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編集長インタビュー
 
 
 
 
糖尿病腎症の悪化による透析を回避する最新治療
牧田 善二 糖尿病合併症専門医AGE牧田クリニック院長に聞く
2015/11/24 12:15:58  文/本誌記者 蒋豊
 
 

がんと糖尿病は中国人を脅かす二大疾病である。世界の糖尿病患者の3分の1が中国に集中し、糖尿病予備軍を入れればさらに衝撃的な数になるだろう。周知のように、糖尿病に完治はなく、命に係わる様々な合併症を引き起こすため、糖尿病よりも合併症が怖いと言われている。そのため東京・銀座にあるAGE牧田クリニックに、日本の糖尿病合併症治療の第一人者である牧田善二院長を訪ね、糖尿病の病理、合併症の治療法、医学界における糖尿病治療に関する多くの間違った認識等について話をうかがった。

 

糖尿病になりやすいアジア人

—— 欧米人と比較して、アジア人は糖尿病になりやすいと言われています。 『アメリカ医師会誌』(Journal of the American Medical Association)によると、中国の糖尿病患者はすでに1億1400万人に達し、世界の糖尿病患者数の3分の1を占めています。なぜ糖尿病はアジア人に多いのでしょうか。

牧田 医学界では、日本人、中国人などアジア人は糖尿病になりやすい人種と言われています。欧米人とは比較にならないほど糖尿病になりやすく、ものすごい勢いで増えているのは事実で、中国では1億人を超え、世界第1位、インドが第2位です。

その要因を特定するのは難しいのですが、既存の研究では、倹約遺伝子が関係しているのではないかと言われています。よく見られるのは2型糖尿病というものですが、糖質を摂りすぎて、太って膵臓が弱って糖尿病になる。私は著書を40冊出していますが、そのほとんどがダイエット本なんです。中でも一番売れているのは『糖質オフ!でやせるレシピ』です。

ダイエットと言うと、特に糖尿病の人は、お酒もお肉もだめなのかと考えがちですが、私の本にはそうは書いていません。反対にステーキを大いに食べなさいと推奨しています。

これまで、糖質制限とカロリー制限ではどちらが痩せるかという論争がありました。世界一権威ある医学雑誌である『ニューイングランドジャーナル・オブ・メディシン(The New England Journal of Medicine、NEJM)』には、糖質制限の方がより効果的に痩せられるという調査結果が出ています。

食習慣から見ても、中国人は餃子、ご飯、麺を好み、日本人は、うどん、そば、ご飯が好きです。共通して炭水化物を好んで食べますが、炭水化物に含まれる糖質はステーキより多いのです。

最近書いた本でも、はっきりと指摘しましたが、9割の日本人が慢性の糖質中毒で、これが肥満と糖尿病の最大原因になっています。自身の健康や次世代の人たちの健康のために、中国人も日本人も炭水化物の摂取量を減らす必要があります。

 

合併症抑制の鍵となるAGE検査

—— 「糖尿病よりも合併症が怖い」とよく言われます。急性の合併症は命にもかかわります。先生は糖尿病と合併症の専門医ですが、糖尿病合併症の最大の原因物質は何ですか。また、それを緩和・抑制する方法はありますか。

牧田 日本では、年間およそ3000人が糖尿病で失明し、およそ1万6000人が糖尿病の悪化によって人口透析を余儀なくされています。糖尿病の治療法は進歩していますが、この数字は残念ながらそれほど減少しておらず、私も心を痛めています。

糖尿病の合併症の最大の原因物質は、終末糖化産物(Advanced Glycation End Products、以下略称AGE)です。AGEは糖尿病の合併症を引き起こすだけでなく、アルツハイマー病、パーキンソン病、骨粗しょう症等とも関係があります。

また、AGEは老化の最大の原因と言われています。ですから、英語の「年齢」を模したネーミングになったということです。私が糖尿病治療の研究を始めたばかりの頃は、医学界ではまだまだAGEへの理解はありませんでした。私は2年間の実験を経て、血液と尿に含まれるAGEを測定する方法を発見し、1992年に『サイエンス』(Science)に発表すると、医学界から大きな反響があり、世界中の医療専門家から「一緒にやりませんか」と声がかかりました。

糖尿病の患者様には、できるだけ早くAGE検査を受けてもらい、合併症があるのかどうか、合併症がどのくらい進んでいるのかを知っていただきたいと思います。

 

 

糖尿病腎症悪化による透析を回避する事が可能になった

—— 一般的に、糖尿病患者は腎症合併症が悪化すると、定期的に透析を行わなければならず、もはや普通の人と同じように学んだり、仕事をすることができなくなります。先生は糖尿病合併症治療における日本の第一人者であり、「糖尿病合併症請負人」と称されていますが、透析をしないですむ腎臓病の治療法は本当にあるのですか。

牧田 現在、日本全国には4000人ほどの糖尿病合併症の専門医がいます。私もそのうちの一人ですが、私のところは恐らく他とは全く違うかもしれません。「ここに来てくれれば、絶対透析になることはありません!」と約束しているのです。

なぜ、そう断言できるのか。私は64歳ですが、合併症治療の経験は37年になります。医学部の博士課程で学んでいた時、糖尿病腎症を自身の研究テーマにしようと決めました。

この合併症は医学だけでなく、生化学(バイオケミストリー)の深い知識必要です。私は北海道大学で医学博士号を取得した後、アメリカ・ニューヨークのロックフェラー大学でも研究を行いました。

