× CLOSE
   
中国語 | 日本語 | お気に入り追加
検索  
 
日中綜合情報
 
 
 
 
「ネットバンキングは既存の金融機関に取って代わる」
楽天株式会社金融サービス開発部・袁飛、栾承澍両氏に聞く
2015/10/14 14:19:17  文/本紙記者 王鵬
 
 


楽天株式会社金融サービス開発部・袁飛(左)、栾承澍(右)

世界では今、まさにネットから生まれた連鎖的な産業革命が進行中だ。この革命では、アメリカや中国が巨大な経済規模と開拓した経済政策で世界の先頭を走り、グーグル、フェイブック、アマゾンなど新興ネット企業が世界をリードしている。

このICT(情報通信技術)が引っ張る産業革命は急速に日本社会をも変えており、産業構造と経営方式に大きな影響を与えている。今回は日本の電子商取引市場で最大のシェアを持つネットサービス企業の巨頭・楽天株式会社に注目した。

楽天株式会社は1997年に設立され、2000年にはジャスダック上場、2004年にはプロ野球チームを買収した。2011年楽天グルーブ全体の経済流通規模は1兆円を突破、2013年には楽天イーグルスがプロ野球日本一に輝き、同年東証一部に上場した。

現在、楽天グループは1億人を超えるユーザーを擁し、アクティブユーザーも1500万人以上いる。

2015年、楽天のインターネット金融業の展開は猛烈なスピードで進んでおり、アメリカ、台湾、EUで銀行ライセンスを取得、台湾では独立したクレジットカード会社を設立して業務を行っている。日本国内では、楽天はすでにネット銀行、楽天カード、楽天証券、電子マネーEdyなどの金融サービスをおこなっている。特に楽天カードは5年連続で日本での顧客満足度ナンバーワンのカードとなっており、1000万人近い会員を擁している。日本では平均6秒間に一人が楽天カードを申請している。

今回、楽天株式会社金融サービス開発部で楽天カードシステムサービスとオペレーション部門の重要な職にある二人の精鋭華人にインタビューすることができた。

袁飛氏は1979年中国・河北省生まれ、2001年に吉林大学計算機系を卒業し、2007年に富士ゼロックスグループに入社、2008年には徳島大学大学院で工学博士号を取得、2010年は楽天グループに入社した。袁飛氏は楽天での5年間で、グローバル開発環境推進室室長、グループ核心サービス部門マネージャーを歴任し、金融サービス開発部ではじめての外国籍マネージャーとなった。主に楽天カード申請業務、会員サービス業務のシステム設計、開発、運用を担当している。

栾承澍氏は1980年台湾生まれ、1994年にカナダに移民し、2002年にはブリティッシュコロンビア大学電機学部を卒業、2006年にはアメリカの南カリフォルニア大学で修士号取得、2007年ソニーに入社しグーグルとの提携やソニーのスマートフォンのアンドロイドのシステム構築を担当した。2015年1月に楽天に入社、金融サービス開発部の二人目の外国籍のマネージャーとなり、楽天カードのスマートフォンアプリ開発と運営、ビッグデータの分析と応用を担当している。また同時に楽天グループの戦略検討部門に着任、楽天を代表して、破壊力を持つ革新的新興企業と新しいネットサービスの提携ができないかを検討している。

 

インターネット産業革命で浪費をなくす

—— IT業界のベテランとして、インターネット革命とは結局どのような概念であると考えていらっしゃいますか。伝統的な産業革命とはどのような違いがありますか。

袁飛 ネット産業の核心はIT、つまり情報技術であり、インターネット革命とは本質的には技術革命でもあります。その枠組みは伝統産業のベースの上にあり、すべての不用な中間段階と流通過程を削除、あるいは大幅に改善し、大幅にコストを下げ、効率を上げ、新サービスの構築周期と改善周期をさらに短縮し、ユーザーが大きな利益を得られるようにしたものです。

産業革命とは新技術が古い技術に、新しい生産様式が古い生産様式に取って代わり、新しい思考と新しい企業協力関係が社会の産業構造を変え、社会の生産力を大幅に進歩させることを意味します。ですから、この過程のなかで多くの伝統産業と伝統的生産様式は淘汰されていきます。企業は時代とともに前進し、構造転換に取り組むべきなのです。 

