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編集長インタビュー
 
 
 
 
「戦争はゲームの中に閉じ込められるべきだ」
板垣 伴信 株式会社ヴァルハラゲームスタジオ代表取締役CTOに聞く
2015/05/21 13:01:06  文/本誌記者 蒋豊
 
 

ロックスターかカメラマンのようなゲームクリエーター――板垣伴信の名は中国の80年代、90年代生まれの若い世代によく知られている。彼が制作したゲーム『デッドオアアライブ』はすでにゲーマーにとってレジェンドとなっている。板垣氏はいつもサングラス、ロングヘアーで完璧なロックスターのスタイルで、ゲーム製作者であると同時に趣味のカメラの腕もプロの域に達している。先日、名高いゲーム制作会社「ヴァルハラ」を訪問し、板垣氏に取材を行った。氏はクールな外見の下に隠された豊かな感情をものぞかせ、「日中文化はお互いに影響し合っており、たとえ言葉が通じなくても筆談ができます。これは本当に幸運で素晴らしいことだと思います。ゲームは現代社会の産物ですが、私はそのなかに多くの中国の先人たちの知恵を融合させています。私たちはさらに多くの中国ゲーム界の同業者たちと提携したいと考えています」と話した。

 生活の中の感動を分かち合う

―― 中国の熱烈なゲームファンにとって板垣さんはゲームの天才であり、ゲームの鬼でもあります。ゲームを開発する際のインスピレーションはどこから得ていますか。中国のファンに一番伝えたいことは何ですか。

板垣 皆さんは私のファンでもあり、また私の友人でもあり、皆さんとの間には語り尽くせない話がありますが、一番伝えたいことは、生活のなかでたくさんのことに感動して、それを伝えてほしいということです。一人で楽しむよりみんなで分かち合うほうがいい。

というのは、私はインスピレーションを生活の中の感動から得ているからです。私は小さい頃大自然のなかで育ち、山や川で遊んでいました。大きくなってからは読書や映画が私の心のなかで感動の泉となりました。生活のなかの感動を発見し分かち合いさえすれば、インスピレーションが枯渇することはありません。

私はゲームと写真を通して表現し、感動を伝えており、多くのゲームファンもゲームによって感動を受けるのです。ゲームは人と人を感動でつなげ、伝達していくことができます。

 全力で取り組んだ「デッドオアアライブ」

―― 社会人になったばかりの頃、背水の陣で制作したのが、かの有名な『デッドオアアライブ』だったそうですが、その経緯についてお聞かせください。

板垣 私は24歳で社会人になりました。その頃日本はバブル崩壊後で、日本全体が暗くなっており、私が勤めていた会社を含めて社会全体が自信を失っていて、皆折々に恨みやため息を漏らしていました。

私はその時、この流れに乗って消極的な気持ちに染まってしまったら、社会に貢献するどころか自分の生活、家族さえも守れないと強く思いました。社会全体が意気消沈している環境で、私は積極的な姿勢を保っていました。プレッシャーを感じると同時に、勝負の場に立つことができることはとても幸せなことでした。成功しなければ会社を辞める決心でゲーム制作に集中し、「デッドオアアライブ」が完成しました。生きるか死ぬかにかかわらず、必ずやり遂げるという気持ちで制作したのです。

 文明が発達するほどゲームが求められる

―― ゲーム制作者として一番影響を受けた人物は誰ですか。

板垣 私には心に刻んでいる言葉があります。それは会社の創業者の言葉です。「世の中にはさまざまな産業があるが、君の仕事は世の中になくてもいいものだ。ゲームは人が生きるために必ず必要なものとは言い難い。しかし、精神文化が発達した、娯楽を楽しむ豊かな社会では必ず必要とされる。今後、世界が豊かになり、あるレベルに達した時には地球規模で、ゲームで遊ぶ人たちが増えてくるだろう。その日を信じてゲームをつくろうじゃないか」と。

また、影響を受けた人物は「宇宙戦艦ヤマト」「銀河鉄道999」「キャプテンハ―ロック」で有名な松本零士先生です。松本先生は漫画、アニメーション、映画界の神様です。実は今、弟子入りしているのですが、先生曰く、「一番守らねばならないことは礼儀だ。もしある国に行って、そこでの文化ではお墓参りの時に裸足になるのなら、そこで参列する時に『外国の方は脱がなくて結構です』と言われても脱ぎなさい。まずは相手の文化を受け入れる努力をするべきだ。そうしなければその国の文化はわからないものだ」と。

現在、世界には約200の国・地域があります。国によって価値観が違うけれども、同じ人間である以上、喜びや悲しみは普遍的であり、大切にするものは肌の色や言葉が多少違ってもほぼ共通だと思うのです。

 中国の同業者との提携に期待

―― 2013年は中国の「ゲーム元年」で、翌14年は中国の「ゲームブレーク年」と言われています。昨年の中国のゲームユーザー数は5億1700万人、ゲーム市場の売上総額は1000億元(約1兆9000億円)となり、世界の予想をはるかに超えました。中国のモバイルゲーム市場をどうご覧になっていますか。ヴァルハラの今後の戦略はどのようなものですか。

板垣 ゲームはいつも革新していかなければならず、同じようなものは意味がありません。今「デビルズサード」というゲームをつくっています。これまでのゲームと違い、戦いだけではなく、外交・条約締結といった現実世界での戦争をゲームの中に押し込めています。世界は平和を求めています。私は仲間と「戦争はゲームの中に閉じ込められるべきだ」という運動をやっています。まもなく家庭用ゲーム「Wii U」のゲームソフトを発売しますが、モバイルゲームなども今後開発していきます。

中国ではゲームマーケットが非常に大きく、社交場として使われている側面が強く、遊ばれ方に多様性があります。中国は多種多様な文化の国ですから、私たちは多くの中国の同業者と提携して必ず成功を収めたいと願っています。

 中国の先人の知恵をゲームに生かす

―― 中国人にどのような印象を持たれていますか。

板垣 中国には10回以上行っており、100人を超える同業の方たちと交流しています。私が知り合った中国人は豪快な方が多く、麻雀をやりながら白酒を朝から夜まで一緒に飲んで、ビジネスが成功したら一週間飲み続けようと約束させられたりしています。表面的にはとても剛毅な方が多いですが、一見穏やかな方がものすごいパワーを秘めていたりして、とても興味深いです。

中国は広く、民族も多く、一人一人がそれぞれ特色を持っていますので、「中国人」という言葉でひとくくりにするのは乱暴であり、失礼だと思っています。

日本と中国の共通点は漢字文化です。中国は日本に漢字を教えてくれた先生ですし、この2000年間宗教・神話など中国と日本は融合し続けてきました。お互いの中にお互いがあるのです。悠久の交流の歴史を持っていますから、私は中国と中国人に対して非常に親近感を持っています。言葉が通じなくても筆談できますからとてもありがたい事です。ゲームは現代社会の産物ですが、私はそのなかに先人の知恵を融合させて、「温故知新」を表しています。

 取材後記

まぶしいほどにクール、というのがゲームクリエーターの板垣氏が醸し出すイメージだ。しかし今回の取材を通して、その文化的なうんちくと幼子の心を持つ天才、鬼才という内面を見た。板垣氏は色紙に中国の思想家である荘子の「無用之用」と揮毫してくれ、こう言った。「この四文字が私を救ってくれました」。写真/本誌記者 張桐

 
  情報元:人民日報海外版日本月刊  
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