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中日経済交流には新しい成長分野が生まれる
彭卜鋼在日中国企業協会会長に聞く
2017/01/28 10:46:26  文/本誌記者 蒋豊
 
 

暖かい年末の12月16日、私は東京・深川にある「五鉱会館」に足を踏み入れた。中国五鉱集団公司が投資している日本五金鉱産株式会社は会館内にあり、社長の彭卜鋼氏は在日中国企業協会及び全日本中国企業協会連合会の会長でもある。私が席に着くと、彭卜鋼会長は日本五金鉱産株式会社の1981年創業以来の歴史を紹介してくれ、笑いながら「実はこの五鉱会館は国有財産なんだ」と話した。インタビューはこの話題から始まった。

 
撮影/ 本誌記者 呉暁楽

中国企業の日本「本土化」を推進

—— 会長は日本五金鉱産株式会社の第8代会長であり、現在、在日中国企業協会及び全日本中国企業協会連合会の会長を兼任していますが、中国企業協会の情況についてご紹介いただけますか。

彭卜鋼 現在、中国企業協会は東京、大阪、名古屋、福岡(九州地区)、新潟と沖縄に設置されています。東京首都圏の「在日中国企業協会」は規模が最大でメンバーは140社近くにのぼっています。2000年に設立されてから、これまで16年が過ぎました。2015年6月、上述の日本各地の中国企業協会がいっしょになって東京に「全日本中国企業協会連合会」を設立しました。連合会の現在のメンバーは不完全な統計ですが200社を超えています。協会はメンバー企業のウィンウィンの成長実現を促進するという趣旨にのっとり、在日企業間の相互交流の強化、メンバーの合法的権益の保持、在日中国企業経営環境の改善推進、共同での中日両国経済貿易提携と発展を促進しています。

協会メンバーは中国のメインストリームの経済体企業の下部組織や、日本現地法人、中国の各レベル自治体の派遣機関から成る非営利の任意団体です。経済貿易、加工業、金融保険、物流運輸、旅行観光、文化メディア、人材交流、医薬品などの主要な分野をカバーしています。協会は全方位のサービスをカバーするプラットフォームの構築、交流と合作の促進、ウィンウィンの成長実現など、中国企業が日本でさらに発展していく良好な環境を作り出すことを目指しています。

協会の具体的な活動としては、第一に、協会メンバーは日常的な友好交流と生産活動を通して、日本の国民や各業界との理解を深め、提携の基礎を固めます。同時に、積極的に企業の社会責任を果たし、両国民に友好的な感情を根付かせていきます。

第二に、バラエティーに富んだ活動や経済団体との交流活動や政府機関との対話メカニズムの構築を通して、メンバー企業に全方位のサービスを提供し、メンバー企業の提携チャンスを増やし、メンバー企業の合法的権益を守り、企業の経営環境の改善を推し進めます。同時に、各種の交流活動を通して、相互の尊重と理解を増進し、中国企業が現地社会に溶け込めるようにします。

第三に、協会はメンバーに政策ニュースを不定期に発行し、コンサルティングサービスを提供、双方の提携を促進し、企業権益を保持し、商工業者のパワーを代弁します。

われわれはこの協会が「散れば満天の星、集まれば猛火」となり、中国企業が日本に根を下ろして発展できるようにしたいと願っています。

 

「二増二減」現象を正しくとらえる

—— 「散れば満天の星、集まれば猛火」という表現は情熱的ですね。今年の中日経済関係を振り返り、「二増二減」だと総括する人もいます。「二減」とは、日本の中国における投資額が減少していることと、日本が中国で設立している企業が減少していることを指します。「二増」とは、中国の日本における投資の増加と中国人観光客の大幅な増加を指します。会長はこの「二増二減」現象をどのようにご覧になりますか。

彭卜鋼 今おっしゃった「二増二減」現象は、今年から始まったものではありません。近年、この趨勢はずっと進行し続けています。私個人の見方ですが、これは歴史的必然であると思います。

まず、「二減」ですが、統計によると中日貿易額は2012年から連続4年間減少しており、2016年1月から10月までの双方の貿易額は2231億ドル(約26兆1946億円)で、輸出規模は縮小し続けています。日本の対華投資も減り続けており、2012年の73億8000万ドル(約8666億円)をピークに、3年連続して減少し、すでに半分以下になり、今年1月から10月までの実際の到達金額は24億5000万ドル(約2877億円)でした。ここには、もう一つ軽視できない減少があります。それは中国に行く日本人が毎年減少していることで、この減少傾向はまだ続いています。

