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編集長インタビュー
 
 
 
 
東京で下肢静脈瘤の治療をしながら、観光・ショッピング
阿保 義久 北青山Dクリニック院長に聞く
2015/06/22 16:55:15  文/本誌記者 蒋豊
 
 

静脈は人体にあまねくはり巡らされており、妊娠や長時間の立ち仕事、遺伝的要因などにより、よく見られる症例が下肢静脈瘤である。下肢静脈が拡張、湾曲すると、見た目にも、まるで何匹ものミミズが脚の上を這っているようで、血液の滞留によって痛みや痒みを引き起こす。中国では一般的に静脈切除の外科手術を行い、術後は最短でも1~2週間の入院が必要である。日本の北青山Dクリニックでは、最先端のレーザー治療により日帰り手術を可能にしている。一度の治療に要する時間はわずか10~30分で、患者の日常生活にもまったく支障がない。治療とショッピングと観光が同時にできると、中国でも一定の評価を得ている。先ごろ、東京の「買い物天国」渋谷に、北青山Dクリニックの阿保義久院長を訪ねた。

 

早稲田と東大に学んだ「学覇」

―― 先生は早稲田大学理工学部と東京大学医学部で学ばれています。最近中国でよく使われる典型的な「学覇」です。東京大学医学部付属病院にいらした頃は、ほとんどすべての外科手術をされ、虎ノ門病院では麻酔科医として200症例以上を担当され、三楽病院での三年間は消化器系及び血管の外科手術も手掛けられ、若手有望株と称されました。医者を目指したきっかけは何ですか。また、なぜクリニックを開業しようと思われたのですか。

阿保 学生の頃は理系の教科が得意でした。スポーツも結構やっていて、バスケットボールの選手でした。実は、当時は職業に対して確固たる目標はなく、将来的にスポーツをやっていこうと思ったこともありました。

そうした中、仕事やアルバイトをしながら、職業を決めるのには3つの条件があるのではないかと次第に考えるようになりました。それは、まず、自分の好きなことということです。好きであれば意欲が湧き、全力投球できます。2つ目は、食べていけるかどうかということです。安定した収入がなければ社会ではやっていけません。3つ目は、人々や社会に利を成し、周りからも認知されているかどうかということです。そうして悩んだ結果、20歳の頃に医者になろうと決めました。

早稲田大学の学生時代、東京大学医学部の模擬試験を受けたところ、アルバイトで塾の講師や予備校の教師をしていたおかげか、模擬試験の結果が意外と良かったので、一念発起し、再受験して東京大学に進みました。

東大医学部卒業後も恩師や先輩方の勧めもあり、大学に残ってしばらく講師を務めました。恵まれた環境のもとで手術の機会も多く与えていただき、豊富な経験と知識を積ませてもらえたことに、先輩の先生方には今でも感謝しています。クリニックを開業したのは、自分のこれまでの外科の経験を活かして、患者様や社会に還元していきたいと思ったからです。

 

患者が主役で医師は脇役

―― 下肢静脈瘤は妊娠などの原因により、女性に多く見られる症状です。人の眼を気にして短いスカートが穿けない、温泉に入れないという女性も多いようです。この分野のエキスパートとして、患者に診療方針を説明する際、一番心掛けていることは何ですか。

阿保 医療を行う中で、主役は患者様であり医師は脇役だと思っています。患者様が、やろうとしている医療の意味を理解できなければ、治療はうまくいきません。医師として一番心掛けているのは、患者様にフォーカスするということです。その人の立場に立ってその苦しみを理解するということです。

 日帰り手術を実現

―― 北青山Dクリニックの「D」は、クリニックの3つの特徴を表現しているそうですが、具体的に教えていただけますか。

阿保 3つの「D」とは、日帰り手術(Day Surgery)、予防医療(Daily Healthcare)、アンチエイジング(Dermatology)を指します。開業する上で、大規模なチーム医療はすぐにはできませんが、逆に、各分野の先端医療の専門医を結集しやすいのです。これは患者様にとってもメリットが非常に大きいと思います。大病院で予約したり待ったりしなくても、当クリニックで最先端医療を受けることができます。

また、当クリニックでは日帰り手術だけでなく、予防医療にも力を入れています。症状が現れていなくても重大な疾病が隠れている場合がありますので、動脈硬化検査や心血管検査、乳腺検査、認知障害検査なども行っています。さらに、最先端の遺伝子検査があります。遺伝子検査によって将来罹患する可能性のある疾病を知ることができます。

身体的にも精神的にも健康であって初めて、質の高い生活が保障されます。当クリニックでは、ホルモン補充療法、抗酸化療法、脳機能回復療法、ボトックス・ヒアルロン酸注入も行っています。

 

