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「草の根の国際交流こそが大事」
鈴木大地 初代スポーツ庁長官に聞く
2016/02/22 13:42:34  文/本誌記者 蒋豊
 
 


撮影/本誌記者 張桐

日本のスポーツは、第二次世界大戦終結後の経済の回復と成長に伴って発展し、日本は今ではスポーツ先進国の一つとなった。2020年に東京オリンピック・パラリンピック競技大会を控え、日本政府はスポーツのソフトパワーと国際的影響力を今までよりも更に重要視するようになり、2015年10月、スポーツ施策を統轄するスポーツ庁を創設した。初代スポーツ庁長官には、スポーツ界から元水泳選手が起用された。先ごろ、新たに創設されたスポーツ庁を訪ね、初代長官の鈴木大地氏に話を聞いた。

スポーツ庁の創設は長年の夢

—— 2014年から日本政府はオリンピックの準備及びスポーツの振興等を統轄するスポーツ庁の創設を計画し、2015年10月に正式に発足しました。政治家でも文科省の幹部でもなく、スポーツ界出身者として初代長官に就かれましたが、スポーツ庁の具体的な活動と今後の抱負をお聞かせ下さい。

鈴木 スポーツ庁の前身は文部科学省のスポーツ・青少年局で、2015年10月に文部科学省の外局として「スポーツ庁」ができました。

それまではスポーツ施策の各業務は、公園整備は国土交通省、国際交流は外務省、健康増進は厚生労働省というように各省庁がそれぞれの任務の観点から実施されてきました。スポーツ庁の創設により、これらを一体的に推進する体制ができ、業務効率が上がったと考えています。

スポーツ庁の発足はスポーツ関係者の長年の夢でした。初代長官として、スポーツ全体の価値、ステータスを上げるということを目標としています。スポーツ庁の政策課題としては、主に4つの柱を掲げており、まず、競技力を向上させ多くメダルを取る。次に、子どもから大人まで、スポーツ人口を増やし国民の健康を増進させる。3点目に、スポーツを通じた国際貢献。4点目に、スポーツを通じた経済と地域の活性化です。庁内の職員と一丸となって、一つ一つ実現させていきたいと思っています。

スポーツを通じて国民医療費の抑制に貢献

—— 90年代、日本は長期不況に陥り、高度情報通信ネットワーク社会の推進を国家戦略に打ち出しました。いわゆる「IT立国」戦略です。2005年10月、第三次小泉改造内閣で経済産業大臣に就任した二階俊博氏は、観光産業こそが日本経済復興への最良の道であるとし、地方都市の製造業から観光業への転向を提起しました。これが「観光立国」戦略の出発点でした。スポーツ庁の発足と2020年東京オリンピックの開催は、日本が「スポーツ立国」の時代に入ったことを意味しているのではないでしょうか。スポーツ庁として国にどのような貢献ができるとお考えですか。

鈴木 日本政府は、経済の振興・育児支援と社会保障の充実に向けて、2020年のGDP600兆円という指標を掲げています。スポーツ施策でその実現に貢献したいと考えています。

国民医療費は膨らみ続け、平成25年度には過去最高の約40兆円に達しました。そのうち、75歳以上の高齢者の一人当たりの平均医療費は93万円で74歳以下の4.5倍です。

スポーツを通じて国民全体の体力の向上を図り、日本人の健康寿命を伸ばしたい。現在、日本人の平均寿命は世界一です。健康寿命を限りなく平均寿命に近づけることが私の努力目標です。それで国の国民医療費の抑制に貢献できると思うのです。

「部活」文化を輸出

—— 日本のGNPにおける文化産業の貢献は大きいと考えます。「アニメ外交」がそうです。外務省は鉄腕アトムを「海外安全大使」に、ドラえもんを「アニメ文化大使」に、国土交通省はハローキティを香港、中国での「観光親善大使」に起用しました。2013年末、和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたことも日本文化が評価された実例の一つです。スポーツ事業の分野ではどのような貢献ができるとお考えですか。

鈴木 安倍総理がIOC総会で東京オリンピック・パラリンピック招致のスピーチを行った時に、「スポーツ・フォー・トゥモロー(SFT)」ということに言及しました。2014年から2020年までに、100カ国以上・1000万人の人たちにスポーツの喜びを届けようというプログラムです。

