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「戦争無用論」こそ、ガンダムのメッセージ
宮河 恭夫 株式会社サンライズ代表取締役社長ガンダムシリーズのプロデューサーに聞く
2016/06/22 16:42:15  文/本誌記者 蒋豊
 
 

娯楽においても現実においても日本はロボット大国である。2008年末には産業用ロボットの占有率が世界一となり、世界平均の10倍となった。そして日本はロボット大国となり、実際、日本の少年たちは幼い頃からロボットへの強い憧れを抱いている。『鉄腕アトム』から『機動戦士ガンダム』に至るまで、ロボットキャラクターは日本で代々にわたって子ども達の成長に寄り添い、多くの子ども達が幼い頃からロボットへの思いを描く。そして大人になってロボット産業に身を投じ、日本は急速にロボット大国へと成長を遂げる。ロボット産業が日本の代表的産業になったことは、アニメ作品の功績によるところが大きい。サンライズが制作した『機動戦士ガンダム』は1979年に登場して以降、日本のアニメ作品において一大ブームを巻き起こしたロボットアニメとなり、近年ではアジア及び欧米のマーケット規模も拡大している。創業当初からサンライズはロボットアニメの制作に力を入れ続けており、ロボットアニメと言えばサンライズと、日本人の信奉を得るようになったのである。先頃、1972年に有限会社サンライズスタジオとして発足した、大手アニメ製作会社——株式会社サンライズを訪ね、取締役社長で、ガンダムシリーズのプロデューサーでもある宮河恭夫氏に話をうかがった。


撮影/本誌記者 原田繁

価値観が日本アニメの人気の鍵

—— 漫画やアニメは中国では子どもや青少年のものというイメージですが、日本では老若男女に受け入れられています。日本のアニメは世界中で人気ですが、その主な要因は何でしょうか。『機動戦士ガンダム』は1979年にテレビ放送が始まり、何世代にもわたって愛されて続けています。このように永く愛される作品を制作できる秘訣とは何でしょうか。

宮河 一言で言うのは難しいですが、日本のアニメが世界中で人気を博している主な要因として、多くの優秀な人材がいること、さらにオリジナルのストーリーがよく練られていることではないでしょうか。一番重要なのは、つくる側の「何かを伝えたい」という気持ちであり、それが世界中の人に共感を得ているのだと思います。

日本は絶えず世界に向けて優れたアニメ作品を発表し続けていますが、作品が描く価値観も多元化しています。しかし、優れた作品には前向きとか信念ある生き方といった共通の価値観があります。例えば『少年ジャンプ』は「友情、努力、勝利」をテーマにしていますが、それは日本であっても、中国やアメリカであっても普遍的に受け入れられるテーマです。

『機動戦士ガンダム』も、戦争を描きながら戦争はやっても意味がないものという平和へのメッセージを表現しています。不幸なことに、今も地球上のいろんな所で戦争は起こっていますが、子ども達がテレビアニメを見て、戦争はやっても無意味であるということを感じてくれればと思っています。「戦争無用論」がこの作品のメッセージなんです。ガンダムシリーズが30年以上続いている要因は、監督や脚本家をはじめスタッフの強い思いと、若い人たちが共感して作品と共に成長していけるというところだと思います。

『機動戦士ガンダム』のキャラクターたちは、戦争に巻き込まれながら、疑問や不安が生じても決して諦めたりせず成長を遂げていきます。年齢層の高い人たちは、今の若い人たちは楽しいことが好きで、何も考えていないと言いますが、そんなことは全然なく、多くの悩みを抱えていて、今のままでいいのかなとか、自分の生き方はこれでいいのかなとか考えているものなんです。ですから、『機動戦士ガンダム』のキャラクターに自身を投影して、考えたり、笑ったり、感動したり、泣いたりする。この作品が永くヒットする秘訣はそこだと思うんです。

日本と中国でほぼ同時に視聴できる

—— 大手アニメ製作会社としてどんなところが強味だと思いますか。また『機動戦士ガンダム』は、海外ではどのように視聴できますか。

宮河 当社の強味はオリジナル作品をつくっているというところです。ゼロからつくっているので、自分たちでコントロールがしやすく、原作者に許可を取る必要もないので自由な展開がしやすいです。

ガンダムシリーズの作品は、5、6年前から積極的に海外に向けて配信しています。現在、中国語(簡体字、繁体字)、韓国語、英語、タイ語で、主にインターネットで見ることができます。日本で放送された直後に、中国でもインターネットで流れますから、中国の若者と日本の若者がほぼ同時に同じ作品を見ることができます。それがすごく重要だと思うのです。

