉄壁なリスク管理で経営の安全を保障しています。「全カバー」とは、リスク管理が経営管理に関わる信用リスク、市場リスク、流動性リスク、オペレーショナルリスク、コンプライアンスリスク、情報安全リスクなどすべてのリスクとリスクのすべての分野をカバーすることを指し、盲点や死角を作らないことです。「全プロセス」とは、「プロセスが中心で手続きより重要」という理念の確立を指し、リスクコントロールを人によるのではなく法によることで、制度のプロセスを改善し続け、厳格に遵守するということです。「責任制」とは人的責任の強化を指し、主観的能動性を発揮し、制度が真摯に責任もって執行されることを確保する意味です。「リスク文化」は、穏健な、パランスのとれた、法規にのっとった、刷新的なリスクの堅持を指し、健康的なリスク管理文化によって支店の持続可能な発展を推進するということです。長年の努力を経て、支店のリスク管理能力は明らかに向上し、経営成果の安全を保障しています。

第三に、根本的なことかもしれませんが、銀行のガバナンス能力を向上させることです。東京支店は独立した法人ではありませんが、外資銀行の日本における支店であり、会社のガバナンス体制の確立と改善は大変重要です。近年のマネジメントの実践の中で、支店は「授権管理、会議決定、部門執行」という基本的な管理方針を徐々に形成してきました。「2+6」の支店ガバナンス体制と「1+3+2」の全面リスク管理システムをつくり、人事考課制度と報酬分配法を改善し、行員全員の積極性を引き出し、経営活力を放出させ、支店の持続的安定的成長のために内発パワーを注入しています。

この5年間で、東京支店の資産は毎年平均102%増加しており、評価利潤は毎年平均135%増加していますが、不良債権の比率は0.88%からゼロとなり、重大なリスクも発生していません。

 

社会的責任を重視

—— 日本のメディアでは、中国企業は海外進出後金もうけをするだけで、現地社会にとけ込むこと、特に社会的責任という面が欠けているという一部報道もあります。これについてはどう思われますか。

夏慧昌 中国企業の海外進出は日本企業の海外進出と比較すると、時間が短く、経験が少ないので、企業が回り道をしたり、授業料を払ったりするのも正常なことです。わが国が改革開放初期に誘致した外資企業も社会的責任を重んじませんでしたが、これらの企業は長く持たなかったのです。中国企業の海外進出はこれを教訓にすべきでしょう。私は金融企業として、まず信頼と責任が重要だと思います。交通銀行は百年の歴史の中で一貫して信頼と責任を重視してきました。こういった企業文化のDNAは東京支店の経営の中でも生き生きと継承されています。

2011年、東日本大震災発生後、東京都内の交通はマヒし、食料不足、空気や水も放射能に汚染され、さまざまなデマが飛び交い、東京を離れる人もいました。このような危機下で、東京支店の管理職は職場を守ることを選択し、支店は最も困難な時期に正常に営業を続け、顧客に期日通り約束を履行し、金融秩序を維持しました。地震の間、中国大使館の小額現金が不足したため、支店では日本銀行に申請するなど多方面から調達し解決しました。現金を配達した日はちょうど福島原子力発電所の放射能漏れが最も深刻な時期で、東京には「黒い雨」が降るといわれ、街中には人の姿がなくなっていました。そんな時でも当支店の行員たちは個人的な危険を省みず、リスクを犯して現金を受け取りに行き、大使館に届けたのです。われわれは職場を守り、約束を守り、放射能漏れによる危険を受け入れたのです。

次に、日本にある中国資本の銀行として、法律に依って安定的経営をし、新しい金融サービスを通して日中間の経済貿易交流を推進させることが、当支店の最大の社会的責任であると考えています。長年、われわれは自身のクロスボーダーサービス能力の向上をはかり、海外進出する中国企業に融資、決済、M&Aの金融サービスを提供すると同時に、日本の同業者、特に多くの地方銀行と提携し、海外資本を受け入れたい日本企業にさらに良質な金融サービスを提供しています。この数年で、すでに60社の日本の中小企業が中国に投資するための口座開設、決済、融資、コンサルティングなどのサービスを提供しました。

また、海外にある中国資本の銀行として、華人社会への奉仕は支店の重要な使命です。当支店は開業以来、現地の華人社会に積極的に溶け込み、華人コミュニティーの発展を積極的にサポートしてきました。1999年9月、交通銀行東京支店が主要な発起人となり日本中華総商会が発足し、その後も積極的に会の運営に携わっています。2007年に神戸で開催された第9回世界華商大会にも関わり、中国大使から称賛の言葉を頂戴しました。2015年と2016年、交通銀行東京支店のタイトルスポンサーとなった交通銀行杯在日華人バドミントンオープン大会も成功し、在日華人が自主的に開催した参加人数最多、最高レベルのバドミントン大会となり、華人コミュニティー成長を応援しました。交通銀行東京支店はチャリティーや社会還元に熱心で、華人社会の発展に力を発揮していると言えると思います。

 

「開放」と「閉鎖」の大きさ

—— 2017年は世界が激変する年になりそうです。先日習近平国家主席はダボス会議に出席し重要講話を発表しました。交通銀行東京支店を率いる立場としてこのような変化にどう対応なさいますか。

夏慧昌 ええ、今の国際社会の変化は予測できず、重要な時期にあります。カギとなるのは、開放を続けるか閉鎖するかという問題にとどまらず、「開放」と「閉鎖」の大きさなのです。世界の今日のような局面は、グローバル化、国際化のもとでつくりだされたものです。今日、一部の国が自国は損をしているからと自由貿易をやめ「自国の利益最優先」を提唱しても、やり遂げるのは困難です。

私もダボス会議での習近平国家主席の講話にも注目しました。日本の多くのメディアはこれを積極的に評価しました。習近平主席は世界経済を分析するにあたり、世界には三つの大きな問題があると指摘しました。一つは世界の成長エネルギーが不足しており、世界経済の持続的安定成長を支えられないこと。二つ目は世界の経済ガバナンスが滞り、世界経済の新しい変化に適応しきれていないこと、三つ目は世界の成長のアンバランスで、人々の生活向上の期待に応えられないこと。重要なのは、習主席は分析するだけでなく、処方せんである「四つのモデル」の構築を打ち出したことです。一つ目はイノベーション動力を維持し、活力に満ちた成長モデルを構築すること。第二は協調連携の維持で、開放的なウィンウィンの合作モデルを構築すること。第三は時代の変化に対応し、公正で合理的なガバナンスモデルを構築すること。第四は公平な許容の維持で、バランスのとれた恩恵が得られる成長モデルを構築すること。私は交通銀行東京支店が新しい年に、これらのモデルを実践するために努力していきたいと思っています。

 

 
  情報元:人民日報海外版日本月刊  
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