また、「二増」ですが、中国から日本への投資は安定して増加しており、投資モデルも新しくなっています。2016年10月末の時点で、中国日本に対する直接累計投資額は30億ドル(約3522億円)で、日本における7番目の投資国となりました。この投資の新しい特長は、M&A投資が多いこと、投資分野が多元化していること、中国の日本における金融提携が順調に進んでいることにあります。中信グループが日本で発行している1000億元(約1兆6900億円)のサムライファンド、工商銀行が日本で発行している5億元(約84億5000万円)の人民元建て債券などがあります。第二に、中国人の日本への旅行客は毎年増加つづけており、昨年はもう少しで500万人というところでしたが、今年は10月までの統計ですでに560万人に達しており、年間では130%増となる予測です。

1978年に中国が改革開放政策を開始して以来、中国の経済と社会の発展はすでに40年近く続いており、中国の社会の発展や経済状況、中国企業の技術の進歩と実力、国民の生活レベルと収入もここまで向上し、世界第二の経済大国となりました。2015年の中国のGDPは67兆6700億元(約1143兆円)に達し、1995年の6兆1100億元(約103兆円)から20年で10倍になりました。これは、中国企業、中国資本、中国人が世界に進出して現在の「ニューノーマル」となった現れといえるでしょう。また、中日経済交流が歴史的な転換点にあるとも言えるでしょう。

特に強調したいのは、中国の日本向け投資は以前には想像もできなかったということです。改革開放政策初期の中国は海外からの投資、技術を導入しましたが、その主なリソースは日本でした。現在、逆に中国が日本に投資していますが、実体は恩返しでもあります。当時の日本の中国向けエネルギー投資と異なる点は、日本の国土、資源などの制約によって中国は日本国内で資源開発、エネルギー開発などの大規模投資ができないことです。中国が現在投資しているのは日本の一部製造業のハイエンドや技術のハイエンド分野であり、このブレイクスルーは無視できません。

 

中国は日本の海外投資経験と教訓に学ぶべき

—— 中国の海外での投資が増加し続けているのを見ると、日本も戦後かなり長い間海外に多くの投資をしていたことを思い出します。現在、中国では海外投資ブームが起きていますが、中国は日本の海外投資の経験と教訓を汲み取るべきだと思われますか。

彭卜鋼 日本は戦後、経済の復興に合わせて、1950〜60年代に大規模な海外投資を始めましたが、このやり方はすなわち日本の実体経済発展に必要な措置であり、また日本企業が国際化に向かうための道筋でした。日本企業の海外投資は現在も止まっていませんが、それは日本がマンパワーと物的資源、国土や環境、グローバル化などの要因による制限あるいは影響を受けているため、止めることができないのです。

日本企業の世界に向けての海外投資には成功モデルもありますが、もちろん失敗例もあります。われわれ中国企業がグローバル化に向かって新世紀に入って以来、すでに十数年ですが、中国資本が日本社会に進出してからわずか数年しかたっておらず、アメリカやEU諸国、日本などの比べるとまだ学習段階であり、初歩的段階にあります。重要なことは、成功であれ失敗であれそのモデルに学ばなければならないということです。

海外投資プロジェクトにおいて、中国は日本に学ぶところが大きいのですが、私は以下のいくつかの点ではさらに努力すべきだと思います。まず、自身の企業の発展戦略と自身の能力に応じてバランスよく、実態に即した投資を行うことです。同時に、日本企業の集中、綿密、粘り強い「匠の精神」にも学ぶべきで、現地での投資を通して相手の企業管理の精髄を手に入れることが必要です。

第二に、プロジェクトの事前リサーチと法律リスクの評価を徹底することです。この分野の事前リスク評価には多額の資金が必要ですが、それは未来の損失の減少を意味します。プロジェクト全体の投資額と比べればこの支出は価値があります。プロジェクトが成立した後にもさらにプロジェクト投資後評価が必要で、数年から十数年後にプロジェクトに対する投資に対する再評価を行うことで、このプロジェクトの成果を知ることができます。

第三に、利益を急がないことです。どのような投資も利益回収が必要ですが、これは至極当たり前のことであり、投資の基本原則とも一致しています。製品戦略発展のニーズ、資源保証のニーズ、市場展開のニーズ、マンパワーと人材開発のニーズなどです。「ローマは一日にして成らず」ということわざがあり、利益を急ぐ考え方は往々にして大きなリスクが伴います。第四に、企業の海外投資は相応の社会的責任を負う必要があるということです。誠実な経営、合法的な経営という前提で、中国の企業は日本で現地の社会生活に深く溶け込む必要があります。そのようにすれば現地に根を下ろすことができ、現地の人々と社会に受け入れられ、認められるのです。