ガンダムのプラモデル(以下:ガンプラ)も当社のビジネスの大きな部分ですが、アニメを見る人が多くなればプラモデルを買う人も増えるわけです。ガンプラは中国でもとても人気ですし、現在日本で製造しているガンプラの4割がアジアを中心とした国々に輸出されています。加えて1割は国内でも海外からの観光客の方が買っていて、売上の半分を海外の顧客が占めていることになります。

アニメキャラクターはもっと生活に奉仕すべき

—— アニメの国際交流において最も重要なのがIP(Intellectual Property 知的財産権)の問題です。中国は「海賊版大国」と言われ、中国では正規のアニメ会社の多くが、日本のIPが取りにくい状況にあります。こういう問題をどう解決すべきでしょうか。今後、中国市場に対してどのようなプランをお持ちですか。

宮河 海賊版を短期間のうちに市場から一掃するのは難しいと思います。上海に行ったとき、街には日本アニメのDVDを売っている場所がたくさんあり、多くの海賊版を目にしました。海賊版があるということは、逆に言えば人気があるということです。海賊版を駆逐するには、より多く本物を市場に出して、一つひとつ本物に変えていくしかないと思います。

2か月くらい前に、サンライズが制作した『ラブライブ!』というアニメのライブを上海のメルセデスベンツアリーナで行いました。声優さんたちも行ったのですが、1万人以上の観衆が集まりました。その様子を見て、アニメの力はすごいと感じましたね。面白いなと思ったのは、声優さんが日本語でしゃべっても、全部とは言いませんが、そこそこ皆さん理解しているんです。どうやって覚えたのかと思って尋ねてみると、アニメを見て覚えたという人が結構いるんですよね。

中国のインターネット会社や動画サイトの会社も訪ねましたが、スタッフの方が皆さん、結構日本語がしゃべれるんです。やはり日本のアニメで覚えたと言うんですが、これはすごく良いことだと思っています。日本のアニメ作品で日本の文化を理解して、日本に行ってみたいという気持ちが芽生え、実際に触れてみたいとなる。アニメ作品がそんな役割を担えることは嬉しいことです。

—— そうなんです。多くの日本語学校の先生が、今の世代の中国人留学生は学校に入ったばかりなのに、みんな片言の日本語がしゃべれると言うんです。どこで覚えたのかときくと、異口同音に日本のアニメで覚えたのだと。但し、アニメから学んだ日本語は時々先生もわからない(笑)。

宮河 日本のアニメ作品は放映後、大体派生商品を出します。今年の「AnimeJapan2016」でも、アニメと日本の伝統工芸がコラボした商品が多数出ていました。そこを一歩進めて、もっと生活やサービスに関わる色んなことができてもいいのかなと感じています。

ある国では「ドラえもん」の知名度を利用して、交通安全やワクチンのキャンペーンに使ったりしているそうですが、素晴らしいことだと思います。日本政府はアニメの国際戦略の上で見習うべきです。当然商品化は大事ですが、日本のアニメキャラクターがもっと世界の人々の生活に関わり、生活に奉仕できればいいなと思います。

より多くの中日合作アニメの誕生を期待

—— 社長は子どもの頃からアニメの仕事に就きたいと思っていたのですか。最も強く影響を受けたアニメ作品は何ですか。また、中国にはどんな印象をお持ちでしょうか。

宮河 私は『鉄腕アトム』を見て育ちました。『宇宙戦艦ヤマト』も見ました。この2作品は大好きです。

最初からアニメの仕事を志したわけではなく、学校を卒業して最初に入ったのは玩具会社のバンダイでした。子どもはみな、まずテレビアニメを見ておもちゃを買います。最初おもちゃをつくっていたのが、今はテレビアニメをつくっているというのも何かの縁でしょうか。面白いと言うか、幸せだと思います。

中国には何度も足を運んでいますが、一番よく知っているのは上海です。上海は国際的な大都市として、東洋の神秘的な魅力と西洋の近代モダンが入り混じっていて、新しいものと古いものが融合した新鮮な感覚を覚えました。上海では外灘やテレビ塔の附近によく行きました。それから城隍廟ですね。中国の新旧の融合と活気を感じることができて、それらの場所の雰囲気が好きです。

今、中国では生活がどんどん豊かになり、人々はエンターテインメントにお金を使うようになってきています。今後、中日合作のアニメ作品も出てくるでしょうし、我々もアニメ作品やゲームの中国への輸出に、より一層力を入れていきたいと考えています。

 
  情報元:人民日報海外版日本月刊  
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