—— インターネットそのものは実体のある製品を製造するものではありません。しかし、現在インターネットはなぜ伝統産業に比べて収益を上げているのでしょうか。

栾承澍 インターネットは簡単に新しいものを創造できますし、そのコストはかなり低く抑えられます。また、インターネットは既存のものを通して外に向けて拡大できます。以前、伝統産業では新しい製品を生み出すのに5年、10年かけていました。

袁飛 インターネットも実体のある商品を製造しています。映画、テレビドラマ、広告、ショートフィルム、書籍、雑誌など、私の見方ではそういったデジタルメディアはネット上では実体のある商品であり、形があり実質を持つデジタルファイルフォーマットで伝達、保存できます。伝統的な店舗の棚に並んではいませんが、ネット上のバーチャル陳列棚に置かれているのです。 

楽天のページはカスタマイズされている

—— インターネットの出現後は、どのようなモデルによって伝統産業をさらに発展、開拓しているのでしょうか。

栾承澍 データです。例えば、ユーザーが何をして、何を買っているのか、データによって分析すると、迅速にその人が何を好むかが分かります。これによって、カスタマイズされた体験が産出できます。例えば、以前は映画に行く、という体験は相対的には単一のものでした。というのは、映画制作サイドではデータを収集しきれていないため、観客が何を好むかは分からなかった。彼らは最終的な興行成績によってのみ、その映画の善し悪しを判断したのです。しかし、ネットのビッグデータを通じて撮影開始時に正確にユーザーの個人的な嗜好を見つけることができれば、最終的には人気映画を制作できます。現在、ユーザーがあるページを開いた時、一人一人目に入る画面が違うことすらあります。見ている画面は自分の嗜好とニーズに基づいたものであり、カスタマイズされた個別の画面なのです。

袁飛 もし楽天のユーザーであれば、他人と比較してみるとトップページを開いた時に上部に表示されている内容が違っていることが分かるでしょう。それは購入履歴、クリックの順序と回数など、データの分析によって必要な画面を推薦しているのです。これがビッグデータの一つの簡単な応用例です。

栾承澍 例えば私が若い時は遊び好きでしたから、楽天のページをクリックすると、現れるのはすべてCDや音楽でした。今は子どもがいますから、それがマンションやおむつなどに変わっています。 

—— それらのビッグデータの分析技術はプライバシーに抵触しませんか。それについてはどうバランスをとっていますか。

栾承澍 2点あると思います。一つは法律による拘束です。二番目は会社にモラルが求められるということです。現在、楽天やグーグルなどビックデータを利用することに成功している企業は、世界で最も優秀な技術者を招いてこれらのデータを保護し、顧客に安心していただいています。彼らも絶対にプライバシーの漏えいによって利益を得ようとはしないでしょう。失うものが大きすぎますから。 

楽天は偽物に補償

—— 楽天市場、アマゾン、タオバオは世界の三大ネットショッピングサイトです。同業者として、均質化競争に向かうことはありませんか。楽天市場とアマゾン、タオバオの差はどこにありますか。

袁飛 楽天とタオバオのビジネスモデルは似ていますが、アマゾンは違います。アマゾンは自社の在庫を持ち、自社の物流を持っており、実体経済の基礎の上に電子商取引を構築して発展したものですので、彼らの経営コストは高く、物流量も大きいのです。

タオバオと楽天はネットショップに経営空間を提供している「インターネット商店街」モデルです。

タオバオと楽天は均質化する趨勢にあります。そして両社は中国と日本でそれぞれ市場で最大のシェアを持っているということで、現在は同一市場での競争はありません。楽天は2010年に中国市場に進出しようとしましたが、成功のチャンスがないと見て一時撤退しています。

また、楽天のユーザーは個人商店ではなく、楽天市場に加盟しているすべてのショップは法人企業です。楽天はショップの売上高に応じる従量課金制を採用しており、楽天では専門の人員がすべてのショップの経営協力と監督をしています。これらの人員はECコンサルタントと呼ばれ、楽天グループ全体で1000人を超えるECコンサルタントが4万以上のショップの経営をサポートしています。もちろん、売上高が大きいショップほど楽天への貢献度も高くなりますので、受けるサポートも多くなります。

タオバオは少し違います。タオバオは当初個人商店に対しては毎月固定費用を徴収していました。業務量が増えるに従い、固定費用型モデルへの投資がますます増え、利益が追いつかなくなり、長年赤字経営が続いていたのです。アリババは別に「天猫」を開始し、2008年から2012年の4年間で楽天と同様の従量課金制を採用し、売上高に応じた費用徴収方式を構築しました。楽天に遅れること10年でした。

