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編集長インタビュー
 
 
 
 
日中は「戦わずして勝つ」戦略目標を樹立すべき
浜田 和幸 参議院議員に聞く
2/26/2014 10:07:25 AM  文/蒋豊
 
 

旧歴の大晦日である2014年1月30日、前外務大臣政務官の浜田和幸参議院議員を訪ねた。未来研究の第一人者として、また国際政治経済学者として、著作は50冊以上あり、その言論は日本の政界のみならず、国際社会でも一定の影響力をもっている。取材の冒頭、浜田氏は語った。「先日、東京中国文化センターで開催された『象外之意——中国優秀画家特別展』のオープニングセレモニーに参加し、10名の中国の若手芸術家とお会いしました。政治的に両国間には波風が立っています。やはり、こうした民間の文化交流が大事です。悠久の歴史から見て、長い視野で物事を捉え共通点を探っていかなければ、日中だけでなく、アジア・世界にとってマイナスです。ですから、メディアの方々が両国の架け橋として果たす使命と役割は重要だと思います」。

 

 

日中に摩擦が生じて

潤うのはアメリカだけ

―― 現在、中日関係は大変な緊張関係にあります。日本のメディアは1972年の国交正常化以来最悪の状態と報じています。一部で、中日間の軍事摩擦が起こるのではないかとの報道もありますが、どのように見ていますか。

浜田 現在、日本と中国は経済、環境やエネルギーにおいても、相互依存し影響し合っています。世界第二の経済大国に躍り出た中国と第三位の日本が軍事的な衝突などといった道を歩むことはあってはなりません。

しかし、日中間に軍事摩擦が起きる可能性がゼロとは言い切れません。欧米や日本の一部メディアあるいは特定の団体が、日中の軍事衝突を煽っています。

それによって誰が得をしているのかを考えなければいけません。彼らのミスリーディングな報道によって、日中両国は軍事力を備えるのです。アメリカ最大の産業は軍事産業です。今、アメリカは軍事戦略的にヨーロッパや中東方面からアジア太平洋方面にシフトしています。軍事力の5~6割をアジア太平洋地域に転換しています。それは、アジア太平洋地域が、経済的に成長が期待できる場所だからです。そういう観点から、日本に様々な軍事技術を提供してアメリカ経済が潤う仕組みができています。

今の日中関係は決して望ましい状態ではありませんが、日本と中国は貿易の最大の相手国であり、毎年多くの留学生や実習生が往来し学び合っています。しかも3000年を越える長い歴史の上に中国と日本の関係はあります。そのことに目を向けないで、小さな島の資源が誰のものかと争っているようでは発想が小さすぎます。

両国政府は未来を見据えた信頼関係を構築し、力を合わせて、いかに地球環境を良くし住みやすくしていけるかを考えるべきです。今一番大事なことは、ただ対話のドアは開けてありますよと言うだけでなく、お互いに一歩踏み出して流れを変えていく勇気です。両国政府は正しく現状を認識し、戦争をして誰が得をするのか冷静に考えるべきです。

 

日米中三カ国の

戦略的な対話の場を

―― 中日関係を二国間だけでなく、日米中という三カ国間の関係で見ますと、近年のぎくしゃくした中日関係の背景には何かアメリカの作用があるのでしょうか。

浜田 今もアメリカは世界最強の政治・軍事大国です。しかし、アメリカのビジネスモデルは次々と破綻しています。

アメリカに次ぐ超大国は間違いなく中国です。およそ400年前に「中国は眠れる獅子である。一旦目覚めれば世界は震かんするだろう」とナポレオンが予言したことが、まさに現実のものとなりつつあります。

これまで、人口14億ともいわれる大国を運営した経験を持った国は世界のどこにもないのです。ですから、日本もアメリカも自分たちの経験だけで対処しようとしても理解できないのです。理解できないものは「脅威」と感じるのです。

そういう見方に陥ってしまってはいけません。小さな小競り合いが大きな紛争・戦争に発展する可能性があるのです。そういうことにならないように、日米中三カ国間の戦略的な対話の場をつくっていかなければなりません。

 

日中は「戦わずして勝つ」

戦略目標を樹立すべき

―― 今年は1984年の日清戦争勃発から120周年です。あの戦争は東アジアの秩序を変えた重大事件でした。日清戦争をどのように見ていますか。あの戦争から学ぶべき点は何でしょうか。