この大学は医学・生物学の分野で世界最多のノーベル賞受賞者を輩出している教育機関で、24名が受賞しています。さらに世界一の糖尿病合併症の研究室があり、日本で有名な野口英世博士もこの大学で研究しました。

私は、そこで研究した成果を、『サイエンス』(Science)や『ニューイングランドジャーナル・オブ・メディシン』というトップクラスのジャーナルに発表できるまでになりました。

1991年、私の所属していた研究室が糖尿病合併症の特効薬の研究開発に成功し、効果的にAGEの数値を下げることができました。ところが、後に副作用が発見されて生産には至りませんでした。

帰国後も研究を続け、ある日本の大手製薬メーカーの招請に応じて、糖尿病腎症の薬を共同で研究開発しました。この新薬で腎臓病の治療に成功したのですが、また副作用が見つかりダメになりました。新薬の開発というのは本当に難しいと痛感しました。

2000年に、すでにある血圧の薬の中で、「腎臓を画期的によくする薬」があるという研究論文が出ました。その薬を患者様に出したら、尿アルブミンの数値が正常値に下がったのです。

日本では毎年1万6000人が糖尿病腎症で透析を受けています。透析は一般的に週3回、一回に3時間かかり、苦痛を伴います。さらに不幸なことに、同じように透析を受けても、非糖尿病患者の場合は20年以上延命できますが、糖尿病腎症患者の5年延命率は60%以下です。にもかかわらず、中国を含めて、なぜあれだけ多くの患者が透析を受けているのか――。

それは、多くの病院で、最も重要な尿アルブミン検査を行っていないからです。アルブミンは血液中に最も多く含まれる蛋白で、通常、尿に大量に出ることはありません。しかし、腎臓が損傷するとアルブミンが次第に増えてきます。尿アルブミンの数値は18以下が正常、301以上になると糖尿病腎症が進んだかなり悪い状態です。(この数値が6000になると透析が必要)。5年前までは尿アルブミンの悪化を防ぐ事が出来なかったため多くの方が透析になりましたが今は阻止出来るのです。

中国も日本もアメリカも、薬はどこの国でも同じです。違うのは、医師の知識と経験です。専門知識に加えて、一定の英語力があればベストです。世界最新の情報と研究成果を手に入れることができるからです。また、糖尿病は生化学の分野ですので、医師はこの分野の十分な知識がなければ、的確な治療はできません。

糖尿病患者にとって最も大事なのは検査だということを再度強調したいと思います。糖尿病の初期段階でははっきりとした兆候が現れません。患者が具合が悪いと感じるのは、一般的に合併症がかなり進行してからです。

 

中国からの患者を歓迎

—— 国が豊かになるにつれ、日本を観光で訪れる中国人が増え、医療ツーリズムブームが起こっています。先ほど、糖尿病患者にとって一番重要なのは検査で、糖尿病腎症の患者は透析を受けなくても治療が可能とのことでしたが、これまで、中国人の患者を治療されたことはありますか。また、今後そうした計画はありますか。

牧田 以前、日本で働く日本語の堪能な中国人の患者様を治療したことがあります。当院では当面通訳を用意できませんので、中国人の患者様は通訳を伴っていただければ意思疎通ができますし、私も患者様の病状や治療の状況をより理解できると思います。通訳を伴う場合、当院での費用が高額となる事をご理解ください。日本人の患者様には、まず私の本を読んでいただいて予約をいただいています。、私はこれまでに、ダイエットや糖尿病治療に関する本を40冊以上出していますが、中国語に翻訳されたのは『糖尿病専門医に任せなさい』(中国名:『糖尿病就得这么治』)の1冊だけです。より多くの中国の糖尿病患者の皆様に私の本を読んで糖尿病と合併症について知っていただければ、自身の病気を治療する上で、助けになると思います。

 

エイジングケアの「AGEマスク」を開発

—— AGEの研究を通じて、エイジングケアのためのマスクを開発されたそうですね。どのような効果があるのですか。市販のフェイスマスクとどう違うのですか。

牧田 先ほどお話ししたように、AGEとは終末糖化産物のことです。糖は人間の生命維持活動には不可欠の物質ですが、過剰に摂取すると体内で変化を続け、最終的にAGEを形成します。

AGEが形成されるとコラーゲンの弾力性が失われ、血管は硬くなり断裂しやすくなります。肌にも張りがなくなり、しわやシミができます。酷くなるとこのシミは恐ろしい悪性の腫瘍に変わることもあります。

AGEが肌にできるのを抑えれば、しわやシミは確実に抑えられると、ロレアルの研究所が2008年にそういう論文を発表しています。日本のポーラの研究所も同様の研究結果を発表しています。

私のところで開発したマスクにはカルノシンという成分、ビルベリーという成分、椿の種子から抽出した有効成分等が豊富に含まれています。マスクの素材として、バイオセルロースという最新の繊維を使っていますが、これは皮膚の凹凸に密着し、保水性が高く、浸透性も高い、ゼリーのような感覚です。このマスクの効果については、ここで宣伝するまでもありませんが、私の妻の肌が証明しているかもしれません。

使用方法は簡単です。洗顔後直接パックをします。1週間に1回か2回、20分から30分です。効果は一般のフェイシャルマスクより遥かに良いです。美容品と言うよりむしろ医療品です。

 

取材後記

インタビューを終えて、恒例の揮毫をお願いすると、牧田院長は力強く「合併症を治す」と書かれた。この自信と確信!ご自身の37年に及ぶ研究と糖尿病合併症との闘いを簡潔明瞭に表現していると言えよう。事実は雄弁に勝る!

 
  情報元:人民日報海外版日本月刊  
 
 
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