タオバオの最大の試みは支付宝(アリペイ)だと思います。アリペイは信用システムがまだ成熟していない社会と市場で電子商取引を展開する際の問題をうまく解決しました。

—— タオバオは成長しましたが、最近は「偽物」問題も出て、消費者の利益と会社の信用を傷つけました。楽天は偽物排除にどのような対策を採っていますか。

栾承澍 楽天は創業時に「消費者の利益を保護し、絶対に消費者に損をさせるようなことはしない」という信用ブランドを立ち上げました。楽天はこの信条に依って成長し、消費者の信頼を勝ち取りました。日本では、楽天は提携するに値するパートナーです。ですから、創業の際の会社の価値観は非常に重要だといえます。

—— もし消費者が楽天で偽物を買ってしまったら、どのように対処していますか。消費者に対する補償がありますか、また誰が補償するのでしょうか。

袁飛 消費者がもし楽天で偽物を購入してしまったら、直接楽天に連絡していただきます。楽天はいったん確認してから、すぐに補償します。まずは消費者に賠償してからショップを見つけて懲罰をおこないますが、最終的にはショップにそのコストを負担してもらいます。しかし、消費者はいちいちショップと交渉する必要はなく、楽天が直接消費者に賠償します。

これはまず日本の法律の枠組みに基づくものであり、また楽天の基本理念に基づくものでもあります。さらに、楽天のような会社が現在のように大きくなったのは、ネットバンキングなどひとつの生存圏を作り出したからです。楽天は偽物によってその生存圏全体を破壊されることを絶対に許しません。

金融事業はネット企業の稼ぎ頭

—— 現在、ネット金融が特に注目されています。アリババの大部分の収益は実際はアリペイや余額宝(アリババのオンラインMMF)など金融業務によって上げられたものです。楽天の金融商品の展開プランと到達予定の収益モデルはどのようなものでしょうか。

袁飛 個人的な見解ですが、世界で最も金が稼げる業界は金融業であり、それは永遠に変わりません。一つの経済体の規模が大きくなれば、金融の分野に参入すべきです。もし自分でやらず他人の金融機関を使えば手数料などがコストになりますが、自分でやるのなら、手数料は利益になります。

ですから、楽天は10年前に金融業務の構築を開始しました。当時はこの部分で利益は上がりませんでしたが、楽天はクレジットカード会社を買収し、銀行を買収し、続けて保険会社、証券会社を買収してシステムを構築し、基本的には一体化しました。現在、楽天グループの金融業務部門の利潤は電子商取引とほぼ同じになりました。クレジットカード、電子マネーとオンライン決済が現金授受に取って代わるのは必然の趨勢です。

中国社会の信用システムもまた必然的に迅速に形成されるでしょう。われわれはこの業界の核心的業務のなかで、電子商取引とネット金融とが互いに促進し合うという生存系システムと利益モデルをよく理解しています。電子商取引とネット金融は生まれついてのペアであり、実力を持つ電子商取引企業がこの領域を放っておくはずはありません。アリババは2、3年のうちに中国で銀行のライセンスを申請し、クレジットカード業務も行うことを私は確信しています。 

—— ネット金融は既存の金融業を比べるとどんな点が有利でしょうか。

栾承澍 まず、便利で早く、効率が高いことです。既存の銀行の手続きや審査には一連の手続きが必要ですが、ネット金融ではネット上で電子認証をするだけです。

また、コストの節約のため、ネット金融は既存の銀行よりさらに優待があります。例えば楽天にも住宅ローンがありますが、銀行より利率が低いだけではなく、楽天銀行でローンを借りると大量の楽天ポイントが得られ、そのポイントでネットショッピングができますから、ユーザーの利益も大きいのです。理性的な消費者であればみなコストパフォーマンスの良いネット金融企業を選択するでしょう。

ですから、今後の発展傾向から見てネット金融は既存の銀行に取って代わり、全世界でさらに有効な、さらにスピーディーな金融モデルと秩序を形成するでしょう。その流れはもう食い止められません。保守的な人たちは多くの財力と力がありますが、一時的に阻止できるだけでしょう。自ら起業しようとする人たちはデータを利用してその趨勢を理解するだけで、大きな成功を収めることができるでしょう。 