 
五鉱会館

日本は「一帯一路」に積極的に参与すべき

—— 現在、中国が主導する「一帯一路」とアジア投資銀行が日本の政財界、経済界に広く影響を及ぼしています。しかし、日本には一種の矛盾した心理があるようです。日本はどのように参与し進出すべきだと思われますか。どのようなアドバイスがありますか。

彭卜鋼 おっしゃるように、中国が主導する「一帯一路」とアジア投資銀行は日本に広く影響を与えています。日本企業がどのように参与し進出していくかについては、「仁者は仁を見、智者は智を見る」というべきでしょう。多くの日本企業は自社でのリサーチを行い、将来の方向性についても自社で戦略研究と判断を行っています。

私個人としては現時点ではいくつか参考として学べる既成のモデルがあると思います。まず、中国はすでにアジア横断鉄道を開通させており、中国の東西南北の四方に鉄道がありロシアを経由してヨーロッパに直行します。このヨーロッパへの直行路線という大動脈は日本の貨物輸送と効果的に提携できます。日本の世界に向けた運輸ルートは空輸と海運だけですが、空輸はコストが高く、海運は時間がかかります。中国の持つ陸運鉄道と日本が効果的に連結できれば、日本企業は時間とコストを節約できることになります。中国の「一帯一路」が東南アジア、南アジアまで延伸すれば、この鉄道輸送ルートは日本にはかりしれない利益をもたらします。

次に、昨年李克強総理がドイツを訪問した際に提案した中独合作モデルで、中国の製造とドイツの製造を連結させて中独製造とし、全世界の生産と消費のためにさらに良い製品とサービスを提供するというものです。このモデルは日本企業とも同じように実施することができます。実際、日本で中国に投資している企業ではそのようなやり方を実施していますから、このモデルはさらに進めて広げていくべきでしょう。

最後は、中国の企業が「一帯一路」に向かうプロセスで日本企業と提携していける分野が多いということです。資源開発、エネルギー開発、鉱山、工場、鉄道、道路、インフラ、埠頭、販売センターや物流センターなどの設計、建設、オペレーションや人材育成など、中国と日本の企業にはすでに多くの実現例があります。例えば、五鉱グループには大変強力な施工建設チームがあり、マレーシア、インドネシアで日本企業と合作しています。日本は設計、管理に関わり、われわれは施工に参与します。こういった日中企業の海外での合作は、一時的な関係ではなく、ウィンウィンの提携関係なのです。

 

中日経済交流には新しい成長分野が生まれる

—— 中国も日本も経済改革を進めており、自らの経済構造を調整しています。これも中日両国自身の経済にニューノーマルが現れた背景でもあります。会長は中日両国経済のこれからの交流での成長分野はどこにあるとお考えでしょうか。

彭卜鋼 おっしゃるとおり、中日両国の経済ともに構造転換を進めています。中国の構造転換はさらにハイレベルに向かうものであり、日本の構造転換はハイエンドの上にさらに広範囲に向かうものです。ですから、この二つの転換に相互矛盾はなく、また相互に排斥するものではありません。

これからの中日経済交流の成長分野について、私個人は以下のように予測しています。まず、中国資本と日本資本はともにハイエンドの製造業に移行していくでしょう。つまり、日本が中国に投資するにしても、中国が日本に投資するにしても、われわれは製造業のハイエンドに向かわせなければならない。製造業をいかにハイエンドに向かわせるか、これが中日経済交流のハイライトになるでしょう。次に、大衆サービスと消費への投資、特に電子商取引の分野の盛り上がりに関わるものです。日本にはアマゾン、中国にはアリババがあり、ともに大衆に消費サービスを提供し、新しい消費モデルを創出しています。ここには非常に広い提携の余地があります。第三に、中国の企業界と金融機関と日本の金融分野との提携です。この提携は今年非常にすばらしいトレンドになりました。第四に、中国資本が日本企業のM&Aと投資に参与し、投資分野はさらに多元化していくでしょう。第五に、中日の不動産と観光サービスの提携です。中国人観光客が大量に来日し、その勢いは一連のサービスの変化を招きました。中国人の日本での不動産購入が増加し、日本の経済成長を促進すると同時に自身の財産の価格保持と増加を実現しました。しかし、率直に申し上げれば、中国の企業あるいは個人の日本での不動産購入や不動産投資は「投機」になってはならないのです。これについて日本のバブル経済の時代に重い教訓があり、われわれはこれを参考にすべきです。第六に、医療介護分野の日中提携がさらに広がるということです。今まさに勢いのある業界です。日本は少子高齢化社会に突入しており、この分野では豊富な経験を持っています。中国もまさに高齢化社会へと入ってきたところですから、日本の経験から学び、「カーブでの追い抜き」を成功させれば、両国の提携は巨大な経済効果をもたらすでしょう。

 
  情報元:人民日報海外版日本月刊  
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