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〈新連載〉
研究の回顧と展望①
加藤 祐三 前都留文科大学長
2014/03/26 10:17:26  文/加藤 祐三
 
 

大学教員の仕事は教育・研究・社会貢献・学務の4つあると、しばしば述べてきた。そのうち「教育」に関しては学長ブログ「大学で教えて半世紀」(2014年1月25日掲載)に、また「学務」の延長上に出会った「難題」に関しては学長ブログ「大学で直面した難題」(2014年2月6日掲載)に書いたばかりである。次は「研究」である。

次代への「知の継承」である「教育」を支えるのが「研究」すなわち「知の創造」である。研究なくして大学教育はない。約780校ある日本の大学(短大を入れて約1200校)には、人文科学・社会科学・自然科学の全分野にわたる研究がある。もちろん個々の大学が全分野の研究を行っているわけではない。

私の研究分野は人文科学のなかの史学、その東洋史、時代別では近代史に属す。これは図書の十進分類法等の便宜上の分類であり、グローバル化の開始が近代であるため、拙著の多くが国別・地域別の枠には収まりきらない。歴史(history)は高度な物語(hi-story)と考える私は、出典等を明示する論文はもとより、読みやすい単行本の執筆にも力を注いできた。

史学界の雑誌には「回顧と展望」欄が必ずある。過去の研究を踏まえて次の研究計画をたてるのは、どの分野でも同じだと思うが、時間軸を大切にする歴史研究者はとくに気にとめる。学長を退任後、取り戻せるであろう研究時間を想定し、研究の回顧と展望をまとめたいと思っていた。

そこに偶然、蒋豊という昔の教え子の中国人ジャーナリストが連絡してきた。1年前の学長ブログ「20年ぶりの再会」(2013年1月31日掲載)に書いた人物である。彼は北京師範大学で歴史(明代史)を学んだ逸材で、1990年から92年までの2年間、私の前任校の横浜市立大学に研究生として在学した。

1990年6月頃だったか、彼が拙著『イギリスとアジア』(岩波新書、1980年)を手に、「これを中国語に訳出したい」と言ってきた。本にはぎっしり付箋がついている。その2週間後、発売直後の中文ワープロで打った訳文を示し「もう半分ほど訳出、いま推敲中です」と。一読して彼の中国語の風格とリズムにうなった。日本語の読解力も高い。これが蒋豊訳『19世紀的英国和亜州』(『加藤祐三史学選之一』中国社会科学出版社 1991年)である。23年前になる。

2014年が明けて数日前、彼と神田神保町の学士会館で会った。以前、訳文の点検のため頻繁に使った思い出の場所である。今度は、「先生の昔の訳書を東方出版社(北京)から出したい」と言う。さらに最近の彼自身の編著『万条微博説民国』(東方出版社 2013年12月刊 247ページ)をくれた。

『イギリスとアジア』は、「19世紀東アジアにおけるイギリスの役割」をテーマとした、文部省助成の在外研究(1977~78年)の成果の一部である。イギリス国内を旅し、図書館・文書館・博物館を使い、先行研究、史料収集、同僚たちとの研究交流等を通じて、着想を形にしていった。この過程の一部は本書に書いたが、改めて本書の狙いと、その後の展開について述べたい。

留文科大学学長ブログより抜粋

加藤 祐三

<Profile>

三渓園園長(横浜)、前都留文科大学長(2010-2014年)、元横浜市立大学長(1998-2002年)。1936年(昭和11)年東京生まれ。東京大学大学院人文科学研究科東洋史学専攻博士課程中退。専門は歴史学(アジア史、文明史、文化史)。『現代中国を見る眼』(1981年、講談社現代新書)、『東アジアの近代』(1985年、講談社)、幕末外交と開国』(2012年、講談社学術文庫)など著書多数。

 
  情報元:人民日報海外版日本月刊  
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