患者の皆様に美と健康を

―― 下肢静脈の拡張・湾曲、下肢静脈瘤の分野で日帰り手術を初めて実現したのは先生ですね。日本ではどのくらいの病院で日帰り手術を行っていますか。

阿保 下肢静脈瘤治療では、壊れた血管を切除する外科手術が根治療法となります。一般的には脊椎麻酔、下半身麻酔、全身麻酔を行うため、1~2週間の入院が必要で、患者様の日常生活に支障をきたします。

アメリカでは、多くの外科手術で日帰り手術を可能にしていますが、決してアメリカの医療水準が日本を凌いでいるわけではありません。日本の方が術後のケアや健康管理は細かく行き届いていると思っています。

近年、レーザー治療が選択肢に入り、患者様の治癒を助けらないかと考えました。有効な治療を行いながら患者様の不自由を軽減するため、麻酔や手術法を工夫して、1時間かかっていた手術を20分に短縮しました。

手術の成果を上げつつ、手術直後の歩行も可能にしました。患者様にとっては朗報です。この手術法は同業の先生方にも受け入れられました。今では口コミで広がり、日本各地や海外からも多くの患者様が訪れ、日帰り手術を希望されています。

クリニックを開業してから今日までに、下肢静脈瘤に悩む患者様の脚を10,000肢以上、レーザー手術による日帰り手術で治療してきました。

下肢静脈瘤は命に係わる病気ではありませんが、生活の質と楽しみを低下させます。ある患者様が手術を終えて興奮気味に話してくださいました。20年間苦しんできたがやっと解放されたと―。

 

治療とショッピングと観光を同時に

―― 2013年から、訪日中国人観光客の数は爆発的に増えています。中国経済の発展に伴い、今後、医療ツーリズムで来日する中国人も増えると思います。貴クリニックは渋谷に位置し、絶好のロケーションです。加えて日帰り手術ができるとなれば、中国人旅行者としては、観光・ショッピングをしながら治療ができます。中国人患者の受診状況はどうなっていますか。

阿保 これまですでに、多くの中国人の患者様を治療してきました。紹介で来院される方が多いですね。下肢静脈瘤には遺伝的要因がありますので、連続して何人かの王さんという方を治療したことがあります。後で、ご家族だとわかりました。中国人の患者様は大体、まずご自分が当クリニックで治療を受け、効率が良く速くて安全だと解ると、身内の方やご友人を連れてこられます。

レーザー手術にかかる時間は10~30分で、事前に予約していただき、スムーズにいけば、クリニックでの滞在時間はわずか2~3時間です。術後は圧迫するための医療用の弾性ストッキングを穿いていただきますが、そのままショッピングや観光に出掛けていただいて結構です。通訳の方が同行して注意事項等を伝えてくださりさえすれば、まったく問題ありません。私の手術法と治療法を中国の患者様に受け入れていただいて、嬉しい限りです。

 

常に最先端医療の最前線を

―― 先生は下肢静脈瘤治療の分野で日帰り手術を実現された先駆者であり、テレビや雑誌にも度々紹介されており、まさに貴クリニックは最先端医療の代名詞になっています。今後の抱負についてお聞きかせください。

阿保 率直申し上げて、クリニックを大きくしようとは思っていません。医療機関は大きくなればシステム上の弊害などが出てきます。今は医療技術も治療法も日進月歩です。それに乗り遅れないように、そして、他国に遅れをとらないように心がけ、当クリニックが世界の医療技術の発展・進歩をリードしていけるよう頑張りたいと思っています。

また、青島医科大学の遺伝子治療チームと間接的にコンタクトがあり、共同でガンの遺伝子治療の研究をしています。この最新療法は南カリフォルニア大学の中国人医師が発案されたもので、まだ試行錯誤の段階です。ガンは世界でも死亡原因第一位の、治癒の難しい病気です。この分野で突破口を開き、ガン治療に少しでも貢献したいと思っています。

 

取材後記

「男子志を立てて郷関を出ず、学名を成さずんば誓って還らず、骨を埋むるに何ぞ桑梓の地のみならんや、人間青山ならざる処無し」。これは、毛沢東が故郷の韶山を旅立つ際に父親に贈った詩であるが、私を含め現代中国人への励ましの詩でもある。この詩が、「維新三傑」の一人―西郷隆盛が詠んだ詩を改めたものであることを知る人は少ない。この詩に触れるのは、この日取材した若く有能な阿保義久医師が、「人間到る処青山在り」と揮毫してくださったからである。栄枯盛衰は世の習いであるが、精進を続ける人には極まるところがない。医療の進歩を常に追求しリードする人の歩む道は広大で長い。阿保医師が青山の頂に少しでも早く立たれることを願いたい。なぜなら、その青山は多くの患者にとっての福音と希望であるからだ。

 
  情報元:人民日報海外版日本月刊  
 
 
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