浜田 過去の教訓から学ぶことが大事です。過去と現在では情報量や情報収集ツールが大きく異なります。人類の歴史を振り返れば、対立、紛争、戦争がなかった年は1年もなかったと言えるでしょう。根本の原因は何かと考えると、お互いが理解していないという疑心暗鬼から起こっています。

現在は、容易に多くの情報を得られるようになりました。今求められているのは、過去とある程度決別して、未来の時点から今を考えるという発想です。これから10年後、20年後、100年後、120年後の中国と日本の関係が120年前と同じで良いわけではありません。理想のあるべき未来を実現するために、今、お互いに知恵を出し合い、「戦わずして勝つ」という『孫子の兵法』に立たなければなりません。

 

安倍総理は自信を持って

隣国と向き合うべき

―― 安倍総理は、靖国神社参拝に固執し、「平和憲法」改正にこだわり、『特定秘密保護法』を強行採決したりと、国際社会では“右傾化”していると見られています。安倍政権は長期安定化すると思いますか。また、安倍政権の対中政策をどう評価しますか。

浜田 安倍総理は就任以来、いわゆる「地球儀外交」を標榜し、1年間で30数カ国を訪問し150回以上の首脳会談を行っていますが、この外交努力には敬意を表します。

しかし、安倍政権に対中政策というものがあるのかどうか疑問です。遠くアフリカへも行きながら、隣国の中国や韓国とは対話が出来ていません。これで積極的な平和外交と言えるのでしょうか。

安倍総理に言わせれば、中国は尖閣諸島の領海や領空を頻繁に侵犯しているので信頼のおける話し合いの場が持てないということになるのですが、世界中には国境や領海が接しているところも多く常に摩擦があるわけです。摩擦があって当然との観点に立てば、どのようにしてその摩擦に火が付かないように収めるか、ここに外交を行う意味があるのです。

もちろん、安倍総理は自身の信頼できる政治家や外交官を、隠密外交と称して中国に派遣されたりしていることは私も承知しています。しかし、水面下のみで、果たして成果をもたらすでしょうか。自信があれば中国やアジアの近隣諸国と向き合うべきではないでしょうか。安倍総理には自信を持っていただきたいと思います。

 

互いに学び合うことで

真の日中関係を構築

―― 2011年の3.11東日本大震災以降、日本のエネルギー戦略が問われています。「脱原発」か否かが今回の東京都知事選挙の焦点にもなっていますが、今後、日本の取るべきエネルギー政策について、どのようにお考えですか。

浜田 石油や石炭、天然ガスといった化石燃料はどんどん発展してきましたが、もう限界に来ています。そうした中で、原子力がクリーンなエネルギーとして大変期待されているわけですが、チェルノブイリやスリーマイル島、そして福島の原発事故が、人間がコントロールできる技術には限界があり、大自然の前では謙虚であれと教えたのです。

しかし、世界中の多くの国々で原発に対する研究開発を行い、導入をはかっているわけですから、今すぐ原発をゼロにするのは無理です。大事なことはリスクを認識し、リスクを抑えながら安全な運用をしていくことです。もちろん原発だけに依存することはできませんから、自然エネルギーについても柔軟な発想で研究開発していくべきです。そこで、日本、中国、欧米の研究者らの英知を結集することです。

最近では、中国の黄砂、PM2.5などが日本でも問題になってきていますが、一番大変なのは中国国民です。私の地元鳥取大学の乾燥地研究センターでは中国の大学と中国の砂漠化を防ぐための共同研究を進めています。今後、こうした研究に日本の政府も民間も全面的に協力すべきです。

日中は小さな島の問題に時間とお金と労力を割くのではなく、アメリカや世界の国々とともに、環境・エネルギー・食糧問題などの地球的課題に取り組んでいくべきです。こういう分野で、お互いの技術と経験を活かしていくことが真の日中関係を築くことになると思います。

 

編集後記:

インタビューを終えると、浜田和幸議員は秘蔵のポケット型『毛主席語録』を見せてくださった。あの「造反有理」の時代、浜田議員は深夜の中国語放送を聞いて中国を理解したという。「中国通」と呼ばれる日本の政治家がどのようにして生まれたのかを垣間見た思いがした。自ら我々をエレベーターまで送ってくださり、我々中国メディアに対する礼儀を示された。

 
  情報元:人民日報海外版日本月刊  
 
 
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