若者は不満を抱かずに自分を高めよう

—— 若者のエリートの一人として、今の若者に何かアドバイスはありますか。

袁飛 東京では、さまざまなライフスタイルが選ぶことができ、自分の価値観を守り、自分をパーフェクトに保つことができます。ですから東京はこんなに発展し繁栄しているのでしょう。

私たち二人が管轄している部署には100人以上が所属しており、平均年齢は30歳以下で10数カ国から来ていて仕事では英語を使っています。生活では各自が母語を使っていますが、みなとても仲良くやっています。お互いに尊重し許容することは大切だと思います。

インターネットの急速な発展により、全世界の文化の障壁はどんどん低くなっており、人びとが受け取る情報、感じられる体験など共有できるものがますます接近しています。

しかし、私たち若者にとって生活はネット上だけのものではありません。チャンスがあれば外に出て、自分の足で歩いて自分の国の自然を見て、世界を見て、目で見て感じ、全身で人と触れ合い、友達と付き合い、生活経験によって自分自身を充実させ、自分自身を優れた人間へと変身させるべきです。

個人の成功と幸せな生活は、実は外界の環境とあまり関係ありません。社会の発展のどの段階でも、どの国でも、自分を正確に評価し、学んで向上し、おそれず不満を抱かず、自分の心身をさらに強くし続ければ、みな幸せになれると思います。

栾承澍 私が一番若い人に言いたいことは、人生は短い、だから人生全体を内容豊かにしていくべきだということです。自分が人生最後の時には、振り返って自分がしたことに納得でき、人類に顔向けでき、家族に顔向けできると思えなければなりません。では、どうすればもっと充実した人生を送れるでしょうか。まず、失敗をおそれないこと。特に若い時には、倒れたらまた立ち上がればいいのであって、もしその場所で立ち上がれなければ、別の場所で試してみればいいのです。

二番目は、自分の信念を貫くこと。アメリカのシリコンバレーで成功した人たちと付き合いましたが、彼らにはそれぞれのサクセスストーリーがありました。でも私は彼らの話を聞いて、ある似た話に気づいたのです。それは新しいアイディアがあって10人の人に聞いてみると、2人しかそのアイディアをほめてくれなかったが、その他の8人はバカに違いない、そのアイディアは絶対に素晴らしいんだと信じていたということです。

三つ目は、若者は現状に甘んじてはならないということです。もし現状に満足していて次のことを考える必要がなくても、環境は変化し続けるものですから、もし成長せず、外界の潮流を見なければ、自分より優秀で聡明で流れを分かっている人に淘汰されてしまいます。そこで安定させたいと思ったがためにその安定した生活が最終的に不安定なものになってしまうのです。

私は30歳の時からムエタイ(タイ式キックボクシング)を始めました。その後あちこち骨折し、鼻も一度曲がってしまいました。周りの人は、なぜそんなに苦しいことをやるのかと言いましたが、私にとってはそれが成長なのです。ムエタイをしている時には一秒以内にさまざまな判断を下して動かなければなりません。いったん失敗すれば打たれます。これは身体上ではなく心理的な成長なのです。て

私の子どもは28週で生まれ、わずか1600グラムしかありませんでした。さらに各種の病原菌に感染しており、心臓に手術をし、脳内にも出血し、下肢の血流も塞がっていて、手術をした時に小腸も破裂しました。しかし、彼は強く生き続け、現在まで健康に成長しています。私は彼から多くのことを学びました。小さくて何も分からないのに、生きたいという欲望はあれほど強いのです。私たちはなぜ不満を抱く必要があるのでしょうか。生命を愛し、生活を愛せば、自分も楽しく成長できるのです。

 
  情報元:日本新华侨报  
学校 IT 不動産業 飲食業 旅行業 法務·行政 金融
運輸業 通信業 人材派遣紹介 医療·健康 建設業 娯楽業 その他業種
 リンク集: 新华网中国网新浪网光明网大公网文新传媒侨报网欧浪网欧洲华人在线
 
会社紹介 | 事業紹介 | 広告サービス | 印刷サービス | 『人民日報海外版日本月刊』購読申込 | お問い合わせ | 情報守秘義務 | 著作権と免責事項
 
 
(株)日本新華僑通信社
 
住所:171-0021 東京都豊島区西池袋5-17-12 創業新幹線ビル4F
電話:代表 03-3980-6635 編集部 03-3980-6641 営業部 03-3980-6695
Copyright © 2004 JNOC, All Rights Reserved