当然、2020年のオリンピック・パラリンピックがその中心となりますが、日本だけでなく、諸外国の皆さんとともにスポーツの重要性を知り、スポーツ施策を発展させていきたいと考えています。スポーツには社会を一つにする力があります。異なった文化をもつ人々が同じ価値観の下でフェアプレーによって不平等を克服することができます。

具体的には、日本特有のスポーツ文化も輸出してはどうかと思います。日本では小学校から高校まで必ず一定の比率で体育の授業があります。さらに、日本の学校には運動部活動、いわゆる「部活」があります。児童生徒はバスケットボール部、サッカー部、バレー部など自分の好みのスポーツのクラブに所属し、放課後集まって計画的に練習を行います。これは日本特有のスポーツ文化でありスタイルです。

学生時代に運動部活動に参加することで、体を鍛え競技力を伸ばすだけでなく、団結力、達成感、精神力を養うことができます。この「部活」文化を海外に紹介できればと思います。

さらに、中学・高校の体育活動促進のため、日本には日本中学校体育連盟と全国高等学校体育連盟があり、全国・地区・県レベルでの総合及び種目別体育大会が開催されています。

スポーツのグローバル化、メディア化

—— 長官は、21歳の時にオリンピック金メダリストになられ、その後も多くの国際大会に出場され、引退後は世界オリンピアンズ協会理事に就任され、同時に日本水泳連盟の会長を最年少で務められました。ご自身のご経験から、スポーツを通じての国際交流についてはどうお考えですか。

鈴木 スポーツはグローバル化、メディア化されています。スポーツを平和と持続可能な発展促進の礎石として利用すべきです。

2014年にユネスコが「開発と平和のためのスポーツの国際デー」を制定したことからもわかるように、平和建設と持続可能な発展のために、国際社会にとってスポーツは重要です。スポーツは健康な生活と弾力性ある社会にとっても非常に重要であり、男女平等と若者のエンパワーメントにも大きな役割を果たしています。

政治家同士での対話が難しい状況でも、一般市民はスポーツを通じて交流することができます。私も選手として色々な国の様々な大会に行き、多くの選手やボランティアと交流したことで、自然に親近感が湧き、その国にも好感を抱きました。一人の人によってその国の印象が決まったり変化することもあります。ですから、草の根の交流こそが大事なのです。その点、私は幸運でした。

恵まれた中国の水泳選手の練習環境

—— 中日国交正常化前の1971年に名古屋で開催された第31回世界卓球選手権は、中国の「ピンポン外交」の舞台となり、小さなピンポン玉が世界を動かしたと言われました。一方、相撲は日本の代表的な伝統スポーツで、対外友好交流の「民間の使者」です。1973年には中日国交正常化を記念して日本相撲代表団が北京と上海で公演を行い、いずれも大盛況でした。これまで中国には何度行かれましたか。どんな印象をお持ちですか。

鈴木 中国こそスポーツ大国であるという印象です。国土は広く人材も豊富です。オリンピックにはおよそ30競技ありますが、そのすべてに適した選手がいるという印象です。小柄な体操選手もいれば、ロシア人にも負けないような体格の重量挙げの選手もいます。

中国には5、6回行きました。2008年の北京オリンピックには解説者として参加しました。80年代はまだあまり盛んではなかったようですが、90年代から強い水泳選手が出て来て、日本のライバルになったという感じです。それまでアジア大会の金メダルは日本人選手が独占していましたが、だんだん中国が台頭してきて、アジアで勝つのも大変な時代になってきました。

水泳飛び込みの陸上練習環境を見ても、スポンジを入れたプールが何十面もあって、選手は多人数で同時に練習ができるんです。日本では、なかなか多人数では練習できません。中国は人材も多く、施設も充実していて、選手の育成に力を入れているんだなと感じ、羨ましく思いました。

取材後記

新たに創設されたスポーツ庁は文部科学省の13階にあった。鈴木大地長官の事務室に入ると、氏は真心のこもった中国語で「こんにちは」と挨拶された。中国語を学ばれたことがあるのかと思いきや、中国人記者を迎えるために準備しておられたのだと後で知った。氏の母校は順天堂大学で、体育学学士、体育学研究科体育学修士修了後、2007年に医学博士を取得。2013年から順天堂大学教授に就任されている。そのためか、氏の理念と順天堂大学の教育理念は完全に一致している。ともに「不断前進」である。

 
  情報元:人民日報海外版日本月刊  
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